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海の京都へ|古都とはひと味違う、“常の美”が息づく町

  • 2026.5.14
〈左〉Ⓒ海の京都DMO 〈右〉画像提供=小嶋庵

豊かな自然と飾らない生活が魅力の、京都北部。古都とはひと味違う、日常に根付く美を感じることができる地域です。

海風が心地よい季節、軽やかな装いで訪れてはいかがでしょうか。

【伊根】

丹後半島の北部に位置する伊根は、総面積の約80パーセントが森林。わずかな平地に漁業集落があり、近年、その景観が世界から注目されています。

伊根の舟屋

※特別な許可を得て撮影しています。許可なく舟屋へ立ち入ることはご遠慮ください。

湾内はとても平穏。海は青く、海底が見えるほど透き通っています。せり出した舟屋は、1階が舟の格納庫、2階が二次的な居室という構造。道を挟んで母屋があり、山側と海側を行き来して生活します。 画像提供=伊根の舟屋
漁村の生活が色濃く残る“海にいちばん近い町”

伊根湾に沿って建てられた、およそ230軒の舟屋。江戸時代から続くこの光景は、漁村として全国で初めて重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。いまも海に寄り添った生活が営まれる一方、カフェや宿として営業する舟屋も多数。穏やかな伊根湾に臨む、この地域ならではの生活を体験することが可能。舟の格納庫からはまた違う町並みが楽しめることでしょう。

一部の舟屋では格納庫を公開しています。漁港としての伊根湾、そしてそこに生きる人々の暮らしが垣間見える場所です。 画像提供=伊根の舟屋


825年に建てられた、日本で最も古い浦島物語が伝わる浦嶋神社。重要文化財の掛幅を使った、宮司による浦島物語の絵解き(お話)を聞くことができます。 画像提供=浦嶋神社


DATA

tel.0772-32-0277
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京都府与謝郡伊根町字平田491

伊根町観光協会

【宮津】

天橋立で知られる宮津は、丹後半島の東南部、若狭湾の西側に位置しています。四季折々に移り変わる美しい景色と豊かな海産物が楽しめる、海の京都の中心地です。

日本三景のひとつであり、古くから景勝地として親しまれている天橋立。全長は約3.6キロメートル。展望所からの眺望を楽しむだけでなく、松林の中を歩くのもおすすめです。 Ⓒ海の京都DMO

白藤屋菓子舗 (しらふじやかしほ)

代々受け継がれる手法で作られる、季節の生菓子。写真は透明感が美しい「紫陽花」。 画像提供=白藤屋菓子舗
宮津の歴史とともに歩む、地域に根付く和菓子店

1902年の創業以来、120年余りにわたり宮津で営業を続ける老舗和菓子店。4代目の白藤芳生さんが作る季節の生菓子は心がほどける優しい甘さで、宮津の食材が多く用いられています。京数寄屋造りの現在の店舗は、1950年建築。表千家の佃一茶宗匠が設計を手掛け、3つのお茶室を備えます。和菓子はもちろんのこと、稀有な建築にも注目です。

飛び石やつくばいが印象的な店内。やわらかい光を演出する竹細工のランプシェードも、建築当時から使われているもの。歴史と和の趣を感じることのできる店内です。 画像提供=白藤屋菓子舗


DATA

tel.0772-22-2062
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京都府宮津市鶴賀2074

白藤屋菓子舗

【京丹後】

京丹後は、京都府の最北端。気候風土に恵まれ、魚介類はもちろん、野菜や果物も豊富に採れる地域です。日本一のシルク織物生産地でもあります。

間人 (たいざ)

Ⓒ海の京都DMO
自然の力を間近に感じ、日本海を一望できる高台の町

間人蟹(たいざがに)で知られる漁師町。日本海に面した海岸段丘の上には家々が建ち並んでいます。後ヶ浜海岸にある立岩の高さはおよそ20メートル。安山岩の荒々しい岩肌を目の前に感じることができる一枚岩です。近隣には大成古墳群などの観光スポットも。

小嶋庵

工房では写真の「ちび丸」作りを通して、提灯の製作を体験できます。オンラインでのワークショップにも対応。 画像提供=小嶋庵
温もりに満ちた光が灯る“海辺の提灯屋さん”

全国の寺社の提灯製造から、インテリア、ラグジュアリーブランドとのコラボレーションまで幅広く手掛ける小嶋商店。「小嶋庵」は、10代目のお兄様である小嶋俊さんが独立し、2021年に京丹後で設立。提灯の新たな可能性を提案しています。地域の人々とのつながりを大切に考えた、誰もが立ち寄ることができるオープンな工房です。

もともとは機織工場だった建物を改装した「小嶋庵」。和気あいあいとした雰囲気のなか、一人一人が異なる役割を担い、ひとつの提灯を作り上げていきます。 画像提供=小嶋庵


DATA

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京都府京丹後市網野町浅茂川266

小嶋庵

和久傳ノ森 (わくでんのもり)

総面積は約8.4ヘクタール。森づくりから20年近くが経ち、いまでは広大な森の中で、ふきのとうや桑の実など、たくさんの食材が収穫できるそう。 画像提供=和久傳ノ森
「和久傳」始まりの地で目指す、何百年も続く森づくり

1870年、初代の和久屋傳右衛門が京丹後で料理旅館を始めたことをきっかけに誕生した「和久傳」。2007年、故郷の京丹後にて「和久傳ノ森」づくりがスタートし、これまでに56種3万本の植樹が行われました。美術館やレストランが併設され、心と体をゆっくりと満たすことができます。

京丹後で育てられた「和久傳米」や地域の食材を味わえるレストランを併設。食材そのものの味わいを楽しめるメニューが揃います。 画像提供=和久傳ノ森


DATA

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京都府京丹後市久美浜町谷764

和久傳ノ森

たゆう

ボビンを砂の上に置いて行う、伝統的な整経。「たゆう」では工場見学も可能で、これらの工程を間近に学ぶことができます。 画像提供=たゆう
見て、触れて、感じて、京丹後に息づく技を学ぶ

約300年の伝統をもつ「丹後ちりめん」。「たゆう」は1931年に創業し、縮緬(ちりめん)における特徴的な技術である「水撚り八丁撚糸」から製品加工までを一貫して手掛けています。工場内では自社の生地を使用したアイテムも販売。工場へ訪れた際は、敷地内にある重森三玲作庭の「蓬仙寿の庭」も必見です。

工場に入ると織機がずらり。カタンカタンという音が響き渡ります。機械で行われるものの、熟練の職人によるチェックは欠かせません。 画像提供=たゆう


DATA

tel.0772-72-0307
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京都府京丹後市網野町浅茂川112

たゆう

小天橋 (しょうてんきょう)

Ⓒ海の京都DMO
白砂青松が続く北近畿有数のロングビーチ

小天橋は、日本海と久美浜湾を隔てる東西6キロメートルにわたる砂州からなる地域。地形が天橋立に似ていることから「小天橋」と呼ばれるようになりました。「日本の水浴場88選」に選ばれた小天橋海水浴場のほか、箱石浜、葛野浜など多数の海水浴場があります。

撮影協力=京丹後市 丹後織物工業組合 丹後きものゑん 編集=須藤幸恵、芦川明代、井田青夏(婦人画報編集部)

『婦人画報』2026年6月号より

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