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お金のセンスがいい友。建築家・谷尻誠の場合

  • 2026.4.28
建築家・谷尻誠 自宅 リビング

自分の“やってみたい”を、柔軟な発想で仕組みに変える

Q1:お金のセンスがいいと言われていますが……?

裕福とは言えない家庭で育ち、長らくお金にコンプレックスと恐怖心を抱いていました。でも学び始めたことを機に、お金自体は単なる紙で、預金するか、投資に回すか、不動産にするか、置き場所さえ考えればうまく付き合えると気づき、気が楽になりました。

Q2:お金に対する価値観はどんなきっかけで形成されましたか?

2018年に自邸の構想を練り始めたことです。家を建てるには借金が必要でしたが、大きな額を借りるのは怖い。当初はいかに借入額を減らすかを考えました。根本的に不安だったのは、向こう数十年にわたって仕事を続けられるのかということ。でも電卓を叩くと、仮に借入額を1,000万円減らせたとしても月々の負担はさほど変わらないんですよね。

そこでお金を学び始め、「建物自身に働いてもらおう」と考えました。自宅の一角をテナントとして貸し出し、賃料で月々の返済額を賄えれば、僕一人に依存せず回せるだろうと。自宅と事業とを同時に作るこの「収益型マイホーム」を実践して竣工したのが2020年のことです。

一連の経験によって、借金への考え方が大きく転換しました。お金を増やす運用ありきの借り入れは、負債ではなく資産。小学生の息子にもそう教え込んでいます(笑)。

建築家・谷尻誠 自宅 外観
谷尻さんの自邸。3層構造で1層目と3層目をテナントに。撮影:矢野紀行
建築家・谷尻誠 自宅 リビング
1層が自宅。仕切りが少なく、生活様式の変化に合わせてリノベーションしやすい造り。撮影:矢野紀行
ロレックス『エクスプローラー Ⅱ』
谷尻さんにとってお金の教訓が詰まった「ロレックス エクスプローラー Ⅱ」。22歳の頃に背伸びをして購入するも、ローンの返済ができず手放し、2016年に同モデルを3倍の価格で再購入した。

Q3:現在は、お金とどのように付き合っていますか?

お金が回る仕組みの開発とセットで可能な限りの借金をし、自分のやりたいことを次々形にしていこうと考えています。その筆頭が〈DAICHI〉です。コロナ禍で時間に余裕ができ、家族でキャンプへ赴く中で、「こういう自然豊かな地で仕事を作りたい」と思ったのが発端。

本業の建築家としても、受注だけでなく自らが施主になる重要性を痛感していたので、マイクロデベロッパーとして自然の中で不動産開発をし、共同オーナー制の貸別荘サービスを展開する構想に至りました。

千葉県〈DAICHI ISUMI〉外観
〈DAICHI〉の貸別荘サービスの第1弾となった千葉県いすみ市の〈DAICHI ISUMI〉。撮影:toha

Q4:あなたの思う、お金のセンスがいい友は誰ですか?

ライフスタイリストの大田由香梨さん。築約200年の日本家屋を購入したことも記憶に新しいですが、目先の利益追求ではなく、本当にやりたいことのためにお金を費やして未来を作ろうとする姿勢が素敵だなと思います。

profile

建築家・谷尻誠

谷尻 誠(建築家)

たにじり・まこと/1974年広島県生まれ。設計事務所〈SUPPOSE DESIGN OFFICE〉や自然豊かな環境での不動産開発を手がける〈DAICHI〉など、建築を軸に10の法人の経営に携わる。

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