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「僕のせいでたくさん困らせてごめんなさい」被害者なのになぜ? 性犯罪に巻き込まれた子どものケア【著者インタビュー】

  • 2026.4.28

【漫画】本編を読む

※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

ある日、突然、学校に行けなくなった小学3年生の勇。おねしょをする、父親の健に触られただけで嘔吐するなど、普段とは明らかに違う様子が続いていた。病院に連れて行ったり、学校や周囲に聞きまわるも、理由が分からず、悶々とした日々を過ごしていると、英子のもとに警察から電話がかかってきて――。

息子の性被害事件と戦う家族の姿を描いた漫画『性被害のせいで、息子が不登校になりました』(あらいぴろよ:著、斉藤章佳:監修、飛田桂:取材協力/KADOKAWA)。著者は、虐待や毒親に関するコミックエッセイを手がけ、自身もトラウマ治療中と語る漫画家のあらいぴろよさん。

おぞましい性犯罪に、深い傷を負う勇。さらには、加害者の衝撃的な過去も明かされ――。そんな中、英子はあらゆる支援や家族によるケアで息子を救おうとする。性被害に限らず、すべての傷ついた人たちに送る本作について、著者のあらいさんに話を伺った。

――あらいさんご自身も過去に虐待や性被害を受けていたそうですね。そうしたご経験から、本作に強い想いを込めたのでしょうか?

あらいぴろよさん(以下、あらいさん):ありましたね。私がこのお話の中でいちばん好きなのは、勇が両親に「僕のせいでたくさん困らせて本当にごめんなさい」と謝るシーン。そこで両親が「何ひとつ悪くないよ」と言って勇を抱きしめるのですが、私もそうされたかった…と。この漫画には、私がこういうふうにケアされたかった、という内容がいくつも入っています。

――勇と彼の家族は、あらいさんの理想でもあったのですね。

あらい:私はこういうことがなかったので羨ましいと思いますけど、勇はあくまで勇のパターン。私は私で大人になってから治療をして、今、幸せなので。私と同じような体験をした人も、小さい頃にケアを受けなかったから一生変われないんじゃないか、とは思わないでほしいと思います。

――背中を押してもらえる読者がきっとたくさんいると思います。

あらい:私は長いこと、父から性的虐待を受けていたのですが、誰かに話さないといけないときに、「最後までされていないし、触られただけだから全然大丈夫」と伝えていたんです。私も大人になってから、それがただごとではなかったと気づきましたが、受け止めきれずに矮小化しようとしました。勇の父親と同じですね。彼もまた、若い頃に性被害にあっているので。

だから、性被害を受けた人は、自分の傷が大したことないなんて思わないでほしい。されたことの程度の大小ではなく、嫌なものは嫌でいい。私はそう思います。

取材・文=吉田あき

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