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医師から『皮膚がん』と言い渡された50代男性→数年前から、身体に起きていた“小さな異変”に「あの時、放置しなければ…」

  • 2026.6.26
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさまこんにちは。あらゆる病気をお持ちの方に日々対応し、安全な周術期をお守りする麻酔科専門医の松岡です。

今回は、足の裏の小さな違和感を放置してしまったことで、人生が一変してしまったある50代男性のお話です。

「足の裏に黒い点があるけれど、靴擦れでできた血豆だろう。痛くないし放っておけば治る」。そう自己判断して、仕事に追われる日々を過ごしていた50代のAさん(仮名)。

しかし数年後、彼を待っていたのは「悪性黒色腫(メラノーマ)」による全身転移という過酷な現実でした。現在は、呼吸の苦しさに耐え、「あの時、放置しなければ…」と後悔する日々を送っています。

なぜ「ただの血豆のようなもの」が、普段の生活すら困難にしてしまう状況につながったのか。その境界線について解説しましょう。

足の裏の黒い点が招く「見えない全身転移」

なぜ「痛くない血豆のようなもの」が命を脅かすことになるのでしょうか。これは「悪性黒色腫(メラノーマ)」という皮膚のガンであり、以下のようなメカニズムで静かに、しかし着々と進行します。

【進行のフロー】

  1. 発生:皮膚の色素細胞がガンの性質を持ち、足の裏などに痛みのない黒いシミや結節を作ります。
  2. 浸潤(根を張る):表面上は小さく見えても、ガン細胞は地下に向かって深く根を張り(垂直方向への進展)、血管やリンパ管へ侵入していきます。
  3. 全身転移:深く根を張ったガン細胞があっという間に肺や脳など全身の臓器へ散らばり、呼吸困難や麻痺といった重篤な症状を引き起こします。

「ただのホクロ・血豆」と放置してはいけない境界線

「こんなところにホクロ(血豆)なんてあったかな?」「痛くもないのに、わざわざ仕事を休んで病院に行く時間なんてない」。あるいは忙しい日々の中で、つい自分の体のことを後回しにしてしまう気持ちもわかります。

しかし、今回のケースでぜひお伝えしておきたい「危険な境界線」があります。
通常、ケガや病気は「痛み」としてSOSを出しますが、メラノーマの場合は初期に痛みがなく、見えにくい足の裏などに「血豆」のように発生することが、発見を遅らせる最大の罠となります。

「普通のホクロ」と「命に関わるガン」の違いをほんの少し知っているだけで、大切な日常を守れたはずの悲劇なのです。

手遅れになる前に、確認すべき3つのサイン

早期に発見すれば、適切に対処できる可能性が高まります。新しい黒い点を見つけたら、以下の5つのサイン(ABCD(E)ルール)を確認してください。

A(Asymmetry):形が「非対称」である

綺麗な丸ではなく、形がいびつであれば要注意です。

B(Border):輪郭が「ギザギザ・ぼやけている」

周囲の皮膚との境界がくっきりしておらず、にじんだようになります。

C(Color):色が「不均一である」

単色ではなく、濃淡があったり、一部が白や赤く抜けたりしている場合は危険です。

D(Diameter):直径が「6mm以上」である

目安として鉛筆の消しゴムの大きさよりも大きい場合は要注意です。

E(Evolving):大きさや形が「変化している」

以前より大きくなった、出血したなどの変化は直ちに受診が必要です。

足の裏の違和感や黒い点は、お早めの受診を

「これくらい大丈夫だろう」あるいは「ほくろだと思うし、こんなことで受診するのは申し訳ない」そうして受診しないお気持ちはよくわかります。しかし、近年の治療は進歩しており、早期に発見できれば大切な日常を守れる可能性が高まります。

今回ご紹介した見分けのためのABCDEは完璧に覚える必要はありませんが、見分け方があったことを覚えておいて、もし気になるものを見つけたら調べられるということが大切です。

もしもただのほくろだったときには、安心して日常に戻ってください。医療はいつでもあなたの味方です。


監修者・執筆:松岡 雄治

総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など。

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