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「たった2時間」念願の庭付き戸建てでDIYを満喫も…40代男性が警察に通報されたワケ

  • 2026.6.21
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

戸建て住宅の魅力の一つは、自分の趣味やライフスタイルを自由に楽しめることではないでしょうか。庭で家庭菜園をしたり、ガーデニングに挑戦したり、DIYで理想の空間づくりを楽しんだりする方も少なくありません。

一方で、戸建て住宅は近隣との距離が近いからこそ、思わぬトラブルが生じることもあります。自分では「短時間だから問題ない」と考えていた行動が、周囲にとっては大きな負担になっているケースもあるのです。

今日は、庭付き戸建てを購入した40代男性が、休日のDIYをきっかけに近隣との関係が悪化してしまったエピソードをご紹介します。

庭付き戸建てで始まった念願のDIY生活

これは私が不動産売買仲介をしていた際に、戸建てを購入されたお客様(Aさん)からお聞きした話です。

Aさんは40代の会社員男性でした。以前からDIYが趣味で、マンション暮らしの頃から「いつか庭付きの戸建てで思い切り作業したい」と考えていたそうです。

念願かなって郊外の戸建て住宅を購入。庭も広く、隣家との間にはフェンスもありました。

Aさんは休日になると、「やっと自分の作業場が手に入った」と嬉しそうに話していました。最初に作ったのはウッドデッキでした。その後も物置やガーデンフェンス、花壇などを次々と自作していきます。

使用していたのは、次のような電動工具です。

  • 電動丸ノコ(木材を切断する電動工具)
  • サンダー(木材表面を削る工具)
  • インパクトドライバー(ネジ締め用の電動工具)

作業は毎週日曜日の昼間。時間も2時間程度だったため、Aさんは「早朝でも深夜でもないし問題ないだろう」と考え、騒音を気にすることなく作業に没頭していたそうです。

「たった2時間」が周囲には毎週の騒音だった

ところが、近隣では少しずつ不満が積み重なっていました。電動工具特有の高い音は、想像以上に遠くまで響きます。

近所には在宅勤務をしている方もいました。受験を控えた高校生がいる家庭や、高齢のご夫婦だけで暮らしている世帯もあったそうです。

当初は多くの住民が我慢していました。しかし次第に「また始まったな…」「毎週日曜日になると音が聞こえてくる」と感じる人が増えていきました。

特にサンダーの高音や丸ノコの切断音は耳に残りやすく、作業時間が2時間程度であっても、毎週続くことでストレスを感じる住民も少なくなかったようです。

やがて一人の住民が自治会へ相談。その後、別の住民からも同様の相談が寄せられるようになりました。

一方のAさんは、そうした状況にまったく気付いていませんでした。むしろ「日曜日の昼間だし、2時間くらいなら問題ないだろう」と考えていたそうです。

Aさんに悪気はありませんでした。しかし、自分が思っている以上に音が周囲へ届いていたこと、そして「短時間だから大丈夫」という感覚が近隣住民と大きく異なっていたことに気付いていなかったのです。

こうして少しずつ、Aさんと近隣住民との間には認識のズレが生まれていきました。

自治会の集会で初めて気付いた現実

転機が訪れたのは数ヶ月後でした。自治会の集会で、生活騒音に関する話題が取り上げられたのです。その中で「日曜日の作業音について配慮をお願いしたい」という意見が住民から出されました。

さらに、自治会には以前から複数の相談が寄せられており、警察へ生活騒音の相談をした住民もいたことを後から知ったそうです。もちろん、Aさんの行為が違法と判断されたわけではありません。

しかし、それだけ周囲のストレスが大きくなっていたということでした。Aさんは大きなショックを受けます。

「せっかく念願の戸建てを購入して、思い切り趣味を楽しめると思っていたのに…」

自分では常識的な範囲だと思っていた行動が、近隣住民の負担になっていた事実を受け止めきれなかったそうです。

その後、AさんはDIY作業をほとんど行わなくなりました。休日になるたびに自治会での出来事を思い出し、庭へ出ることすら減っていったといいます。

さらに精神的な落ち込みが続き、軽いうつ状態と診断されるまでになりました。趣味を楽しむために購入した庭付き住宅でしたが、気付けば庭を見ることさえつらくなってしまったそうです。

住宅街では“違法かどうか”だけで判断しないことが大切

DIYは、自分の手で理想の空間を作り上げることができる魅力的な趣味です。戸建て住宅を購入したことをきっかけに、本格的に楽しみ始める方も少なくありません。

しかし住宅街では「昼間だから問題ない」「違法ではないから大丈夫」という考えだけで判断しないことが大切です。

特に電動丸ノコやサンダーなどの電動工具は、想像以上に遠くまで音が響きます。作業している本人は短時間のつもりでも、周囲にとっては毎週繰り返される騒音として受け取られることもあります。

そのため、次のような配慮を意識するとトラブル防止につながります。

  • 作業時間帯を慎重に選ぶ
  • 短時間であっても、毎週同じ曜日に作業を続けない
  • 大掛かりな作業前は近隣へ一言伝える
  • 防音シートや作業場所を工夫する
  • 住宅購入前に隣家との距離や周辺環境を確認する

戸建て住宅は自由度の高い住まいです。一方で、快適な暮らしは建物や庭だけで成り立つものではありません。近隣との良好な関係も、住み心地を左右する大切な要素です。

Aさんのように、「自分にとってはたった2時間」と思っていたことが、周囲には大きな負担として受け止められている場合もあります。

趣味を長く楽しむためにも、自分の感覚だけで判断せず、周囲への配慮も忘れないようにしたいものです。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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