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「手元に届かないばかりか、お金も戻らない」元買取査定のプロが警告。海外サイトの激安ブランド品に潜む“意外な落とし穴”

  • 2026.9.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

誰もが一度は憧れる、高級ブランド。正規店なら、バッグやアクセサリーが数万円、ものによっては数十万円することも珍しくありません。

ところがネットを検索すると、そんな品が驚くような安値で並んでいる、海外の通販サイトを見つけることがあります。近頃は、海外で運営される通販プラットフォームもすっかり浸透し、私たちにとって身近な存在になりました。これだけ知られたサイトなら、信用して買っても大丈夫だろう――そう思う方もいるかもしれません。

けれど、その安さには裏があるかもしれません。買った品が税関で止められ、手元に届かないばかりか、お金も戻らない。そんな被害が、実際に起きています。

私はかつて、ブランド品の買取査定の窓口に立っていました。その経験から、増え続ける激安海外通販にひそむ落とし穴についてお話しします。

「安すぎる正規品はない」――査定の現場で感じてきたこと

買取査定の窓口に立っていると思い知るのが、「安すぎる正規品は存在しない」ということです。

たとえば、正規店で買えば30万円ほどするブランドバッグ。それが、海外の激安通販サイトでは、1万円程度で売られていることがあります。これほどの価格差には、相応の理由があります。多くの場合、その正体は精巧な偽物なのです。

近頃は業界内でも、海外通販で買った真贋の怪しい品が税関で止められるケースが増えていると、よく耳にします。

お金も品も、戻ってこないことがある

税関で品が止められると、一体どうなるのでしょうか。

頼んだ品が届かず、不審に思っていたところに、税関から一通の通知書が届きます。届いた品に商標権を侵害する疑いがあり、本物かどうかを確かめる手続きを始める、という知らせです。買った側も意見や証拠を出すことはできますが、海外通販の品が本物だと証明するのは難しく、偽物と判断されれば、その品は没収されてしまいます。

返金や補償について、税関は対応してくれません。お金のことは、購入した通販サイトや店舗とやり取りをするしかないという状況です。ところが相手は海外の業者。日本語が通じるかも怪しく、連絡がつくまでに長い時間を待たされることも少なくありません。厳しいやり取りのなか何とか交渉しても、現金での返金はなく、次回使える割引クーポンで済まされてしまう、そんなケースも多いと聞きます。

お得にブランド物を手にできると思って手を出したものの、品は届かず、お金も戻らない。結局は、時間と労力を消費して終わる。そんなパターンが少なくないのです。

知らずに買っても、税関で止まる

「もし知らずに買っても、自分で使うだけなら偽物でも問題ない」。そう思う方もいるかもしれません。ですが、2022年10月に施行された商標法・意匠法の改正で、海外の業者が個人に送る模倣品も、税関の取り締まり対象になりました。

自分用に買ったつもりでも、偽ブランド品であれば例外ではありません。実際、税関が差し止める偽ブランド品は増加を続けており、令和5年には年間3万件を超える水準となりました。

安さに飛びつく前に気を付けること

では、こうした落とし穴を避けるには、どうすればいいのでしょうか。

まずは、「安すぎる値段を疑う」ことです。正規なら数十万円する品が極端に安い、その差には、たいてい理由があります。

ブランド品をきちんと手に入れたいなら、正規店や信頼できる販売店を選ぶこと。少しでも怪しいと感じたら、その通販サイトでは買わないことです。

そして、もし税関で品が止められても、返金の相談先は税関ではなく、購入した店だと覚えておいてください。

「安物買いの銭失い」と言いますが、海外通販では、銭も品も失い、思わぬ手間まで背負いかねません。安さの裏側を、一度立ち止まって確かめてほしいと思います。


ライター:たるみくまお

リユース業界で買取窓口業務を経験し、ブランド品や高級時計など、数多くの査定に携わる。現在は技術商社に勤務する現役ビジネスマン兼Webライター。古物商許可証を保有し、現場で得た経験をもとに、二次流通市場やお金にまつわる情報を等身大の言葉で発信している。

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