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中3息子の高校受験。“9万の夏期講習”を申し込み→その後、塾長との面談で見積書が渡され…40代母が犯した“痛恨のミス”

  • 2026.6.6
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計や子育て世代のお金のご相談に日々向き合っている中川です。

今回は「夏期講習だけのつもり」で塾に申し込んだはずが、追加講座を勧められて60万円超の請求書を手にした、中3息子を持つ40代母親Cさんの体験談です。

「みんな取っています」「合格には必須」という言葉に押されて即決した結果、夫婦間でひと悶着あった一件をご紹介します。

「夏期講習15日間9万8千円」という入り口

Cさんは40代のパート勤務、夫は同年代の会社員、中3の長男と小6の長女と暮らす4人家族です。

長男の高校受験を控えた6月、ポストに入っていた大手進学塾のチラシをふと手に取りました。「夏期講習15日間9万8千円・夏だけ通塾もOK」という見出しに、肩の力がふっと抜けたといいます。

「これくらいなら何とかなる金額。夏休みに勉強の習慣をつけてくれるなら十分よね」

長男はそれまで通信教材で家庭学習を続けてきたものの、模試の偏差値は伸び悩み気味。「夏だけでも塾の空気を吸わせよう」と、Cさんは軽い気持ちで申し込みフォームを送信したそうです。

このときCさんの頭の中にあったのは、あくまで「9万8千円」という金額だけでした。

面談という名の、追加販売

申し込み後、教室長との保護者面談が組まれます。和やかに始まった面談で、教室長はこう切り出しました。

「お子さまの志望校を考えると、夏期講習だけでは正直、厳しいかもしれません。志望校別特訓、夏合宿、英語特化、過去問演習、個別フォローを組み合わせて受講されるお子さまがほとんどです」

Cさんが返答に詰まると、教室長は穏やかに続けます。

「同じクラスのみなさん、ほぼ全員が受講されています。合格にはほぼ必須とお考えください」

帰宅後に渡された見積書には、夏期講習9万8千円のほかに、志望校別特訓12万円、夏合宿8万円、英語特化6万円、過去問演習9万円、個別フォロー15万円。総額は約60万円。

「夫に相談してから」と思いつつも申込締切が翌週に迫ると告げられ、その場で全講座にサインしてしまったそうです。

契約書に書かれていた、小さな文字

請求書を見たご主人は、当然のように驚きをあらわにしました。「なぜ事前に相談しなかったのか」と、夫婦間の空気はしばらく重くなったといいます。

冷静さを取り戻したCさんが契約書を読み返すと、小さな文字で「中途解約時は、未受講分について受講料規定に基づき返金いたします」「教材費・諸経費は返金対象外」という条項が書かれていました。

塾や予備校など特定継続的役務提供にあたる契約では、特定商取引法に基づき、中途解約のルールや返金上限額が定められているのが一般的とされます。ただし適用範囲は契約内容によって異なるため、個別判断は事業者とご相談いただく必要があります。

Cさんは塾に電話をかけ、合宿と個別フォローの一部を取り消すことができました。返金額は決して大きくはありませんでしたが、出費は当初の半分ほどに抑えられたそうです。

今回は柔軟に対応してもらえましたが、契約条件次第で結果は変わるため、希望どおりに減額されるとは限りません。

「数字より、判断の枠組み」を持つ

塾の追加講座は各事業者の自由な料金設計で提供されています。投資商品ではないため金融商品取引法のような勧誘規制の対象外であり、断るのは保護者側の役割となります。

Cさんは、「年間でいくらまで」と夫婦で先に上限を決めておけばよかった、と振り返っていました。

受験産業の追加販売は、保護者の不安心理に寄り添うものです。一度の面談で即決せず、見積もりを取り、ご家族と相談してから返事をすることをおすすめします。

「子どものため」という言葉の前には、誰もが弱くなるもの。だからこそ、冷静さを保てるよう事前に夫婦で話し合っておきましょう。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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