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朝顔、昼顔、夕顔、夜顔の違いは?花言葉や開花時間の秘密、日本朝顔と西洋朝顔の見分け方

  • 2026.5.14
Cris Cantón / Getty Images

朝顔の花言葉

はかない恋
愛情
固い絆

はかない恋」は、朝顔が朝に咲き、昼にはしぼんでしまう性質に由来するようです(註:夕方まで咲く品種もある)。1日という限られた時間のなかで咲く姿は美しくもはかなく、瞬間に宿る深い思いを象徴し、その様子を愛おしむニュアンスから「愛情」という花言葉にもつながっています。「固い絆」は支柱につるをしっかりと絡ませて成長する姿からです。

朝顔の色ごとの花言葉

Nathan Blaney / Getty Images

青い朝顔の花言葉

青い朝顔の花言葉は「冷静」「平静」などです。涼やかな色合いが、落ち着いた心のあり方を思わせます。

紫の朝顔の花言葉

紫の朝顔の花言葉は「気品」「落ち着き」などです。紫は高貴な色とされ、朝顔の深みのある色は成熟した美しさや静かな佇まいを感じさせます。

ピンクの朝顔の花言葉

ピンクの朝顔の花言葉は「優しい愛情」です。やわらかな色調が、穏やかさと思いやりを象徴します。

白い朝顔の花言葉

白い朝顔の花言葉は「純潔」「清らかさ」です。余計なものを削ぎ落としたような潔さが印象的です。

気をつけたい朝顔の花言葉

すべての色の朝顔に共通する花言葉である「はかない恋」。はかない=寂しいという印象をもつ方もいるかもしれません。ですが本質は「長く続くことだけが価値ではない」という、もうひとつの視点にあります。「短い時間であっても、心に深く残るものがある」という意味合いです。

朝顔は「一瞬の豊かさ」を教えてくれる花でもあります。贈りものとして選ぶ際、花言葉を気にされる方には、このニュアンスを伝えてもよいかもしれません。

朝顔はどんな花?

分類:ヒルガオ科サツマイモ属

原産地:東南アジア、中国南部~ヒマラヤ山麓など諸説

英名:Morning glory(モーニング グローリー)

和名または別名: 牽牛花(ケンギュウカ)

開花期*1:7月〜10月

出回り期*2: 6月〜7月

*1 日本国内における自然状態での開花時期。気候や地域によって差があります。

*2 市場で流通し、生花店に並ぶ時期。地域によって差があります。

朝顔にはどんな種類がある?

DigiPub / Getty Images

朝顔の特徴

朝顔はヒルガオ科サツマイモ属のつる性の一年草です。つるを伸ばして成長し、背丈は20cmから品種によっては10mほどになり、ネットなどに這わせると緑のカーテンができるほど長くなる場合もあります。ラッパのような円錐形の花を咲かせ、1つの花が咲いてからしぼむまでの寿命がおよそ1日しかない「一日花」です。日没から約10時間後に花を咲かせるという性質をもつため、時期によっては夜明け前に開花することも。花色は青や紫、ピンク、白といった定番色のほか、絞り模様や縁取り、ぼかしの入ったものなど多彩です。

日本朝顔と西洋朝顔

朝顔の種類は大きく「日本朝顔」と「西洋朝顔」に分けられます。

日本朝顔は奈良時代末期から平安時代初期に中国から伝わった品種を、千年以上かけて改良してきたものです。早朝の3〜4時頃に咲いて午前中のうちにしぼむことが多く、開花時期は7〜8月です。つるを2~3mほどに伸ばし、葉にはくびれがあって細かい毛が生えているのが特徴です。「大輪朝顔」と「変化朝顔」に大別され、前者は小学校でよく栽培され、一般的な朝顔として親しまれているもの。後者は、江戸時代に盛んに品種改良されたもので、花びらが細く裂けたり、八重咲きのように重なったりと、一般的な朝顔とは異なる個性をもちます。

西洋朝顔は明治時代以降に日本に伝えられ、品種改良されたものを指します。朝から夕方まで咲き続ける品種が多く、開花時期は8〜10月で日本朝顔より遅めです。また、葉は丸く毛がなく、花は日本朝顔よりも大型。つるは7mから10mほどになるまでよく伸びるため、日よけのカーテンをつくるのに適しています。鮮やかな青色の花を咲かせる「ヘブンリーブルー」、白色に青や紫の絞りが入った「フライングソーサー」などが代表的な品種です。

昼顔・夕顔・夜顔との違いは?

