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「築40年?信じられない!」相場より数百万安い“リノベ団地”を即決した40代夫婦→入居数ヶ月後に始まった“小さな違和感”の連鎖

  • 2026.7.9
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

「安くてもいいから、きれいな家に住みたい…」

不動産価格が上昇している中、このように考えている方も多いのではないでしょうか。

中でも中古住宅や築古団地では「まるで新築のようにきれい」という魅力的な物件を目にすることがあります。室内がおしゃれに生まれ変わっていると、お得に感じる方も少なくありません。

しかし、リノベーションでは室内部分だけが新しくなっているケースも多く、建物そのものは築年数を重ねたままです。そのため、住み始めてから思わぬ違和感に気付くこともあります。

今日は、築40年の団地で見つけた、おしゃれな無垢風フローリングに一目惚れして購入を決めた40代ご夫婦が、入居後に予想外の問題に悩まされたエピソードをご紹介します。

「まるで新築みたい」と即決

数年前、築40年を超えるフルリノベーション済み団地を購入した40代のAさんご夫婦から、ご相談をいただいたことがあります。

「新築は予算的に厳しいけれど、きれいな家に住みたいんです」

そう話していたご夫婦が購入したのは、築40年を超える団地をフルリノベーションした物件でした。

「まるで東京にあるカフェみたい!」

室内へ入ると、無垢材のような質感のフローリングが広がり、造作棚や間接照明も設けられています。まるでカフェのようなおしゃれな空間に、ご夫婦はすっかり魅了されたそうです。

しかも価格は周辺相場より数百万円安く、ご夫婦はとても喜ばれていました。

「カフェみたいな家で暮らせるなんて最高じゃない!」
「ここに決めよう!」

室内のデザインも価格も理想どおりだったことから、ご夫婦はその物件の購入を決断しました。

日に日に増える違和感...「なんとなく変だ...」

入居後しばらくは、Aさんご夫婦の暮らしはとても充実していました。友人を招くたびに室内を褒められ、ご夫婦も満足していたそうです。

「築40年?信じられない!」
「中古とは思えない豪華さだね」

ところが、数ヶ月が過ぎた頃から、小さな違和感が少しずつ積み重なり始めます。

ある日、洋室の隅に立ったAさんは、何とも言えない気持ち悪さを覚えました。

「少し疲れているのかな…」

最初はその程度に考えていたそうです。

ところが別の日には、机に置いていたボールペンが、気付くと部屋の端まで転がっていました。

「ん…?気のせいか…」

それでもAさんは、深く気に留めませんでした。

しかしある休日、お子さまが床でビー玉遊びをしていたときのことです。転がしたわけでもないビー玉が、一直線に部屋の隅まで転がっていく様子を見て、ご夫婦は顔を見合わせました。

「うそ…これ、床が傾いているんじゃない…?」

その瞬間、それまで感じていた違和感の理由が、一気につながったそうです。

専門業者から告げられた「建物の傾斜」という現実

心配になったAさんご夫婦は、専門業者へ調査を依頼しました。測定の結果、床には一定の傾斜が確認されたそうです。

「リノベーション自体が原因というより、築年数の経過による建物の変形や不同沈下(建物の下の地盤が不均一に沈む現象)などが影響している可能性があります」

「洋室で気持ち悪さを感じたのも、床の傾斜によって平衡感覚が影響を受けたためかもしれません」

担当者からは、このような説明を受けました。

幸い、日常生活に重大な支障が出るほどの傾きではなく、すぐに倒壊するような危険性もないとのことでした。

しかし、一度気付き始めると、毎日の生活で違和感ばかりが気になるようになります。

  • 椅子が少し動く
  • ボールペンが転がる
  • 家具を置いても水平ではないように感じる

以前なら気にならなかったことまで、すべて床の傾きが原因ではないかと思うようになってしまったそうです。

さらに、傾斜そのものを大きく改善するには、大掛かりな補修工事が必要になる可能性もあると説明され、ご夫婦は大きなショックを受けていました。

中古住宅購入では「建物そのもの」の状態まで確認したい

結局、Aさんご夫婦は現在もこの物件で暮らしています。しかし、床の傾きが気になり続けており、将来的には住み替えも検討しているそうです。

今回のケースでお伝えしたいのは、築古リノベーション物件が悪いという話ではありません。実際に、丁寧に施工・管理されたリノベーション物件で快適に暮らしている方は数多くいます。

一方で、リノベーションによって新しくなるのは主に室内部分です。築古マンションや団地では、建物自体の経年変化や構造の状態まで新しくなるわけではありません。

そのため、築年数が古い物件を検討する際は、次のような点も確認しておきたいところです。

  • 水平器などを使って床の傾きがないか確認する
  • ホームインスペクション(住宅診断)や既存住宅状況調査の活用を検討する
  • 価格やデザインだけで判断しない

中古住宅では、内装の美しさや価格の安さに目を奪われがちです。

だからこそ、住み始めてから後悔しないためには、「新築のような見た目」だけでなく、建物全体がどのような状態なのかまで確認することが大切です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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