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夫が病死した60代妻→「遺族年金があるからお金には困らない」はずが…一人暮らしで直面した“想定外の大誤算”【元銀行員は見た】

  • 2026.6.11
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

夫婦2人での年金暮らしを送っている人は、配偶者に先立たれた後の生活について考える機会もあるでしょう。

「遺族年金があるからお金には困らないだろう」と思っていても、実際の家計はカツカツになってしまうケースもあるようです。

今回は、夫を亡くして遺族年金を受け取ることになったものの、生活が苦しく、ライフプランを見直すことになった女性の事例を紹介します。

夫を亡くし、一人暮らしとなった60代の女性

65歳を迎え、夫と2人で年金暮らしをしていた女性・Aさん(仮名)。

これまで家計が大きな赤字になることもなく、月の生活費は26万円程度と平均的な金額です。

「このまま2人で慎ましく暮らしていこう」

そう考えていた2年後、Aさんの夫が病気を患い、帰らぬ人となりました。

遺族年金+国民年金で月額約15万円の年金収入を得ることになったAさん

夫の死後、Aさんは遺族厚生年金として月額約9万円を受け取ることになりました。Aさん自身の国民年金と合わせると、月の年金収入は約15万円です。

「夫婦二人の生活費の半分と考えたら、毎月13万円くらいで生活できるはず。15万円の年金収入があれば余るくらいだと思っていました」

しかし、そこには多くの人が陥りがちな“誤算”がありました。

「一人暮らし=生活費半減」は間違い

配偶者に先立たれて二人暮らしから一人暮らしになると、生活費は半分になると考えがちです。しかし、住居関連の固定費や光熱費などの出費は、世帯人数が減っても大きく変動しないのが現実です。

Aさん夫婦はマンション住まいをしていたため、管理費・修繕積立金・駐車場代として毎月合計3万5,000円の支払いが必要でした。エアコン稼働による電気料金や買い物に出かける際のガソリン代なども、二人暮らしのときと比較して大きな変化はありません。

また、食料品の購入量自体は減るものの、一般的に少量パックは割高になる傾向があります。さらに、物価高による日々の値上げラッシュが家計を圧迫したことで、Aさんの家計収支はカツカツに。15万円では赤字が出る月もありました。

年金生活で赤字が出た場合、貯蓄を切り崩して対応する・働いて収入を得るなどの対策が必要です。

Aさんの夫は現役時代から老後を見越してコツコツと貯蓄していたものの、「何が起こるかわからないから貯金には手を出したくない」と、Aさんは考えていました。長引く物価高による影響を心配した結果、アルバイトとして働くことを決めたのです。

今後は改正により遺族年金「5年間」の有期給付も

2028年4月からは、遺族年金制度の改正が行われます。

これにより、2028年4月以降に遺族厚生年金の受給権が発生した場合、18歳年度末までの子どもがいない配偶者は、原則として「5年間」のみの有期給付となる予定です。(※受給時の年齢・緩和措置・経過措置により内容が異なります)

Aさんは今回の改正の対象ではありませんが、遺族年金制度の見直しにより、配偶者に先立たれた後の生活設計がこれまで以上に重要になる人も多いでしょう。

「一人暮らしでも生活費が半分になるとは限らない」ということを念頭に置き、貯蓄・就労などの対策についても考えておくことが大切です。


参考:遺族厚生年金の見直しについて(厚生労働省)

監修・執筆:元銀行員・ikebu
元銀行員・行政書士資格保有の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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