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【カンヌ国際映画祭2026】エディターの現地取材ダイアリー

  • 2026.5.22
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連日、日本の映画人の話題が飛び込んできた第79回カンヌ国際映画祭。コンペティション部門に3本、ある視点部門に2本(国際共同製作含む)、カンヌ・プレミア部門に1本、 「監督週間」に1本のほか、海外作品に出演した俳優、見本市「マルシェ・デュ・フィルム」で上映された作品など、多くの日本映画がフォーカスされた異例の年、盛り上がる街を訪れてきました!

マーケットでは日本が“カントリー・オブ・オナー”に!

カンヌでは毎日無料でカンヌリポートや星取表などを載せた雑誌が配られている。日本は「カントリー・オブ・オナー」として特集冊子を配布。 Hearst Owned

今年ここまで日本映画が注目された理由のひとつに、映画祭併設の映画見本市「マルシェ・デュ・フィルム」=世界約140カ国から1万人以上の映画プロデューサー、バイヤー、配給関係者が集まる世界最大級のマーケットで、日本が初めて「カントリ-・オブ・オナー」に選ばれたことも大きいかもしれません。「マルシェ・デュ・フィルム」が毎年一つの国を選び、重点的に取り上げる取り組みで、さまざまな企画やイベントなどを後押ししてくれます。今年のカンヌで日本映画は「カントリ-・オブ・オナー」にふさわしい存在感を放っていました。

“日本映画祭り”で大盛り上がりの映画祭

コンペ部門選出の『急に具合が悪くなる』上映後囲み取材にて。濱口竜介監督、岡本多緒、ヴィルジニー・エフィラ、長塚京三、黒崎煌代。 Hearst Owned
コンペ部門に出品された『箱の中の羊』上映後囲み取材にて。是枝裕和監督、綾瀬はるか、桒木里夢、大悟(千鳥)。 Hearst Owned

コンペティション部門に日本映画3作が選出されたのは、2001年以来25年ぶりの快挙。濱口竜介監督『急に具合が悪くなる』、是枝裕和監督『箱の中の羊』の公式上映直後の会見で語っていた生声を一部お届け。

『急に具合が悪くなる』

濱口竜介監督「ようやく観客に作品を届けられる日がきました。たくさん笑いが起きたり、最後に温かい拍手をいただけてよかった。(原案となった)本『急に具合が悪くなる』(宮野真生子・磯野真穂著)を読んだときの感動を観客も味わってくれたらと思っていました。人が言葉を介して、豊かになれることを実感してくれていたらうれしい」

ヴィルジニー・エフィラ「この作品は人と人がつながること、その大切さを伝えていると思いますし、今日の公式上映の会場でまさに作品と観客がつながっている気持ちを体感できて素晴らしい体験になりました」

『箱の中の羊』

綾瀬はるか「『海街diary』('15年)以来、2回目のカンヌです。(上映中)ここで笑いが起こるんだとか、反応が新鮮でした。ヒューマノイドの子どもとのシーンでは、最初は探りながら演じていましたが、次第に人と人のように感情を交わしていく感覚へと変化していきました」

大悟「こんな経験ができてうれしい。自分にも子どもがいるので、(ヒューマノイドの子どもの親という設定に)自分だったらどんな感情になるのかな、ということを考えながら演じました」

桒木里夢(くわきりむ)「今日は僕の誕生日で10歳になりました。(そんな日にレッドカーペットを歩けて)僕はすごく“持ってる”と思います(笑)」

コンペ部門選出『ナギダイアリー』。松たか子、深田晃司監督、石橋静河。 Kazuko Wakayama
ある視点部門に選出された『すべて真夜中の恋人たち』。上映前に、カンヌ国際映画祭総代表のティエリー・フレモーに紹介された監督キャストが挨拶。岨手由貴子監督、岸井ゆきの、浅野忠信。 Kazuko Wakayama

コンペ部門には深田晃司監督の『ナギダイアリー』も出品。主演した松たか子は「海外の映画祭に参加するのは初めてですが、“この映画祭を盛り上げるぞ”という雰囲気がカンヌの街全体から伝わってきてとても華やかなエネルギーを感じています。深田監督との仕事は初めてでしたが、物語を描くことに対する想いの深さを感じていました」と語っていました。

また、ある視点部門に選出された『すべて真夜中の恋人たち』では、上映後、岨手由貴子監督「三大映画祭に参加する人生になると思っていなかったので光栄です」、浅野忠信「映画のオープニングも、上映後も涙が流れてきた」と監督もキャスト陣も感動の言葉を囲み取材で伝えてくれました。

鑑賞して気になった作品はこちら!

