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PTA役員を押し付け合う中「くじ引きにしましょう! ただし」絶望的な状況を『最高のチーム』に変えた提案

  • 2026.5.16

子どもの学校行事や保護者会。そこで最も緊張が走る瞬間といえば、やはり「役員決め」ではないでしょうか。誰もが忙しさを抱える中で、負担の大きい役割を引き受けるのは勇気がいるものです。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。

画像: PTA役員を押し付け合う中「くじ引きにしましょう! ただし」絶望的な状況を『最高のチーム』に変えた提案

教室を支配する沈黙

先日、子どもが通う小学校のクラスでPTAの役員決めがありました。

司会の現役員さんが「どなたか、来年度の役員を引き受けてくださる方はいませんか?」と呼びかけると、教室は一瞬でシーン……と静まり返り、まるでお通夜のような雰囲気に。

誰かがおずおずと「仕事が忙しくて」と口を開くと、後に続くのは「うちは下の子がややこしいから」「親の介護が」と、切実な事情の数々。

司会の方は板挟みで困り果て、時計の針だけが進んでいきます。

窓の外から聞こえる子どもたちの無邪気な声が、室内の冷え切った空気とあまりに対照的で、私は居たたまれない気持ちになりました。

勇気を出して投じた提案

1時間を過ぎても状況は何も変わらず、ついに私は意を決して声を上げました。

「あの、くじ引きにしませんか!?」

一瞬、教室内がざわつき、「そんな……くじで当たっても無理だよね」「できないですよ」と不安と反発の声が上がります。

そこで私は続けて提案しました。
「ただし、条件があります」

「その代わり、特定の誰かに任せきりにするのではなく、誰が当たっても全員で助ける“サポート体制”にしませんか? 『ちょっと助けて』とヘルプがあれば、手が空いている人が得意なことで動くチームにするんです」

その言葉に、それまでずっと下を向いていたママたちが、ようやく顔を上げました。
やがて、「それなら……」と小さくうなずく声が広がりはじめたのです。

始まった予想外のチームプレイ

全員の賛同を得た上でくじ引きをした結果、なんと当たったのは私!

言い出した手前、断ることもできず「やるしかないか……」と腹をくくりましたが、正直なところ不安でいっぱいでした。

翌日、恐る恐るグループLINEを作ってみると──

「資料の作成は任せて」
「車出せるから、買い出し行くよ」

思いがけず、すぐに返信が届き始めたのです。一人で抱え込まず、役割を小さく切り分けるだけで、これほどまでにハードルが下がるとは驚きでした。

最初は重く感じていた役員の仕事も、気づけばそこまで苦ではなくなっていました。
「これ、お願いしてもいいかな?」
そう言えるだけで、気持ちはずいぶん軽くなります。

一人で抱え込まなくていい……。それだけで、こんなにも違うのかと実感しました。

嫌な役回りを「チーム」で変える魔法

役員の任期が終わる頃には、「思ったより大変じゃなかったね」「学校の様子がよくわかって楽しかった!」と笑い合える関係になっていました。

誰だって、自分だけが大変な思いをするのは怖いものです。
でも、嫌な役回りこそ孤独にしない仕組みを作れば、ギスギスした集団も最高のチームに変わるのだと身をもって学びました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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