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「将来のために使ってほしい」孫2人に“100万ずつ”贈与したい祖父→税理士に相談すると…告げられた“思わぬ現実”【元銀行員は見た】

  • 2026.6.11
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「孫のためにお金を残してあげたい」という祖父母の気持ちは、とても温かいものです。しかし、未成年の孫への贈与には思わぬ手続きの壁があることを、ご存じでしょうか。

今回は、父親の依頼で孫への贈与手続きを進めようとした40代女性Aさんが直面した、思わぬ現実をご紹介します。

「孫への贈与、娘の夫には内緒にしたいんですが」

Aさんの父は、中学3年生と小学6年生の孫2人それぞれに100万円ずつ、合計200万円を贈与したいと考えていました。

「孫の将来のために使ってほしい」という祖父の思いを受け、Aさんが代わりに手続きを進めることになりました。

実は以前、父が銀行に教育資金の一括贈与について相談したことがありましたが、「新規の受付は終了しています」と言われてしまいました。それならば通常の贈与で手続きを進めようと、Aさんは税理士に相談に行きました。

「父から孫2人に各100万円を贈与したいのですが、娘の夫(孫たちの父親)には内緒にしたいんです。手続きできますか?」とAさん。しかし、税理士からの説明に、Aさんは思わず固まってしまいました。

「ご主人の同意なしには、手続きが難しい状況です」

「え、なぜご主人の同意が必要なんですか?」とAさん。

税理士から丁寧に説明を受けたAさんは、未成年への贈与の仕組みを初めて詳しく知ることになりました。
未成年者(18歳未満)は法律上「制限行為能力者」とされており、単独で契約などの法律行為を行うことができません。贈与契約を結ぶ際には、親権者(通常は父母)が未成年者の代理人として関与する必要があります。

親権者全員の関与なしに結んだ贈与契約は、後から親権者によって取り消せる可能性があります。つまり孫たちの父親(Aさんの夫)に内緒のまま手続きを進めると、後々契約が取り消されるリスクがあるのです。

「お子さんたちのためにも、きちんと親権者全員の同意を得て手続きされることをおすすめします」と税理士からアドバイスされたそう。「父の気持ちはとてもうれしいのに、こんなに複雑な手続きが必要とは思わなかった」とAさんは肩を落としていました。

その後、別の用件で銀行窓口を訪れたAさんに「贈与の件、どうなりましたか?」と聞いてみると、こんな答えが返ってきました。
「結局、夫に話しました。本当は内緒にしたかったんですけどね」と苦笑いしながらも、「夫も快く同意してくれて、無事に手続きが終わりました」と話してくれました。

未成年への贈与は、家族全員でオープンに進めることが大切

では、同じ状況を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。
未成年の子どもや孫へ贈与する場合、以下の点を事前に確認しておくことをおすすめします。

  • 未成年(18歳未満)への贈与契約には、親権者全員の関与・同意が必要
  • 親権者全員の同意なしに進めた契約は、後から取り消される可能性がある
  • 贈与が成立するためには、受け取る側(子ども本人)の認識と合意も必要
  • 通帳や印鑑は子ども本人(または親権者)が管理し、贈与の事実を明確に記録しておくことが重要(名義預金とみなされないために)
  • 年間110万円以下の贈与であれば贈与税はかからないが、毎年同じ金額・同じ時期に繰り返すと「定期贈与」とみなされる場合があるため注意が必要

「家族に内緒でこっそり贈与したい」という気持ちはよくわかります。しかし未成年への贈与は、家族全員でオープンに話し合いながら進めることが、後々のトラブルを防ぐ一番の近道です。贈与に関してご不明な点があれば、税理士などの専門家にお気軽にご相談ください。


参考:
No.4402 贈与税がかかる場合(国税庁)

執筆・監修:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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