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「塾に行けない子は受験で不利」と先生に言われた私→独学で合格した日の先生の顔

  • 2026.5.17
ハウコレ

これは、私が高校3年生だった頃のお話です。私の家庭は経済的に余裕がなく、同級生のように予備校や塾に通うことはできませんでした。教科書と参考書だけを頼りに勉強する日々でしたが、ある日の進路面談で先生から告げられた言葉に、うまく答えることができませんでした。

進路面談での一言

第一志望は国立の難関大学でした。判定模試はC判定が続き、それでも諦めずに勉強を重ねていました。秋の進路面談で、先生は私の結果を見ながら、少し言いにくそうに口を開きました。「塾に行けない子は、はっきり言って受験では不利だよ」。続けて「志望校、もう少し現実的なところに変えてみないか?」とも告げました。机を挟んだ向こう側で、先生の顔は穏やかでしたが、その言葉ははっきりと現実を突きつけてきました。

独学で挑むと決めた日

その夜、私は布団の中で何度もあの言葉を繰り返し考えていました。先生の言うことは、たぶん経験から導かれた助言なのでしょう。けれど、家計のためにアルバイトを続ける母の背中を思い浮かべると、私はどうしても志望校を下げることができませんでした。

翌朝、私は学校の図書室で先生を見つけ、「独学でいきます」とそっと告げました。先生は少し困ったように、けれど反対はせずにうなずいてくれました。それから私は、朝5時に起きて図書館が開く時間まで勉強する日々を続けました。

合格通知が届いた日

試験は思い描いた通りには進みませんでした。手応えがあった科目もあれば、解けなかった問題も多くありました。そして合否が発表される日、私はパソコンの前で何度も深呼吸をしました。

結果は「合格」と表示されていました。母に電話をかけると、母は何度も「よかった」と繰り返しました。私は合格通知を握りしめて、翌日学校へ向かいました。先生に伝えなければと思ったのです。

そして...

職員室で先生に合格を報告したとき、先生はしばらく何も言いませんでした。「そうか……合格したのか」。そう絞り出した先生の表情は、喜びと驚き、それから何か別のものが入り混じっているようでした。あれは、自分の助言を覆された人の顔でした。先生は深く頭を下げ、「君を信じきれなかった先生で、申し訳なかった」と言いました。私は何も言えず、ただうなずきました。

あの日、先生に「不利だ」と告げられたから、私はここまで来られた気もします。先生のあの顔を、私は今でも忘れることができません。

(10代女性・大学生)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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