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食習慣が不規則になるほど「うつ病のリスク」が高まる

  • 2026.5.27
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

毎日忙しく過ごしていると、朝食を抜いたり、昼食が夕方にずれ込んだり、夕食が深夜になったりすることがあるでしょう。

「今日は食べる時間がなかっただけ」と軽く考えるかもしれませんが、こうした食事リズムの乱れは、心の健康とも関係している様です。

韓国・カトリック大学校(CUK)の研究チームは、韓国の成人2万1568人を対象に「食事の規則性」と「抑うつ症状」の関連を調査。

その結果、主な食事を不規則にとっている人ほど、抑うつ症状を示す可能性が高いことが分かりました。

研究の詳細は2026年3月3日付で学術誌『Journal of Affective Disorders』に掲載されています。

目次

  • 食事の「内容」だけでなく「リズム」も心に関係
  • うつ病リスクが最も高まる食事パターンとは?

食事の「内容」だけでなく「リズム」も心に関係

食事とメンタルヘルスの関係というと、多くの人は「何を食べるか」を思い浮かべるでしょう。

野菜を食べているか、加工食品が多すぎないか、栄養バランスはどうか。

もちろん、こうした食事内容は大切です。

しかし今回の研究が注目したのは、食べ物の種類だけではありません。

チームは、朝食・昼食・夕食をどれくらい規則的にとっているか、つまり「いつ食べているか」に注目しました。

食事のタイミングは、私たちの体内時計と深く結びついています。

体内時計は睡眠だけでなく、ホルモン分泌、血糖調整、代謝、ストレス反応にも関わっています。

たとえば朝に食事をとることは、眠っていた身体に「一日が始まった」と知らせる合図のような役割を持ちます。

反対に、食事の時間が日によって大きくずれたり、主な食事を頻繁に抜いたりすると、身体のリズムが乱れやすくなる可能性があります。

チームは、韓国国民健康栄養調査のデータを用いて、2014年から2022年に調査へ参加した成人2万1568人を分析しました。

参加者は、過去1年間に朝食・昼食・夕食を週に何回食べていたかを回答しました。

研究では、特定の主な食事を週5回未満しか食べていない場合、その食事は不規則とみなされました。

さらに、抑うつ症状は9項目の標準的な質問票によって評価されました。

この質問票では、過去2週間の気分の落ち込み、意欲の低下、睡眠の変化、疲労感などが尋ねられます。

分析では、年齢、性別、所得、教育歴、婚姻状況、喫煙、飲酒、運動、肥満や高血圧などの要因も調整されました。

その結果、食事スケジュールの不規則性が高い人では、食事が規則的な人に比べて、抑うつ症状のリスクが高いことが示されたのです。

研究によると、不規則性が最も高い人では、抑うつ症状を持つオッズが1.55倍高かったとされています。

つまり、食事を抜いたり、食べる時間が大きく乱れたりする生活は、心の不調と結びついている可能性が示されたのです。

うつ病リスクが最も高まる食事パターンとは?

今回の研究で興味深いのは、単に「不規則な食事はよくない」と示しただけではない点です。

チームは、食事の多様性朝食を抜くことが、この関連にどのように影響するかも調べました。

食事の多様性とは、穀類、野菜、果物、肉類、豆類・ナッツ類、乳製品といった食品群をどれだけ幅広く食べているかを示す指標です。

結果として、食事の多様性が高い人では、不規則な食事と抑うつ症状の関連が弱まっていました。

これは、たとえ食事のタイミングが多少乱れていても、幅広い食品をとることで、ビタミン、ミネラル、食物繊維、抗炎症性の栄養素などが補われ、心身への負担が和らぐ可能性を示しています。

また、多様な食品を食べている人は、そもそも健康意識が高く、生活習慣全体が整っている可能性もあります。

そのため、食事の多様性そのものが直接心を守っているのか、健康的な生活全体を反映しているのかは、慎重に考える必要があります。

一方で、朝食を抜く習慣は、不規則な食事と抑うつ症状の関連を強めていました。

朝食は、睡眠後の身体にとって最初の食事です。

朝食を抜くと、1日の代謝の立ち上がりが遅れ、血糖値やホルモンのリズムが乱れやすくなる可能性があります。

脳は、感情や集中力を調整するために、こうした身体の安定したリズムに支えられています。

そのため、朝食欠食が重なると、食事リズムの乱れによる影響がより大きく見えるのかもしれません。

研究では、朝食を抜き、なおかつ食事の多様性が低い人で、最も悪いメンタルヘルスのスコアが見られました。

これは「朝食を抜けば必ずうつになる」という意味ではありません。

しかし、朝食を含む日々の食事リズムが、心の安定と無関係ではないことを示す結果です。

今回の研究は、食事を「栄養の摂取」だけでなく、「毎日のリズムを作る行動」として見る重要性を示しています。

何を食べるかだけでなく、いつ、どれくらい安定して食べるか。

その小さな習慣の積み重ねが、心の調子を支える土台になっているのかもしれません。

参考文献

Skipping meals and irregular eating habits linked to depression symptoms
https://www.psypost.org/skipping-meals-and-irregular-eating-habits-linked-to-depression-symptoms/

元論文

Irregular meal frequency and depressive symptoms: Moderating roles of dietary diversity and breakfast skipping
https://doi.org/10.1016/j.jad.2026.121417

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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