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“体調不良”で退職した30代会社員→人事部からも「自己都合退職」と言われるが…後日、ハローワークで発覚した“思わぬ事実”に驚愕

  • 2026.6.21
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。元ハローワーク職員兼ファイナンシャルプランナーの柴田です。

今回は、30代の会社員Aさんが損をしてしまったお話です。

「体調を崩して辞めたんだから、自己都合で当然だよね」。

退職のとき、多くの人がそう思い込んで手続きを済ませます。でも実は、その「なんとなく」の判断が、失業手当と保険料で数十万円もの差を生むことがあるのです。

「自分の都合だから仕方ない」と、サインしたけれど

Aさんは体調を崩して会社を辞めました。手続きのとき、人事部に言われたのは「これは自己都合退職だね」のひと言。Aさんも「自分の体のことだし、仕方ない」と深く考えずサインしました。

その結果、失業手当をもらえるのは退職から1か月以上先。国民健康保険料も前年の所得に基づいて満額で請求され、毎月の支払いが家計にずっしりとのしかかります。ところが後日、筆者へ相談いただいた際に「正当な理由がある場合は特定理由離職者になれますよ」とお伝えしました。

筆者はハローワークで約10年勤務していましたが、特定理由離職者になる可能性があるにも関わらず、申告をしない人は少なくない印象です。場合によっては、申告の有無で50万円以上の差がつくことも珍しくありません。

特定理由離職者って、そもそも何?

特定理由離職者とは、ざっくり言うと「形のうえでは自己都合だけれど、やむを得ない事情があった退職」を救済してくれる仕組みです。体調不良や家庭の事情など、やむを得ない理由で自己都合退職した人が該当します。対象となる主な事情は、次のようなものです。

  • 病気・ケガ・心身の不調など、健康上の理由で働き続けられなくなった
  • 家族の介護や看護が必要になった
  • 結婚や引っ越しなどで通勤が著しく困難になった
  • 契約社員などで、更新を希望したのに更新されなかった(雇い止め)

ポイントは、これらが自分で申告しなければ「自己都合」の枠に入れられがちな点です。だからこそ、自分から申し出ないと見過ごされてしまいます。

どれだけ得するの? 大きく3つのメリット

① 失業手当の「待ち時間」がなくなる

ここが最大の違いです。普通の自己都合退職だと、手続き後の7日間(待期期間)に加えて、給付が始まるまで待たされる期間(給付制限)があります。2025年4月以降、この給付制限は従来の2か月から1か月に短縮されました。

一方、特定理由離職者には給付制限がなく、7日間の待期を終えた翌日から支給が始まります。1か月以上も早く、お金が入ってくるわけです。経済的な不安を大きく軽減できます。

② もらえる条件がゆるくなる

自己都合の場合、離職日以前2年間に雇用保険の加入期間が通算12か月以上必要です。

しかし、特定理由離職者なら、離職前1年間に通算6か月以上あれば受給できます。入社して半年ちょっとで辞めた人でも、手当を受け取れる可能性があるということです。

③ 国民健康保険料が軽くなる

退職後に国保へ加入する人には、見逃せない軽減措置があります。申請すれば、離職日の翌日が属する月からその年度の翌年度末まで、前年の給与所得を「30/100(3割)」として保険料が計算されます。収入をいったん3割とみなしてくれるので、保険料がぐっと下がります。

もっと有利な「特定受給資格者」になる可能性も

実はもう一段上の区分があります。それが「特定受給資格者」です。倒産や解雇のように、より会社側の事情が強い辞め方をした人が該当し、給付の手厚さがさらに変わってきます。

両者の差が出るのは「もらえる日数」です。特定受給資格者は最大330日、特定理由離職者は一般の受給資格者と同じ給付日数で最大150日です。

たとえばパワハラが原因の退職は、その程度によっては「やむを得ず辞めざるを得なかった」として特定受給資格者と判断されることもあります。自分がどちらに当たるかは離職票の「離職理由」で決まるため、会社の書いた理由を鵜呑みにせず、心当たりがあればハローワークで実情を伝えることが大切です。

「自己都合→特定受給資格者」はハードルが高いものの、「自己都合→特定理由離職者」は多くの方が該当します。「自己都合だけど、ちょっと納得できない部分がある」という方は、ハローワークの窓口で相談してみてください。

まとめ

「自己都合だから仕方ない」その思い込みが、知らないうちに数十万円の損につながっているかもしれません。やむを得ない事情があったなら、それは堂々と申し出ていい権利です。

細かい条件や必要書類は、ハローワークによって運用が異なる場合があります。少しでも当てはまりそうなら、まずは窓口で「特定理由離職者に該当しますか?」と聞いてみることが、損をしない第一歩です。


出典:厚生労働省「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」

執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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