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『COLONY』(英題)ヨン・サンホ監督/韓国/ミッドナイト・スクリーニング部門 特別招待作品

『新感染 ファイナル・エクスプレス』('16年)のヨン・サンホ監督の最新作『COLONY』がカンヌでお披露目。バイオテクノロジー会議に出席した生物工学の教授セジョン(チョン・ジヒョン)は、同会場のビル内で放たれた未知のウイルスに直面。人々が次々に感染、変貌するなか、脅威に立ち向かう進化系ゾンビスリラー。息もつかせぬハラハラ展開に、意識を共有する「集団知能」をもつゾンビが新感覚!でした。

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『La Frappe』(原題)ジュリアン・ギャスパー=オリベリ監督/フランス/「批評家週間」特別招待作品

フランスの俳優出身の監督・脚本家である、ギャスパー=オリベリ監督が描く、生々しくも心に刺さる“家族のトラウマ”。19歳のエンゾと20歳の姉カーラは、長年二人で生き抜いてきた。そんななか、父アンソニーが刑務所から出所。エンゾは再び家族を取り戻そうと淡い希望を抱くが、やがて父の過去が再び子どもたちに影を落とし始める。親密感のあるカメラワークで、痛みと愛情に揺れる少年エンゾを映し出し、心震えます!

MEGUMI主宰「JAPANESE NIGHT」が今年も開催!

ファウンダーのMEGUMIのほか、齊藤工&永尾柚乃、松本まりかなどが登場。 Hearst Owned
マドモアゼル・ユリアは着物姿でDJパフォーマンスを行った。 Hearst Owned

日本映画や日本文化の魅力を世界へ発信する国際文化交流イベントとして、2024年からカンヌ国際映画祭期間中にスタートした「JAPANESE NIGHT in Cannes 2026」が今年も開催。3年目を迎えたイベントは、世界各国の映画関係者、メディア、各界のリーダーなど1,000名以上が来場し盛況で、カンヌの風物詩になりつつあることを感じました。齊藤工がプロデュースを務め、9歳の永尾柚乃が映画監督に挑戦したSFファンタジー映画『リタ』など驚きの発表も!

映画スターのプロジェクトやトークもあちこちで開催

「Displacement Film Fund(難民映画基金)」記者発表。中央にケイト・ブランシェットの姿が。 Hearst Owned
「JAPANESE NIGHT」のシンポジウムでグザヴィエ・ドランがパネリストに。 Hearst Owned

映画祭では、映画界のスターが参加するトークイベントやカンファレンス、マスタークラスなどが連日さまざまな場所で開催されています。トップスターが同じ街に一堂に会しているのもカンヌならではの風景。

俳優で国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)親善大使を務めるケイト・ブランシェットがロッテルダム国際映画祭内のヒューバート・バルス基金と共同で2025年に創設を発表した「Displacement Film Fund(難民映画基金)」。ユニクロが創設パートナーとして、毎年 10 万ユーロを寄付する同基金では、避難を余儀なくされた映画制作者や避難民としての経験を描いた実績のある映画制作者の活動を支援し・助成。今回カンヌ映画祭では、新たに支援を決定した映画制作者の発表を行うケイト様の姿を目撃

また、監督、俳優として日本でも人気のグザヴィエ・ドランは、「JAPANESE NIGHT」のシンポジウムで自身の監督としての創作人生を語っていました。

“日本”にフォーカスが当たった今年のカンヌ国際映画祭! 来年はどんな年になるでしょうか? 引き続き注目していきましょう!

南仏名物、海の幸の盛り合わせ「フリュイ・ド・メール(Fruits de mer)」。 Hearst Owned
夕暮れも美しいコート・ダジュールの海岸。 Hearst Owned
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