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10年目で離婚した40代夫婦→「財産を半分ずつ」分けたものの…その後、2人を直撃した“想定外の落とし穴”【お金のプロは見た】

  • 2026.6.11
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPとして家計相談やお金に関する情報発信を行っている柴田です。

「離婚理由は、まぁ性格の不一致ですね」そう話してくれたのは、43歳女性・教員を務めるAさん(仮名)。先日、同い年の夫(大手メーカー勤務)と10年の結婚生活に終止符を打ったばかりです。

しかし話を聞いていくうちに、本当の原因は徐々に見えてきました。それは「お金の価値観」のズレ――いわゆる金銭感覚の不一致だったのです。

「性格の不一致」の正体

あくまで筆者の考えですが、ストレスなく結婚生活を送るうえで、共通の趣味や休日の過ごし方より「金銭感覚が合っているかどうか」のほうが圧倒的に重要だと感じます。生活をするうえでお金は切っても切り離せないため、ここでズレがあるとお互いに不満が蓄積されてしまうでしょう。

さて、離婚理由で「性格の不一致」はあるあるですよね。しかし、中身を分解していくと、「お金」に行き着くケースも多いのです。

  • 休日の過ごし方が合わない → 一方は無料、一方は外食・旅行重視
  • 将来設計が合わない → 一方は今を楽しむ、一方は老後重視
  • 育児方針が合わない → 一方は私立志向、一方は公立で十分

これらは、全部お金の話でもあるのです。このような金銭感覚の違いは、10年・20年単位で家庭の中にヒビを入れていきます。

Aさん夫婦に何が起きたか

Aさんの夫は典型的な「今を楽しむ派」。年収700万円超でしたが、趣味の車に毎月8万円のローン、ゴルフに月4万円、家族での外食・旅行も惜しまないタイプ。

一方Aさんは「老後・教育費を優先したい派」。子ども2人の塾代や家のローン、自分たちの老後資金などなど、基本的には将来に備えたいタイプ。夫の通帳を見るたび、「無駄にお金使うんだったら将来に備えてほしい」と思いつつ、貯金がほとんど増えていないことに胃がキリキリしていたそうです。

最初の数年は「価値観の違いも面白い」で済みました。しかし、第一子の小学校入学や住宅購入、第二子の中学受験などお金のかかるライフイベントが連続するたびに、衝突が深まっていきました。

夫からすれば「毎月ちゃんと黒字で回ってるんだから問題ない」。妻からすれば「ギリギリ黒字で何も貯まってないのが一番怖い」「何か起きたら対応できない」と、主張が対立。同じ家計簿を見ているのに、見えている景色がまったく違ったのです。

離婚すれば、双方とも生活レベルは下がる

そして10年目、ついに離婚。

ここからが現実的な話です。財産分与は原則「結婚後に築いた財産を半分ずつ」。Aさん夫婦の場合、ざっくり以下のような分配になったそうです。

  • 預貯金::お互いの名義口座を合わせて約400万円(うち200万円ずつ分与)
  • 自宅(残ローンあり): 売却し、ローン完済後の差額を分割
  • 夫の車::売却査定額からローン残高を差し引いた価値の半分をAさんへ
  • 養育費::夫からAさんへ月9万円(子2人分。双方の収入をベースに算定)

結果、夫は手元に200万円程度。妻も似たような金額。住む家を失い、子供の進学費用は不透明、夫は養育費の支払いで自由になるお金が減り、自由な黒字から一転して余裕のない生活に。双方とも、結婚生活中より明らかに生活水準が下がったのです。

「離婚すれば自由になれる」と思っていたAさんも、いざ蓋を開けてみると「シングルマザーで教員、今後の教育費を一人でどう回していこう」という厳しい現実が待っていました。

結婚前・結婚直後にやるべき「お金会議」

ではどうすればよかったのか。私が常々アドバイスしているのは、結婚を意識した段階で必ず「お金会議」をやっておくこと。

すでに結婚している人も、今からでも遅くありません。

  1. 月々の支出ルールを決める:「趣味に使っていいのは月いくらまで」「外食は月いくらまで」を、ざっくりでいいので合意しておく。
  2. 貯蓄目標と振り分け:「年間で◯万円貯める」「教育費・老後・住宅で◯対◯対◯」と数値化。漠然と「貯めよう」では絶対に貯まりません。
  3. 共通口座の運用:給料の◯%ずつを共通口座に入れ、生活費・貯蓄はそこから。個人の口座は自由に。これだけで「使った/使わない」の喧嘩が激減します。口座の残高が徐々に増えていくのを見ると、嬉しいものです。
  4. 年1回の家計レビュー お正月や結婚記念日に「今年の支出と来年の方針」を夫婦で確認。形式ばらず、お酒でも飲みながらでOKです。

    そもそも、結婚前の交際期間中に相手の金銭感覚は何となく把握できるものです。本当は結婚に至る前に、「この先もずっと一緒にやっていけるか」をイメージするといいですね。お金のリテラシーがない人と結婚すると、蓄財において決定的に不利、というのが残酷な現実です。

まとめ

子どもが生まれ、家を買い、親の介護が始まり、老後が見えてくる。これらのライフイベントすべてに、お金は容赦なく絡んできます。

特に注意したいのが、「毎月赤字じゃないからセーフ」という思考。たしかに目先の家計は黒字でも、貯金が増えていなければ、教育費・住宅・老後という3大支出のどれか一つで簡単に詰みます。「赤字回避」ではなく「いくら貯まっているか」が、家計の本当の健康診断です。

恋愛感情の賞味期限は短いけれど、金銭感覚は一生もの。結婚相手選びで本当に見るべきは、年収より「お金の使い方の感性」かもしれません。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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