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「毎朝6時の爆音」で家族が睡眠不足に…憧れのビルトインガレージ付き注文住宅を建てた40代夫婦の誤算

  • 2026.6.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

注文住宅を建てる際「雨の日でも濡れずに車へ乗りたい」「愛車を大切に保管したい」と考える方は少なくありません。そんな希望を叶えてくれる設備として人気なのがビルトインガレージです。

しかし実際には、住み始めてから初めて気付く問題もあります。

今日ご紹介するのは、ビルトインガレージ付きの注文住宅を建てた40代ご夫婦のお話です。完成当初は理想のマイホームに大満足だったご家族。しかし、毎朝のエンジン音やシャッター音が家族全員の生活を大きく変えてしまいました。

便利なはずのビルトインガレージで、なぜ後悔することになったのでしょうか。

「雨の日も快適」に憧れて作ったビルトインガレージ

これは、私が土地の仲介で取引を行ったハウスメーカーの営業担当者から聞いた話です。

40代の共働きであるAさんご夫婦には、小学生のお子さんが2人いました。注文住宅を建築するにあたり、限られた敷地を有効活用するため、次のような間取りで家づくりを進めることになりました。

  • 1階:ビルトインガレージ
  • 2階:LDK
  • 3階:子ども部屋

ご主人は打ち合わせの際「雨の日でも濡れずに車へ乗れて、防犯面でも安心できる。見た目も格好いいですよね」と話しており、ご家族全員がビルトインガレージのある家づくりに賛成だったそうです。

完成した新居を見たAさんご夫妻は、「理想通りの家ができた」と大変満足していました。

しかし、その満足感は入居後しばらくして大きく揺らぐことになります。まさか毎日の車の出入りが、家族の睡眠や暮らしに影響を及ぼすとは想像していなかったのです。

毎朝6時のエンジン音が家族の睡眠を奪った

状況が変わったのは住み始めてからでした。

Aさんが異動となり、毎朝6時頃に出勤する生活が始まったのです。すると家の中で思わぬ問題が起きます。

  • 車のエンジン始動音
  • ガレージシャッターの開閉音
  • 出庫時の振動

これらが想像以上に建物へ伝わっていたのです。

特に影響を受けたのはガレージ上のLDKや子ども部屋でした。毎朝のように「パパもう行くの?」と子どもたちが目を覚ますようになります。

さらに夜勤がある奥様にも深刻な問題が発生します。昼間に睡眠を取りたい日でも、ご主人が車を出し入れするたびに音が響きます。奥様は後に「家の中なのに車庫の中で寝ているような感覚でした」と振り返っていました。

騒音だけではなかった排気ガスの問題

問題は騒音だけではありませんでした。

冬場になるとエンジンを温めるために暖機運転(出発前にエンジンを一定時間動かすこと)を行う日が増えます。するとガレージ周辺に排気ガスの臭いが残るようになったのです。

換気設備は設置されていましたが、想定していたほど十分ではありませんでした。特に風向きによっては玄関周辺へ臭いが流れ込むこともあったそうです。

Aさんは対策として防音工事を検討しました。しかし、見積もりを取ったところ、想像以上の金額に驚くことになります。

  • 天井の遮音工事
  • 防振材の追加
  • シャッター交換
  • 換気設備の改善

こうした工事が必要と判断され、見積額は100万円を超えていたのです。

「そこまで考えて家を建てたつもりだったのに…」

Aさんは大きなショックを受けたそうです。

改善工事を行ったものの完全解決には至らず

最終的にご家族は全面改修までは行わず、比較的費用負担の少ない対策を選択しました。

  • 静音タイプのシャッターへ交換
  • ガレージ天井へ吸音材を設置
  • 子ども部屋の窓を遮音性能の高い製品へ交換

費用は約40万円だったそうです。以前より音は軽減されたものの、完全に消えたわけではありません。

現在もご家族は「最初から生活音まで考えて設計しておけば良かった」と話しています。便利さや見た目だけで判断した結果、毎日の暮らしに予想外の負担が生じてしまったのです。

ビルトインガレージは生活リズムまで考えて計画を

ビルトインガレージには、雨の日でも濡れずに乗り降りできる利便性や、防犯面での安心感など多くのメリットがあります。

一方で、音や振動、排気ガスの臭いといった問題は、図面やモデルハウスの見学だけでは気付きにくい部分でもあります。特に次のようなケースでは注意が必要です。

  • 寝室や子ども部屋をガレージの真上に配置する
  • 夜勤勤務など生活リズムが異なる家族がいる
  • 早朝出勤や深夜帰宅が多い
  • 将来的に車の利用頻度が増える予定がある

また、シャッターは価格だけで選ぶのではなく、静音性能も比較しておくことをおすすめします。可能であれば設計段階から防音材や遮音構造を取り入れ、換気計画まで含めて検討しておくと安心です。

家づくりでは、どうしても間取りや外観、設備の使い勝手へ目が向きがちです。しかし実際に暮らし始めると、毎日の生活音や家族の生活リズムが住み心地を大きく左右します。

ビルトインガレージを検討している方は「車をしまう場所」としてだけではなく、家族が毎日暮らす空間の一部として考えることが、後悔しない家づくりにつながるでしょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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