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プラダを着た小娘のお話

  • 2026.5.8
Hearst Owned

BAZAARエディターたちが日々の「TOKIMEKI」をレポート! ファッション、フード、出来事、展覧会、人物... ちょこっと心が躍った、小さな幸せエピソードをお届け♪

本当は「プラダを着た小悪魔」という記事タイトルにしたかったのですが、ちょっとおこがましいと思い…小娘にしました笑。いつかあの世界線に立てるよう、日々奮闘中の私は、ここ数か月、映画『プラダを着た悪魔2』の公開を待ちわびていました。ファッションメディア業界に勤める身として、気にならざるを得ない続編。20年前、アシスタントだった彼女たちは、どんなキャリアを歩んだのか? 一方的な後輩心を胸に、映画を観た感想をお届けします。

ミランダ・プリーストリーが着用したプラダのコート

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まず、試写会への戦闘服をご紹介。実は、第1作目のポスターでミランダが着用しているプラダのコートを持っており、この日、初めて袖を通しました。数年前に出合った1着で、こんなめぐり逢いは二度とないと思い、衝動買い。ミランダは劇中、いろいろなブランドの服を着用しますが、“悪魔”が着た“プラダ”、そして彼女がオフィスに出入りする際にアンディのデスクに叩きつけるコートのうちの1着であることが決め手でした。

『プラダを着た悪魔』 ディズニープラスで配信中 2006 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

プラダの2005年秋冬コレクションで発表された濃紺のコートは、襟もとや裾、ポケットのフラップで白いパイピングのようなデザインが施されたアーティスティックな1着。ミランダはコートドレス風にまといましたが、私は黒のタンクトップとデニムで少しカジュアルに。いつか彼女のようなパワーウーマンになりたい! そんな思いとともにいざ、試写会にGO。

映画『プラダを着た悪魔2』の試写会へ

『プラダを着た悪魔2』2026年5月1日(金)日米同時公開 2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ここからは、ネタバレを避けつつ、映画について思ったことを。まず、1作目のファンも大満足のおもしろさ! ファッション、ドラマ、キャストの人間関係。映画全体を通じて、アンディ、エミリー、ミランダ、そしてナイジェルの20年間の近況がひも解かれ、まるで古い友人と濃厚なキャッチアップをしているよう。

SNS時代がゆえに起こった問題をきっかけに、 元祖『ランウェイ』編集部の面々が久々に再会。現在のファッション業界とメディアの関係性が明確に描かれ、20年前との違いがコミカルに、そして皮肉たっぷりに描かれています。

かつては口数が少なく、表情で語っていたミランダ。絶対的な彼女ですら、時代の変化に戸惑っているよう。第1作目でみられた言動がたびたび訂正される場面もあり、彼女の人間らしい側面が今作では印象的です。

一方でアシスタントだったエミリーとアンディはともに、それぞれの道で一人前に。相変わらずミランダにひるむ場面もありますが、ちゃんと意見を主張し、真っ向勝負することも。本作は彼女たちの成長物語ではなく、キャリアウーマンたちの現実と“戦い”のように感じました。

何度も観たい! ファッション小ネタの宝庫

『プラダを着た悪魔2』2026年5月1日(金)日米同時公開 2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ファッション業界とメディアの関係性を上手に捉えているのも見どころ。もちろん、現実ではありえないことも多いですが、『ランウェイ』誌の世界ではそれくらいオーバーであってほしい。特に、モードラバーなら分かる小ネタが随所に散りばめられ、豪華デザイナーやセレブリティ、インフルエンサーのカメオ出演も盛りだくさん。「ウォーリーを探せ!」のように、観れば見るほど知っている人がスクリーンに登場します。個人的には、ドナテラ・ヴェルサーチェがいい味を利かせていて、大興奮!

気になるアジア人の新キャラ

『プラダを着た悪魔2』2026年5月1日(金)日米同時公開 2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.

映画公開前、アジア人でアンディのアシスタント役であるシン・チャオの存在がSNS上で議論を呼びました。ハリウッドがこれまで描いてきたアジア人女性の典型をそのまま落とし込んだよう、という批判する意見も少なくありませんでした。

たしかに、断片的な映像や設定だけを見れば、そうした印象を抱くのも無理はありません。けれど実際に作品を通して見ると、彼女は単なるイメージどおりの存在にとどまらず、『ランウェイ』誌の内部で起きている変化を示すひとつの存在として描かれているのではと思いました。

また、製作陣の意図はシン・チャオという一人のキャラクターに限られるものではなく、編集部で働くさまざまなスタッフの描かれ方にも表れています。一見すると分かりやすい描き方も、近年叫ばれる多様性を明確に見せるための工夫として機能しているように感じられました。

かく言う私も、18歳まで白人社会で育ちました。ブロンドとブルネットヘアの同級生たちのなかでひとり、牛乳瓶の底のような眼鏡と特大ボリュームの黒髪のわたし。 シン・チャオに妙なシンパシーを感じました笑。

最後に、ここまでさんざん『プラダを着た悪魔』で盛り上がりましたが、私がエディターを夢見たきっかけはまた別にあります。ですが、雑誌の世界を夢見た初心とアシスタント時代のがむしゃら感を思い出させてくれる大切な作品。思いを馳せていたふたりのキャリアの行方と、ミランダとの関係性の変化は、ある種、親戚の子どもたちの成長を感じるときのような親近感と誇らしさを感じました。そして、仕事って楽しい! という言葉を胸に、明日もまた働きます。

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