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『プラダを着た悪魔』アク強めのアシスタント役はハリウッドでも大出世!エミリー・ブラントのカメレオン俳優ぶり

  • 2026.4.29

20年ぶりの続編として期待感が高まる『プラダを着た悪魔2』(5月1日公開)。ファッション業界を舞台にした大ヒットドラマが再び幕を開けるなか、改めて注目したいのが世界的スターへと飛躍を遂げたエミリー・ブラントの存在だ。2006年の『プラダを着た悪魔』で辛辣なアシスタント役を演じて強烈な印象を残した彼女は、ジャンルも役柄も自在に横断する“対応力抜群の実力派女優”として活躍を続けてきた。そこで、その軌跡を代表作とともに振り返りつつ、現在地となる『プラダを着た悪魔2』へと至る歩みをたどってみたい。

【写真を見る】『プラダを着た悪魔』の辛辣な編集アシスタント役でハリウッドに進出!

あの編集長ミランダと、アンドレアが帰ってきた!『プラダを着た悪魔2』 (C) 2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.
あの編集長ミランダと、アンドレアが帰ってきた!『プラダを着た悪魔2』 (C) 2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.

故郷イギリスから『プラダを着た悪魔』でハリウッド進出!

イギリス出身のエミリー・ブラントは、2001年にジュディ・デンチと共演するなど舞台女優としてキャリアをスタート。ハリウッド進出の足掛かりとなったのが『プラダを着た悪魔』(06)だ。

【写真を見る】『プラダを着た悪魔』の辛辣な編集アシスタント役でハリウッドに進出! [c]Everett Collection/AFLO
【写真を見る】『プラダを着た悪魔』の辛辣な編集アシスタント役でハリウッドに進出! [c]Everett Collection/AFLO

アン・ハサウェイとメリル・ストリープの共演でファッション業界の内幕を艶やかに描いたこの作品でブラントが演じたのは、一流ファッション誌「ランウェイ」の編集部で働く辛辣な性格のアシスタント、エミリー。アンドレア(ハサウェイ)に厳しく当たりながらも仕事に誇りを持つ姿を、シニカルなユーモアとリアリティをもって表現して人気を獲得。

この作品の世界的ヒットに続き、同年、英BBC長編ドラマ「ナターシャの歌に」(05)でゴールデングローブ賞 助演女優賞(ミニシリーズ/テレビ映画)を受賞。そして伝記映画『ヴィクトリア女王 世紀の愛』(09) でタイトルロールを務め、さらなる飛躍を遂げることになる。

若き女王陛下に扮した『ヴィクトリア女王 世紀の愛』 [c]Everett Collection/AFLO
若き女王陛下に扮した『ヴィクトリア女王 世紀の愛』 [c]Everett Collection/AFLO

19世紀のイギリスを舞台にしたこの作品は、若き女王ヴィクトリアの恋と政治を描く歴史ドラマ。孤独な女王がアルバート公と出会い、愛と責務の狭間で揺れ動く姿が描かれる。ブラントは、七つの海を支配し、イギリスを世界最強の国へと導いた女王陛下を気高くも可憐に熱演。ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ドラマ)にもノミネートされ、世界的女優としての地位を固めていく。

アクション、ファミリードラマ、名作リメイク…。さらなる表現領域へ!

相次ぐ賞レースへの登場で一躍トップスターの仲間入りを果たしたブラントは、その後もフィリップ・K・ディックの短編小説を映画化した『アジャストメント』(11)でマット・デイモン扮する政治家と恋に落ちる“運命の女性”を演じたり、ユアン・マクレガーとの共演作『砂漠でサーモン・フィッシング』(11)でイギリスの国家プロジェクトに関わるコンサルタントを好演したりと世界を股にかけて活躍。

女優として大きな転機となったのが、桜坂洋によるSFライトノベルをトム・クルーズ主演で実写化した『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(14)である。

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』ではアクション女優としての才能も披露! [c]Everett Collection/AFLO
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』ではアクション女優としての才能も披露! [c]Everett Collection/AFLO

クルーズが謎の生命体との戦争に従事することになった広報担当の将校を演じ、 “死ぬたびに同じ日を繰り返す”ループに囚われながら戦いのノウハウを蓄積していくことで、人類の逆転を目指す姿が描かれる本作。ブラントは“戦場の女神”と呼ばれる最強兵士を演じ、これまでのイメージを覆し、アクション女優としてのイメージも強く印象づけている。

