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「家族のために」1,500万円で実家を2世帯住宅にリフォーム→後日、40代娘を待ち受けていた“450万円”の大誤算【税理士は見た】

  • 2026.8.15
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出典元:PIXTA(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

実家を2世帯住宅にリフォームすることを計画している方もいますよね。ただし、リフォームすることで、想定外の税負担が発生するケースがあります。

今回ご紹介する女性も「家族のため」と思って決めた2世帯住宅で、思わぬ落とし穴に気づくことになりました。

2世帯住宅で新生活スタートのはずが…

45歳の女性・Rさん(仮名)は夫と子どもと社宅暮らし。

マイホーム購入のために貯金をしていましたが、近年の不動産価格の上昇でなかなか購入に踏み切れずにいました。  

そんなとき、両親から「実家を2世帯住宅にリフォームして一緒に暮らさないか」と提案されます。

夫からも「そばに住めば親孝行もできるし、いいと思うよ」と背中を押され、実家を増築し、2世帯住宅にリフォームすることに決めました。  

Rさんは、マイホーム資金として貯めていた1,500万円をリフォーム費用に使い、完成した2世帯住宅での新生活を楽しみにしていました。  

しかし、工事が終わり引越し準備をしているとき、ふと疑問が浮かびました。

「お金を払ったのは私なのに、家の名義は父親のまま。これって税金の問題はないのかな?」  

心配になったRさんは、念のため、税理士へ相談することにしました。

贈与税がかかる?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「親名義の家に子どもがお金を出して増築した場合、増築した部分も原則として家の所有者であるお父様のものとして扱われます。お父様がリフォーム費用を負担していないのであれば、Rさんが負担した1,500万円については、お父様が利益を受けたとして、贈与税の対象になる可能性があります」

今回は、子どもであるRさんから父親への贈与となり、「一般贈与財産」の税率を使って計算します。

仮にRさんが負担した1,500万円全額が贈与とみなされた場合、まず年間110万円の基礎控除を差し引きます。

1,500万円-110万円=1,390万円

この1,390万円に対する贈与税率は45%、速算表の控除額は175万円です。

1,390万円×45%-175万円=450万5,000円

つまり、父親に約450万円もの贈与税がかかる可能性があったのです。

「え?そんなに払わなきゃいけないの?」

金額の大きさに動揺するRさんでしたが…。

「安心してください。Rさんが負担した増築資金に相当する建物の持分を、お父様からRさんへ移して共有名義にすることで、贈与税がかからない場合があります」

贈与税は回避できる?

親名義の家に子どもが費用を負担して増築した場合であっても、子どもが負担したリフォーム資金に相当する建物の持分を、親から子どもへ移して共有名義にすることで、贈与税がかからない場合があります。

ただし、親から子どもへ建物の持分を移転した場合は、税務上、親から子どもへの「譲渡」となります。親に譲渡益が生じるケースでは、譲渡所得税がかかる可能性は想定しておきましょう。

なお、マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除は、親子や夫婦など特別の関係がある人への譲渡には適用できません。今回のような親子間の持分移転でも利用できないため、注意が必要です。

親孝行が親への負担とならないために

今回、Rさんは税理士と相談したうえで、負担した増築資金に相当する建物の持分を父から移転し、共有名義にすることで、贈与税の負担を避けることができました。

「親孝行のつもりが親に負担をかけるところでした」と話すRさんは、新居での生活を楽しんでいるようでした。

実家を増築する場合は、税金の負担も考えた計画を立て、素敵な新生活をスタートさせてください。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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