朝顔に似た名前の花として、昼顔、夕顔、夜顔があります。夕顔はウリ科ですが、ほかの3つは朝顔と同じヒルガオ科です。いずれもおもに初夏から初秋に開花するつる性の植物で、1つの花が咲いてからしぼむまでの寿命がおよそ1日しかない「一日花」です。

大きな違いは、その名が示す通り、開花の時間帯です。一般的な朝顔の多くが朝に咲いて昼にしぼむのに対し、昼顔は朝から夕方まで咲き続けます。夕顔は夕方に開花し、夜顔は日没後に咲いてそれぞれ朝にはしぼみます。色は、昼顔は薄いピンク、夕顔と夜顔は朝顔より大ぶりの白色で香りがよいのが特徴です。また夕顔はへちまのような実をつけ、これはかんぴょうの原料になります。

朝顔の歴史

mikroman6 / Getty Images

朝顔の原産地はインドネシア・ボルネオ島などの東南アジア地域とする説と、中国南部からネパール・ヒマラヤにかけての山麓地域だとする説があります。古くから薬用植物として重宝され、特に種子には緩下(下剤)作用があるとされ中国では生薬として扱われてきました。

日本へは奈良時代末期から平安時代初期に中国から渡来したといわれます。当初は薬用利用がおもでしたが、その可憐な花姿が人々の関心を集め、観賞植物として庶民の生活に広まっていきます。

江戸時代後期にあたる文化・文政期(1804〜1830年)には園芸が武士や町人の間にも趣味として広まり、朝顔もその中心的な存在となります。多くの趣味人が珍しい花姿を求めて品種改良に熱中し、「変化朝顔」と呼ばれる独創的な品種が次々と生み出されました。江戸各地で朝顔市が開かれ、人々は自慢の花を持ち寄って楽しんでいたようです。この背景には、朝顔が鉢植えで気軽に栽培できたことと、限られた季節のなかで美を追い求める、江戸の人々の繊細な美意識があったようです。

現代でも、毎年7月上旬に開催される東京・台東区の「入谷朝顔まつり」のほか、日本各地で朝顔市が開かれ、夏の風物詩として江戸の園芸文化が引き継がれています。

知ると面白い、朝顔の花名の由来

TOSHIAKI ONO/amanaimagesRF / Getty Images

朝顔という和名は、朝に開花することから名づけられました。朝に花を咲かせ、昼にしぼんでしまう美しい花を「朝の美人の顔」という意味で「朝の容花(かおばな)」と呼んでいたことが語源のようです。

別名の「牽牛花(けんぎゅうか)」は、朝顔の種子が「牽牛子(けんごし)」と呼ばれる生薬として用いられていたことの名残りで、中国由来の言葉です。牽牛子の語源には諸説あるようですが、かつて中国では朝顔の種子は高価な下剤として重宝され、薬を譲り受けるお礼に「牛を牽(ひ)いて」いったという故事もそのひとつです。

英名の「Morning glory(モーニンググローリー)」は、直訳すると「朝の栄光」です。1日のはじまりに美しく咲く姿を讃えた表現といえるでしょう。

朝顔はどう贈る?

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朝顔が切り花として流通することは少なく、贈りものとして選ぶ場合は鉢植えが一般的です。季節感がはっきりしているため、夏のご挨拶や、涼を感じてほしい相手への贈りものとして魅力があります。

日々花が咲く様子が楽しめて栽培も容易、種子が簡単に採取できるため翌年も育てることができます。鉢植えならではの価値といえるでしょう。

ただし、花が1日でしぼむ性質や、「はかない恋」という花言葉があることを踏まえ、贈る相手やシーンには少しだけ配慮が必要です。「気をつけたい朝顔の花言葉」の項でも述べたように、「長く続くことだけが価値ではない」「短い時間であっても、心に深く残るものがある」という意味合いをさりげなく伝えることで、より印象深い贈りものになります。

参考図書

牧野富太郎著『新分類 牧野日本植物図鑑』北隆館

川崎景介監修『すてきな花言葉と花の図鑑』西東社

二宮孝嗣著『美しい花言葉・花図鑑』ナツメ社

春山行夫著『花ことば』平凡社

※花言葉は国や地域、宗教によって諸説あります。本記事では代表的なものを選んで紹介しています。

文・構成=宮脇灯子 編集=大坪千夏

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