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【月刊新作映画レビュー】『シンプル・アクシデント/偶然』ほか5月はコレ観なきゃマンスリー

  • 2026.5.1
(C)2026 Unifrance

5月8日(金)公開『シンプル・アクシデント/偶然』

イランの巨匠、ジャファル・パナヒ監督が二度にわたって投獄された自身の経験とそこで出会った人々の話に着想を得たスリラー。かつて不当に投獄されたワヒドは偶然の事故の巡り合わせで、自分の人生を奪った義足の看守と再会する。咄嗟に男を連れ去り、荒野に穴を掘って埋めようとするが、当時、目隠しされ、看守の顔を見たことがなかったワヒドは本人かどうか、確信がない。男のIDカードの名前も違っている。ワヒドは一旦、作業を中断、「人違いだ」と必死に抵抗する相手を連れ、同じ経験を持つ友人に確認しようとする。ユーモアと恐怖が絶妙な手に汗握る復讐劇。カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。アカデミー賞では脚本賞及び国際長編映画賞にノミネート。

監督・脚本/ジャファル・パナヒ

キャスト/ヒド・モバシェリ、マルヤム・アフシャリ、エブラヒム・アジジ、ハディス・パクバテン、 マジッド・パナヒ、モハマッド・アリ・エリヤほか

5月22日(金)公開『OXANA 裸の革命家・オクサナ 』

世界に自由と平和を訴えた、フェミニスト活動団体「FEMEN」の創設者である、オクサナ・シャチコの31年の短い生涯。ウクライナ西部フメリニツキー出身のオクサナはアルコール依存症でDVの父と献身的な母を、10代からイコン画を描いて、支えてきた。男尊女卑の社会を嫌悪する彼女は仲間と「FEMEN」を結成。セックスツーリズム撲滅を訴え、上半身を露わにして、注目を集める。組織の活動は国境を越えるが、監視と弾圧が激化。オクサナは政治難民としてパリへ逃れる決断をする。トップレスを「戦闘服」と考え、裸の胸に描いたスローガンと花冠で体制に立ち向かった若き芸術家の激動の日々。彼女はなぜ仲間と決別したのか。監督はウクライナ俳優の起用にこだわり、オクサナ役のアルビーナ・コルジは戦禍のウクライナからオンラインオーディションで選ばれた。

監督・脚本/シャルレーヌ・ファヴィエ

キャスト/アルビーナ・コルジ、マリナ・コーシュキナ、ラダ・コロヴァイ、オクサナ・ジュダノヴァ、ヨアン・ジメル、ノエ・アビタほか

5月29日(金)公開『マテリアリスト 結婚の条件』

『パスト ライブス/再会』のセリーヌ・ソンがダコタ・ジョンソンを主演に迎え、NYの婚活事情をリアルに描いたラブストーリー。A24製作作品歴代3位の成績を記録。ニューヨークの結婚相談所で働くルーシーは次々と依頼人を結婚に導くやり手だが、本人は仕事一筋のシングル。ところが、クライアントの兄から目をかけられ、熱烈プロポーズを受ける。高身長で高学歴、とんでもない高収入の申し分のない相手。そんな折、役者の夢を追いかけ、いまだにバイトしながら友人と暮らしている元彼と再会。思わぬ三角関係に陥る。リッチな投資家には先日、「シャネル」のアンバサダーに就任したペドロ・パスカル。お金がなくとも、Tシャツ姿で美しい元彼はクリス・エヴァンス。ロマンティックな内容ながら、都会の切実な結婚条件を考えさせられる。

監督・脚本/セリーヌ・ソン

キャスト/ダコタ・ジョンソン、クリス・エヴァンス、ペドロ・パスカルほか

5月29日(金)公開『箱の中の羊』

カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品。事故で息子を亡くした夫婦は悩んだ末、息子とそっくりなヒューマノイドを迎え入れる。家族の止まっていた時間が再び、動き出すものの、自分の子どもとして接する母と違い、父親の気持ちは複雑だった。息子と同じ容姿を持つヒューマノイドは果たして、本物の息子になれるのか。そこには想像を超える未来が待ち受けていた。建築士の母親を演じるのは『海街diary』で是枝組経験済みの綾瀬はるか。彼女の夫を演じる大悟は工務店の二代目社長役で映画初主演(綾瀬とダブル主演)。社会の中の家族の有り様を赤裸々に描いてきた監督の視点が今回も鋭く温かい。是枝監督にとって、オリジナル脚本は『万引き家族』以来、約8年ぶり。タイトルは「星の王子様」の一節から。

原案・監督・脚本・編集/是枝裕和

キャスト/綾瀬はるか、大悟、桑木里夢、清野菜名、寛一郎、柊木陽太、角田晃広、野呂佳代、星野真里、中島歩、余貴美子、田中泯ほか

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