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「脚の血管が浮き出る…」“着圧ソックス”を穿いて放置→数年後、50代女性を直撃した“悲惨な事態”に「早く受診していれば…」

  • 2026.7.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「立ち仕事だし、足の血管が浮き出るのもだるいのも仕方ない」。そう言って市販の着圧ソックスでやり過ごし、家族の「一度病院で診てもらったら?」という忠告を後回しにしていたCさん(50代女性)。

しかし数年後、突然足の皮膚が黒ずみ、ボロボロと崩れてぽっかりと深い「穴」が開いてしまいました。慌てて受診したところ、「うっ滞性潰瘍」と診断され、長期にわたる傷の治療と手術を受けることになりました。現在はすっかり穴も塞がり元の生活に戻れましたが、「あの時、ただのむくみだと放置せず、もっと早く受診していればあんな痛くて怖い思いをしなくて済んだのに」と後悔を口にしています。

なぜ、ただのむくみだと思っていた症状がこれほどの事態を招いたのでしょうか。

みなさまこんにちは。美容外科を含めた周術期管理において、あらゆる病気をお持ちの患者様を日々安全にお守りしている麻酔科専門医の松岡雄治です。今回は、見逃してはいけない足の血管のサインについて解説します。

足の血管のボコボコから皮膚が腐るまでの落とし穴

なぜ足の「血管のコブ」を放置すると皮膚に深い穴が開くのでしょうか。その進行は、以下のようなメカニズムで足を細胞レベルで蝕んでいきます。

【足の皮膚が壊死するフロー】

  1. 逆流防止弁の破壊:重力に抗って血液を心臓へ戻すための静脈の「逆流防止弁」が、加齢や長時間の立ち仕事による負担で壊れます。
  2. 血液のうっ滞:汚れた血液が下半身に溜まり続け、足の血管に高い圧力が持続して足に静脈瘤ができます。
  3. 皮膚の栄養失調:圧迫によって毛細血管の血流が滞り、皮膚の細胞に酸素や栄養が届かなくなります。
  4. 壊死と潰瘍形成:湿疹や黒ずみが生じ、かゆみや小さな傷をきっかけに皮膚が壊死して溶け、深い穴(うっ滞性潰瘍)が開いてしまいます。

「年齢のせい」という思い込みと、危険な合併症の境界線

「足がむくむのはいつものこと」「ズボンで隠せば見えないから平気」。毎日を懸命に生きる皆さんが、ご自身の不調を「大したことはない」とやり過ごしてしまうのは、ごく自然な心理です。

しかし、今回のケースを通してぜひお伝えしたい危険な境界線があります。足の血管がボコボコ浮き出る「下肢静脈瘤」は、実は見た目やむくみだけの問題ではありません。とても身近な疾患ですが、これを放置すると静脈の血流不全が足の皮膚を細胞レベルで腐らせてしまいます。

さらに、血流が滞ることで静脈の中に「血の塊(血栓)」が生じ、痛みを伴う炎症(血栓性静脈炎)を起こすこともあります。稀ではありますが、深部の静脈にまで血栓が及べば、肺の血管に詰まる重篤な事態(エコノミークラス症候群)を引き起こすリスクもゼロではありません。これは決して自己責任ではなく、ただ「年齢や立ち仕事のせい」と隠していた裏で進行する、病気の罠が引き起こした悲劇なのです。

重症化する前に、確認すべき3つのサイン

ただの疲れによるむくみと、皮膚が腐る一歩手前である危険な下肢静脈瘤を見分けるために、以下の3つのサインをご確認ください。

1. 足の血管がボコボコと浮き出る、または蛇行する

立っている時にふくらはぎや太ももの血管が浮き出てコブのようになるのは、静脈の弁が壊れているサインかもしれません。

2. 夕方の強いだるさと、夜間のこむら返り

血液が足にうっ滞し、筋肉や神経に過度な負担が及んでいる警告です。

3. 内くるぶし周辺の皮膚が黒ずみ、かゆい湿疹ができる

「うっ滞性皮膚炎」と呼ばれ、皮膚が壊死して穴が開く直前の最も危険なサインです。

「足のだるさ」というサインを見逃さない

「これくらいで病院に行くなんて大げさだ」と思うのは当然のことです。自分の体を後回しにして我慢してしまったことを、後悔することはありません。

下肢静脈瘤は、弾性ストッキングの着用や、体への負担が少ない「日帰り手術(血管内焼灼術など)」によって根本治療が可能です。まずは「お風呂上がりに立って足を観察し、血管のボコボコや黒ずみがあれば血管外科や皮膚科を受診する」そんな簡単な一歩から始めましょう。

医療はあなたを責めるものではなく、不安を取り除き、軽やかな足取りで日常を歩むための味方です。ぜひお気軽に受信してください。


監修者・執筆:松岡 雄治
総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など。

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