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「とりあえず駐車場、フェンスは後で」建物にこだわりすぎた30代夫婦が、かえって後悔した盲点【一級建築士は見た】

  • 2026.7.9
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「間取りや設備にはこだわったんです。でも、そちらにお金をかけすぎて、外構まで予算が回らなくなって。とりあえず駐車場のコンクリートだけにして、フェンスや門まわりは後で、と先延ばしにしたんです。そうしたら、住んでから不便なことが次々と出てきて…」

そう話すのは、2年前に注文住宅(4LDK・延床約33坪/土地約43坪、約4,500万円)を建てたAさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。建物が完成したときには、外構はほとんど手つかずの状態でした。

「住めればいい、と思っていたのですが。駐車場から玄関までの動きや、道路からの視線が気になって。後から手を入れようとしたら、かえって割高になってしまって」とAさんは振り返ります。

外構は「後回し」にすると、かえって高くつく

注文住宅では、つい建物の間取りや設備に予算が集中しがちです。ですが、駐車場や玄関までの通路、フェンスや門まわりといった「外構」も、毎日の暮らしを支える住まいの一部です。

外構を後回しにすると、後からの工事は、すでに暮らしている中での作業になります。駐車予定地に車が停まっていたりして重機や資材を入れにくく、業者の手配や仮設の準備も二度手間になり、一度でまとめて仕上げるより割高になりがちです。とくに、駐車場と道路の高低差や勾配といった「高さ」に関わる部分は、建物の計画と切り離して後から手を入れると、土留めなどが必要になり、数十万円単位で費用が変わることもあります。

外構の費用は、建物本体にかかる金額の1割ほどが、一つの目安とされています。敷地やこだわりで幅はありますが、最初の資金計画にこのくらいの枠を入れておくと、後で慌てずにすみます。

とくに「車まわり」は、後悔が出やすい

外構のなかでも不便を感じやすいのが、車にまつわる部分です。

建物の間取りだけで家の配置を決めると、車を停めてから玄関まで遠回りになり、荷物の多い日や雨の日に不便なことがあります。駐車スペースの幅にゆとりがないと、ドアを大きく開けられず、子どもの乗り降りやチャイルドシートへの乗せ降ろしがしづらいことも。自転車置き場を見込んでおかないと、子どもが乗る年齢になって困ることもあります。こうした車まわりは、建物の図面だけを見ていると、見落とされがちです。

Aさん夫婦はどう対応したのか

外構の不便に気づいたAさん夫婦は、優先順位をつけて、少しずつ手を入れることにしました。

まず、影響の大きい、道路からの視線が気になる部分に目隠しのフェンスを設置。次に、駐車スペースから玄関までの通路を歩きやすく整えました。困っている度合いの高いところから順に進めることで、負担を抑えたそうです。

「建物を計画する段階で、外構まで含めて予算を考えておくべきでした。後からだと割高にも二度手間にもなって。それでも、優先順位をつけることで、少しずつ暮らしやすくなっています」とAさんは振り返ります。

家を建てるときは「外構まで含めて」計画して選ぶ

注文住宅を建てる際は、建物だけでなく、外構まで含めて計画しておくと安心です。とくに以下の点を意識してみてください。

・建物の予算だけでなく、外構の費用も最初から見込んでいるか
・駐車スペースから玄関までの動線に、無理がないか
・駐車スペースの幅に、ドアの開閉や乗り降りのゆとりがあるか
・将来の自転車置き場や、道路からの視線への備えを考えているか

「建物」だけでなく「外構まで」ひと続きで考えて

立派な建物は、家づくりの大きな目標です。一方で、毎日の暮らしやすさは、駐車場や玄関までの動線、外まわりの使い勝手にも、大きく左右されます。

大切なのは、建物と外構を切り離さず、ひと続きの住まいとして計画すること。総予算の中で外構の分を先に取り分けておくと、建物の打ち合わせで予算が膨らんでも、外構が削られずにすみます。家づくりの早い段階で、外構まで含めた資金計画を立てておきたいところです。

「建物」だけでなく、「外構まで」ひと続きで考えること。それが、住んでから後悔しないための第一歩です。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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