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閑静な住宅街で新築戸建てを購入→庭の植栽が倒れ砂利が散乱…30代夫婦が見落としていた“道路の盲点”

  • 2026.6.25
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

住宅を購入する際、道路の交通量が少ない静かな住宅街に安心感を覚える方は多いのではないでしょうか。車の往来が少なければ、子どもも安心して暮らせると感じることもあると思います。

しかし、一見すると車通りが少ないように見えても、必ずしも安心とは限らないケースがあります。

今回は、価格の手頃さに惹かれて新築戸建てを購入した30代ご夫婦が、車のすれ違いによって思わぬ問題に直面した事例をご紹介します。

「交通量が少ない」安心して購入した新築戸建て

3年ほど前、私の親族(Aさんご夫婦)が体験した話です。

30代のAさんご一家は、小学生になる前のお子さまを育てるご家族でした。住宅購入を検討する中で重視していたのは、予算と子育て環境のバランスです。最終的に購入したのは、郊外の住宅街にある新築戸建てでした。

前面道路の幅員は約4メートル。決して広い道路ではありませんでしたが、周辺は静かな住宅街で、Aさんご夫婦は「交通量も少なく安心できそう」と感じていたそうです。

実際、平日の昼間に内見した際も車はほとんど通っておらず、特に気になる点はありませんでした。価格も周辺相場より手頃だったことから、ご夫婦は購入を決断します。

ところが、住み始めて数週間後、ある光景を目にしたことで違和感を覚えるようになったのです。

狭い道路ですれ違う車が敷地へ乗り上げるように

最初に気になったのは、朝と夕方の時間帯でした。

通勤や通学の時間になると、前面道路では対向車同士がすれ違う場面が頻繁に見られるようになります。道路幅が狭いため、どちらかの車が端へ寄らなければ通行できません。

すると、車がAさん宅の敷地ギリギリまで寄りながら通過する光景が日常的に見られるようになったのです。

ある日、ご主人が帰宅すると、庭先の植栽が倒れていることに気付きました。近くを確認すると、地面にはタイヤの跡が残っています。さらに敷いていた砂利も道路側へ飛び散っていました。

最初は偶然かと思ったそうですが、その後も同じようなことが何度も続きます。宅配車や大型SUV、ミニバンなどがすれ違う際には、敷地の土間部分へタイヤが乗り上げる場面も珍しくありませんでした。

ご主人は次第に「また車が入っているかもしれない」と気になり、外で車の音がするたびに窓の外を確認するようになったそうです。

ポスト接触寸前で高まる家族の不安

問題はそれだけではありませんでした。

前面道路の先にはカーブがあり、近くには電柱も立っていました。そのため、配送トラックや工事車両などの大型車が通行する際には、何度も切り返しが必要になることがあったのです。そして、そのたびにAさん宅の敷地前が利用されていました。

ある休日のことです。配送トラックが切り返しを繰り返していた際「ガンッ」という大きな音が聞こえました。驚いたご夫妻が慌てて外へ飛び出すと、幸い接触はしていませんでした。しかし、ポストの数センチ手前まで車体が迫っていたそうです。

また、車同士のすれ違いを避けるため、歩行者や自転車が敷地内へ入り込む場面も徐々に増えていきました。特に心配だったのは、お子さまの安全です。

以前は庭先で遊ばせることもありましたが「もし車が急に入ってきたら危ない」という不安が強くなり、外遊びをさせる機会も減っていきました。

外構補修と車止め設置で想定外の出費に

その後、ご夫妻は本格的な対策を検討することになります。まずは踏まれて傷んだ植栽を補修しました。しかし、それだけでは状況は改善しません。

車の乗り上げは相変わらず続き、砂利が散乱することもありました。そこで最終的に、ご夫妻は敷地への侵入を防ぐため、境界部分へ車止めポールを設置することを決断します。さらに、傷んだ外構部分の補修工事も行うことになりました。

結果として、ポール設置費用や外構補修費用などで数十万円の出費が発生したそうです。

静かな住宅街に見えても、時間帯によって交通状況は大きく変わることがあります。また、道路幅だけでなく、車同士のすれ違い方や電柱・カーブの位置によっても住み心地は大きく左右されます。

ご夫妻にとっては、住宅そのものには満足していたからこそ、購入前に確認できなかった道路環境が大きな誤算となってしまったのでした。

戸建て購入では道路の使われ方まで確認を

Aさんご夫妻も購入前に道路幅は確認していましたし、内見時には交通量の少ない静かな住宅街に見えていました。しかし実際には、朝夕になると対向車同士のすれ違いが頻繁に発生し、その影響が敷地内にまで及んでいたのです。

住宅購入前には、道路の広さだけでなく、実際にどのように利用されているのかまで確認しておくことが大切です。特に次のような点は押さえておきたいポイントです。

  • 対向車同士がどのようにすれ違っているか観察する
  • 電柱やカーブの位置を確認する
  • 宅配車やゴミ収集車など大型車の通行状況を見る
  • 外構計画の段階で車の乗り上げ対策を検討する

戸建て住宅は建物や間取りだけでなく、接道条件によって住み心地が大きく左右されます。図面や道路幅の数字だけでは見えてこないことも少なくありません。

後悔しないためには、平日と休日、朝・昼・夕方など時間帯を変えて現地を訪れ、実際の交通状況や道路の使われ方を確認しておくことをおすすめします。

住まい選びでは建物そのものに目が向きがちですが、毎日目にする道路環境も暮らしやすさを左右する大切な要素です。購入前に一歩踏み込んで確認しておくことが、将来の後悔を防ぐことにつながるでしょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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