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タワマン28階購入も「なかなか冷えなくて…」夏の午後がサウナ状態に…30代夫婦の誤算【一級建築士は見た】

  • 2026.7.6
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

「見晴らしのいい西向きの高層階に惹かれて決めたんです。でも初めての夏、午後になると西日が差し込んで、エアコンをつけても部屋がなかなか冷えなくて…」

そう話すのは、都内のタワーマンション(35階建て・28階・約75㎡)を約1億円で購入したKさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。眺望を楽しめる大きな窓に惹かれて決めたものの、実際に暮らしてみると、午後から夕方の西日の強さに戸惑ったといいます。

「景色は気に入っているんです。ただ、夏の午後だけはリビングにいるのがつらくて」と振り返ります。

夏の「西日」は、長く・強く差し込む

西日とは、午後から日没にかけて差し込む直射日光のこと。夏は太陽が出ている時間が長く、強い日差しが長く室内に差し込みます。住まいで熱の出入りがもっとも大きいのは「窓」だとされ、西向きの大きな窓は午後の日射熱をまともに受けやすい場所。エアコンをつけても冷えにくいのは、入ってくる熱の量に冷房が追いついていないことが一因と考えられます。

なお、「高層階だから特別に暑い」と一概にはいえません。暑さは向きや窓の大きさ、周りに日差しをさえぎる建物があるかなどの条件で変わります。ただ、高層階は前に高い建物が少なく直射をさえぎる物がないことも多いため、西日の影響を受けやすいケースがあるとはいえそうです。

「眺望」と「日射」はセットで考える

高層階の「大きな窓」と「開けた眺望」は、裏を返せば、日差しをさえぎる物がないまま広い面積で日射を受け入れるということ。対策の柱は二つです。

ひとつは窓ガラスの性能。「Low-E(ロウイー)複層ガラス」の遮熱タイプは日射熱の多くをカットするとされ、製品によっては太陽の熱線を約6割カットするとうたうものもあります。

もうひとつは室内側での遮蔽で、強い西日にはブラインドや遮熱・遮光カーテンの併用が効果的とされます。後から対策するなら、遮熱フィルムや、もう一枚窓を足す内窓といった方法もあります。

Kさん夫婦はどう対応したのか

Kさん夫婦は、まず自宅の窓の仕様を確かめました。もともと遮熱性のある複層ガラスは入っていたものの、それだけでは午後の強い西日を抑えきれていないと分かりました。後付けの遮熱フィルムも検討しましたが、複層ガラスにフィルムを貼ると、熱のこもり方によってはガラスが割れる「熱割れ」のおそれがあると知り、見送ったそうです。

そこでまずは手軽なカーテンから、と考え、リビングの西向きの窓に遮熱・遮光性の高いカーテンを取り入れ、日差しの強い時間帯は引いて直射をやわらげるように。あわせて、暑くなる前から早めにエアコンを動かす使い方に変えました。

「いちばん暑い時間だけと割り切れば、ぐっと過ごしやすくなりました。冷房の効きも前よりよくなって、夕方には窓を開けて景色を楽しんでいます」とKさん。眺望と快適さのバランスを、暮らしながら見つけていったといいます。

家を買うときは「夏の午後の日当たり」まで考えて選ぶ

眺望のよい住まいや大きな窓のある物件を検討する際は、明るさや開放感だけでなく、夏の日差しの入り方まで考えておくと安心です。

・窓の向き(とくに西向き・南西向き)と、午後から夕方の日差しの入り方
・備わっている窓ガラスが、遮熱性のあるタイプかどうか
・カーテンやブラインド、フィルム、内窓など、後からできる対策の余地があるか(ガラスの種類により施工の向き不向きもあるため、専門業者に確認を。マンションの場合は管理規約も要確認)

「景色を楽しむ」ことと「夏を快適に過ごす」こと。その両立が、眺望のよい住まいと長く心地よく付き合っていくための第一歩です。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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