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タワマン購入も「ポストの売却チラシが…」50代夫妻が“駅徒歩3分”を手放すことになった思わぬ異変

  • 2026.6.25
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

住宅を購入する時「駅近だから安心」「タワーマンションなら資産価値は落ちにくい」と考えたことはありませんか?

実際、近年は都心部を中心にタワーマンション価格の上昇が話題になり、「買っておけば将来も安心」というイメージを持つ方も少なくありません。

しかし、不動産は立地や時代背景によって状況が大きく変わります。特に地方都市では、人口減少や住民の高齢化、建物の老朽化などが重なることで、購入時には想像もしなかった問題が起きることも。

今日は、地方都市の駅前タワーマンションを購入した40代ご夫婦が、「資産価値は安泰」と信じていたものの、築20年を超えた頃から状況が一変し、売却に大きく苦労した実際のエピソードをご紹介します。

「タワマンなら値下がりしない」と信じて購入した40代夫婦

これは私が地方都市で不動産売買仲介をしていた頃の話です。相談に来られたのは、50代になったAさんご夫婦でした。

ご夫婦がタワーマンションを購入したのは約15年前、当時は40代前半。駅から徒歩3分という好立地で、市内でも有名なタワーマンションでした。

Aさんご夫婦は、駅前のタワーマンションであれば資産価値は落ちにくく、将来的に売却する際も有利だと考えていました。当時は不動産価格も上昇傾向にあり、ご夫婦も「将来住み替える時も売却で困ることはないだろう」と期待して購入を決断。

実際、購入後しばらくは順調でした。周辺には商業施設も多く、生活利便性も高い環境です。マンション価格も大きく下落せず、ご夫婦は安心して暮らしていました。

しかし、その安心感は築20年を超えた頃から少しずつ揺らぎ始めます。

空室が増え始めたマンションで起きた変化

最初の異変は、マンション内で空室が目立ち始めたことでした。投資目的で購入されていた住戸が、賃貸募集をかけても埋まらなくなり、相続後に利用されないまま放置される部屋も増えていきます。

さらに住民の高齢化も進んでいました。施設への入居や子ども世帯との同居を理由に転居する人が増え、売り出し中の住戸も徐々に目立つようになります。

Aさんも当時を振り返り、こう話していました。

「気付けば、ポストに入る売却チラシが以前よりずっと増えていたな…」

その頃から、建物の維持管理に関する課題も表面化し始めます。

築20年を超え、大規模修繕工事の計画が進むなか、管理組合では修繕積立金(将来の修繕費用を積み立てるお金)の値上げが議論されるようになりました。その結果、修繕積立金も段階的に上昇。

共用施設の維持費や設備を修繕する費用も重なり、毎月の負担額は購入当初と比べて大きく増加していました。Aさんご夫婦はまだ住み続けるつもりでしたが、この頃から少しずつ将来への不安を感じ始めていたそうです。

売却活動を始めるも...

転機が訪れたのは、ご夫婦が住み替えを考え始めた時でした。子どもが独立し、夫婦2人には部屋が広すぎると感じるようになったのです。

Aさんご夫婦は不動産会社へ相談し、周辺の成約事例や同じマンション内の売出状況を踏まえて、相場に近い価格で売却活動を始めました。

しかし、販売開始後の反響は想定より少ないものでした。

駅徒歩数分のタワーマンションであるにもかかわらず、問い合わせはなかなか増えません。購入検討者からは、次のような声が聞かれました。

「管理費が高いですね」「修繕積立金がこれから上がりそうで不安です」「同じマンション内にも売り物件が多いですね」

立地の魅力は残っていても、築年数や維持費負担、空室の増加が購入判断に影を落としていたのです。

結局、売却まで1年かかった

販売開始から数か月が経っても、購入申込みは入りませんでした。その間にも、同じマンション内の売却物件が価格を下げ始めます。Aさんご夫婦も状況を見ながら、売出価格を見直すことになりました。

最初は数百万円の値下げでした。

しかし、それでも買い手は現れません。販売期間が長くなるほど、購入希望者からは「まだ売れていない理由があるのでは」と見られやすくなっていきました。

最終的に買主が見つかったのは、売却活動を始めてから約1年後。成約価格は、当初の売出価格より約1,000万円低い金額でした。

「相場に合わせて売り出したつもりでした。それでもここまで下げないと売れないとは...」

Aさんは肩を落としていました。住み替え自体は実現したものの、手元に残る資金は想定を大きく下回ります。

タワーマンションは“今の人気”だけで判断しないことが大切

購入当時に人気だった物件でも、20年後に同じ評価を受けるとは限りません。実際に駅前立地や都心部の物件を中心に、高い資産価値を維持しているタワーマンションも数多く存在します。

一方で、不動産の価値は立地だけで決まるものではありません。特に地方都市では、人口減少や住民の高齢化、建物の老朽化などによって状況が大きく変化することがあります。

また、空室の増加は管理組合の運営や修繕計画にも影響を与える可能性があります。共用施設が充実しているマンションほど、将来的な維持費負担が重くなるケースも少なくありません。

そのため購入前には、次の点まで目を向けておくことが大切です。

  • 空室率や賃貸住戸の割合を確認する
  • 周辺人口の推移や再開発計画を調べる
  • 将来の売却需要を想定する

また、将来的に住み替えを考えている場合は、築年数が進む前に売却を検討した方が有利になるケースもあります。

住宅購入では、現在の人気や話題性だけでなく、その物件が10年後、20年後にどのような評価を受ける可能性があるのかまで意識しておくことが重要です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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