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“総額300万”の学資保険に加入した40代夫婦→18年後、子どもが私立大に進学するが…二人を待ち受けていた“想定外の大誤算”

  • 2026.6.28
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こんにちは。ファイナンシャルプランナーの柴田です。教育資金の確保に、学資保険を活用している方も多いのではないでしょうか。

ある夫婦(相談時、夫46歳・妻41歳)は、娘が生まれてすぐ「大学費用は学資保険で確実に貯めよう」と、18歳満期・受取総額300万円のプランに加入しました。返戻率が少しでも高くなる18歳満期を勧められ、深く考えずに契約。18年間、毎月こつこつと払い続けました。

娘は2月生まれで、高3の秋に総合型選抜で第一志望の私立大に合格し、12月までに入学金30万円と初年度授業料の一部を納めるよう求められました。しかし満期金が支払われるのは、18歳の誕生日を迎えた翌月3月。手元に現金はなく、納付期限に間に合わせるため、急きょ親に頭を下げて援助を受け、それでも足りない分を一時的にカードローンでしのぐ羽目になったのです。

大学の費用は「高3の冬から春」に集中する

まず押さえておきたいのが、大学受験から入学までにかかるお金のスケジュールです。意外と早い時期から、まとまった支出が次々と発生します。最初に来るのが受験料です。1校あたり3万円前後で、複数校を受ければ10〜20万円ほどになります。

次に、合格発表後すぐに納める入学金です。私立大学では20〜30万円が目安で、納付期限は合格から1〜2週間と短いことが多く、待ったなしです。そして3月ごろには前期分の授業料の支払いが控えています。

つまり、高3の冬から春にかけて、受験料・入学金・授業料がほぼ立て続けに必要になります。さらに近年は、推薦入試や総合型選抜で早く合格が決まるケースが増えています。この場合、入学金の納付が8〜12月と前倒しになるため、年内にまとまったお金が必要になることも珍しくありません。

18歳満期でも「間に合わない」ことがある

保険会社によって設計に差があるものの、学資保険の満期は「18歳満期」と「22歳満期」が基本形です。多くの人は「18歳満期なら大学入学に合わせて受け取れる」と考えますが、ここに落とし穴があります。18歳満期の保険金は、子どもが18歳の誕生日を迎えた後に支払われる設計が多いのです。

たとえば2月生まれの子なら、満期金が出るのは18歳になる2月以降。一方で入学金の納付は、その前の年内や年明けすぐに求められます。受け取りより先に支払いが来てしまうわけです。特に注意したいのが、1〜3月生まれの早生まれの子です。同学年の中で誕生日が遅いため、満期を迎えるタイミングが受験・入学のピークに間に合わないことがあります。

今回の相談者が直面したのは、まさにこの構造でした。総合型選抜のように合格が早まると、ズレはさらに広がります。

「17歳満期」という選択肢と、返戻率の罠

このズレを防ぐ方法のひとつが、17歳満期を選ぶことです。高校卒業前に受け取れるため、受験料や入学金の支払いに余裕をもって備えられます。ただし、保険会社によっては17歳満期に対応していない場合があるため、加入前の確認が欠かせません。

ここで気をつけたいのが、返戻率との関係です。返戻率とは、払った保険料に対して受け取れる金額の割合のことです。一般に、受取時期を遅らせるほど返戻率は高くなります。そのため「少しでも増やしたい」と満期を遅く設定すると、お金が必要な時期とのズレがかえって広がってしまうのです。「返戻率が高い=お得」と単純に考えると、「肝心なときに使えないじゃん!」という事態を招きかねません。

また、今回のように突発的にお金が必要となる場面に備えて、日ごろから生活防衛資金を厚めに用意しておくことも大切です。進学を見越してある程度余裕資金を持っておけば、そもそもカードローンに頼らずに済んだはずです。筆者としても「なんでカードローンに頼らざるを得ないほどカツカツなんだ?」という疑問を持たざるを得ませんでした。

「貯めるお金」と「すぐ使えるお金」を分ける

「保険で確実に貯める」という発想そのものを否定する必要はありません。強制的に積み立てられる仕組みは、貯蓄が苦手な人には有効です。大切なのは、役割を分けて考えることです。学資保険のような「確実に貯める部分」と、いつでも引き出せる現金で持つ「すぐ使える部分」を組み合わせるのです。

満期金が間に合わない分のつなぎ資金を、あらかじめ預貯金で確保しておけば、親族の援助やカードローンに頼らずに済みます。また、受験料や複数校の入学金のように、結果的に「捨て金」になりうる費用も見込んでおくと安心です。

ここで見落とされがちなのが、教育費はインフレしやすい支出だという点です。物価が上がれば学費も上がりやすく、学資保険と預貯金だけではインフレに弱く、心もとない面があります。利回りもほとんど期待できないため、非効率と言わざるを得ません。そこで、子どもがまだ小さく運用期間を5年以上確保できる場合は、一部をNISAで運用するのも選択肢です。

長期で運用することで、インフレに負けにくい資産形成が期待できます。ただし、投資は値動きがあるため、リスクの取りすぎには注意が必要です。子どもの年齢や、自分がどれくらいの値下がりに耐えられるか(リスク許容度)に応じて、無理のない範囲で検討しましょう。

まずは自分の子の満期日を確認する

すでに学資保険に加入している方は、保険証券で満期金の支払日を確認してみてください。それが子どもの大学入学金の納付時期より前か後かを見れば、間に合うかどうかがわかります。受取時期の変更ができるかどうかは保険会社によって異なり、変更すると返戻率に影響することもあるため、まずは加入先に問い合わせるのが確実です。

「返戻率の高さ」と「使いたい時に使えるか」は、まったく別の問題です。少しでも増やすことばかりに気を取られず、一番必要な瞬間に手元にあるか、という視点で見直してみてください。判断に迷うときは、専門家に教育費全体の計画を相談してみるのもひとつの方法です。

まとめ

18歳満期の保険金は誕生日後の支払いが多く、特に早生まれの子は納付に間に合わないことがあります。まずは保険証券で満期金の支払日を確認し、子どもの入学金の納付時期と照らし合わせてみましょう。

そのうえで、確実に貯める保険・いつでも引き出せる預金・長期で育てる投資の役割を分け、つなぎ資金を現金で備えておくことが安心につながります。「返戻率の高さ」と「使いたい時に使えるか」は別問題です。判断に迷うときは、早めに専門家へ相談することで、一番必要な瞬間にお金が引き出せないという事態を避けられます。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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