さらに、夫であるジョン・クラシンスキーが監督&脚本を手がけたサバイバルホラー『クワイエット・プレイス』(18)では、音に反応する怪物が支配する世界を舞台に、“音を立てられない”制約のなか出産を迎える母親という難役にトライ。彼女が“極限の恐怖”と“母としての強さ”を体現したこの作品は世界で熱狂的に迎えられ、2021年には続編『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』も公開されている。

続編『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』は父親を亡くした子供たちの成長がテーマ [c]Everett Collection/AFLO
続編『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』は父親を亡くした子供たちの成長がテーマ [c]Everett Collection/AFLO

その一方、1954年に公開されたディズニーの名作映画の20年後を描いた『メリー・ポピンズ リターンズ』(18)では、奇跡と幸せをもたらす魔法使いに。メガホンをとったロブ・マーシャル監督に「エミリー以外で映画化するつもりはない」と出演を熱望されたブラントは、この大役で歌とダンスを軽やかに披露。往年の名女優ジュリー・アンドリュースが確立したクラシックなキャラクターに新たな息吹を吹き込んだ。

『メリー・ポピンズ リターンズ』では、模倣をさけるためあえて1作目を見返さずに役作りしたそう [c]Everett Collection/AFLO
『メリー・ポピンズ リターンズ』では、模倣をさけるためあえて1作目を見返さずに役作りしたそう [c]Everett Collection/AFLO

作品の核を支える俳優に。“カメレオン女優”の現在地

こうしてブラントはジャンルを横断しながらキャリアを積み重ね、近年さらに“作品の核を支える俳優”としての存在感を強めている。その現在地を象徴する1本が、クリストファー・ノーラン監督作『オッペンハイマー』(23)だ。

この作品は、原爆開発を主導した物理学者J・ロバート・オッペンハイマーの栄光と葛藤を描いた人間ドラマ。ブラントは主人公の妻キティに扮した。夫の功績の裏にある苦悩を間近で見つめながら、自身も葛藤を抱える難しい役どころ。彼女は抑制された演技のなかに複雑な感情をにじませることで作品の情緒面を豊かにする重要な役割を担った。また、ライアン・ゴズリングがスタントマンのコルトに扮した痛快アクション『フォールガイ』(24)では、コルトの元恋人であるジュディをキュートに演じ、改めてどんな役柄でも完璧にやり遂げる“実力派”であることを世界に示したのである。

この春はそんなブラントの3本の出演作が立て続けに公開される。ドウェイン・ジョンソンが実在の総合格闘家マーク・ケアーに扮した『スマッシング・マシーン』(5月15日公開)では、ケアーを翻弄する破滅的な恋人役を体現。さらにスティーヴン・スピルバーグ監督の最新作にして未知との接触をテーマにしたSF大作『ディスクロージャー・デイ』(7月10日公開)では、主人公である気象キャスターを演じる。

『スマッシング・マシーン』で主人公を演じたジョンソンとは、『ジャングル・クルーズ』に続いて2度目の共演 [c]2025 Real Hero Rights LLC
『スマッシング・マシーン』で主人公を演じたジョンソンとは、『ジャングル・クルーズ』に続いて2度目の共演 [c]2025 Real Hero Rights LLC

そんななか公開を迎えるのが、『プラダを着た悪魔2』である。本作では、従来のファッション誌ビジネスが転換期を迎えるなか、カリスマ編集長のミランダ(ストリープ)がキャリアの岐路に立たされる姿が描かれる。その鍵を握る存在として浮かび上がるのが、ブラント演じるエミリー。現時点でハイブランド企業の幹部に転身していた彼女は、ミランダ率いる「ランウェイ」の運命に深く関わることに。物語のキーパーソンとなった彼女の活躍に期待が高まる。

シリアスな人間ドラマからアクション、ホラー、ミュージカル、そして社会派大作まで作品ごとにまったく異なる顔を見せてきたブラント。まさに“カメレオン女優”として多彩な役柄を演じてきた彼女の原点とも言える『プラダを着た悪魔2』は、これまでの歩みと現在地を同時に映し出す一本となるはずだ。20年の積み重ねを経たエミリー・ブラントが、再びどんな顔を見せてくれるのか。スクリーンで確かめたい。

文/足立美由紀

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