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父の死後、相続税を払うことに→『現金がないから』分割で支払う“延納”を選ぶが…20年後、50代息子を襲った“1200万”の大誤算

  • 2026.6.29
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、不動産が中心の相続で現金が足りず、相続税を20年の延納で納めることにした50代Hさんの体験談です。「延納にすれば現金がなくても安心」と考えていたものの、長期にわたる利子税が積み重なり、累計で1,200万円を超える追加負担になった経緯をご紹介します。

「現金がなくても延納で払える」と判断

Hさんは50代男性の会社員。お父さまを亡くされ、相続の手続きを進められました。

相続した財産の大半は、ご自宅や賃貸アパート、土地といった不動産で、現金は多くありませんでした。算出された相続税額は高額で、一括で納めるのは難しい状況だったといいます。

相続税は、一定の要件を満たせば分割で納める「延納」を選べます。相続財産に占める不動産等の割合が75%以上の場合、不動産に対応する税額を最長20年かけて納めることができます。Hさんは「延納できるなら現金がなくても大丈夫」と考え、20年の延納を選ばれました。

延納には利子税がかかると後から実感

延納を選ぶと、分割して納める税額に利子税がかかります。利率は、相続財産に占める不動産などの割合と、延納する年数によって決まります。

不動産などの割合が高い相続では、不動産に対応する税額を最長20年かけて分割で納められます。この不動産分の利子税は、法律上の原則で年3.6%とされています。利子税の率は財産の内訳によって変わりますが、近年は金利水準に連動した特例の割合が適用され、実際にはこれより低い利率になります。それでも、納める税額が大きく期間が長いと、毎年の利子税が着実に積み重なっていくのです。

「毎年の利子税は数十万円。長く払い続けるうちに、利息だけでこんなにと実感しました」

利子税が累計で1,200万円を超えた

Hさんが延納した相続税額は1億円を超える規模で、20年にわたって利子税が積み上がり、累計で1,200万円を超えました。

同じ期間に、賃貸物件の一部を売却して早めに納めていれば、利子税の支払いを抑えられた可能性がありました。延納は現金が手元になくても払えると考えがちですが、総額は増える納め方でもあるのです。

延納の前に「売却・物納・借入」と比較しましょう

相続税を一度に払えないとき、頼りになるのが延納です。ただ、延納は総額が増える方法でもあります。利子税は不動産の割合と延納年数で決まり、長く・大きく延納するほど積み上がっていきます。

だからこそ、延納に決める前に、不動産の一部売却や物納、金融機関からの借入も含めて、利子税や諸費用まで入れた支払総額で見比べておくことが大切です。延納を選ぶ場合も、利子税の累計を年数分まで試算し、途中で繰り上げて納められる資金計画にしておくと、Hさんのような想定外の負担を避けられます。

納め方は、目先の現金繰りだけでなく、最後にいくら払うかで選ぶ——これが相続税で損をしないための基本です。

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