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“お蔵入り”だった原作の実写映画化「また狂気を見られるのか」『爆弾』で“圧倒させた”演技派俳優の怪演、再び

  • 2026.5.15

2025年公開の映画『爆弾』で、観客を圧倒する怪演を見せ、第49回日本アカデミー賞などで最優秀助演男優賞を受賞した佐藤二朗。彼が原作・脚本を担当した最新主演映画『名無し』が、2026年5月22日より公開される。

SNSには「爆弾で期待値が上がりまくっている」「また狂気を見られるのか」といった声が上がり、予告編を観た人からは「めっちゃ迫力があって圧倒される」「不気味すぎて最高」などの感想がアップされている。

佐藤二朗が原作・脚本・主演を兼任する映画『名無し』

現在、TVドラマ『夫婦別姓刑事』に、橋本愛とW主演している佐藤。彼は多くの映画やTVドラマなどで俳優として活躍する一方、映画監督や脚本家としても活動している。数年前、佐藤は映画化を志して『名無し』の脚本を執筆したが、過激なテーマと特殊な世界観ゆえに実現しなかったという。だが、その脚本は漫画化され(漫画:永田諒/既刊3巻/『HERO’S Web』にて配信中)、佐藤の漫画原作者デビュー作となった。

その後、ついに映画化が決定し、佐藤が原作・脚本・監督を務めた映画『はるヲうる人』に脚本協力として参加した城定秀夫が、映画『名無し』の監督に就任。この度、晴れて公開されることとなった。

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(C)佐藤二朗 永田諒 / ヒーローズ (C)2026 映画「名無し」製作委員会
ストーリー
白昼のファミレスを襲った無差別大量殺人事件。防犯カメラに残された容疑者の中年男。被害者は誰もが鋭利な刃物のようなモノで切りつけられていたが、映っているはずの凶器の姿だけが目視できない。鍵を握るのは男の右手。その手が向かう先には必ず何かが起こる。目に見えない力の秘密に隠された、恐るべき真実から逃がれることはできるのか?

主人公に大きく関わる人物を演じる丸山隆平とMEGUMI

映画『名無し』は、中年男の主人公が無差別大量殺戮を行う現在と、遺棄児だった少年時代の出来事が、行ったり来たりしながら綴られる。共通して描かれるのは、彼の右手の謎だ。殺人事件の描写では、ファミレスや通りで男と遭遇した人々は、切りつけられて出血している。だが、防犯カメラ映像で確認しても、男の右手には何も映っていない。

38年前、路地裏で巡査の照夫(丸山隆平)が彼を保護した際、名前を聞いても答えず、照夫はシンプルに“山田太郎”と名付けることに。太郎はコードで右手をグルグルに巻き、動かないように固定していた。太郎が右手で触ったものは一瞬消え、花ならその後に枯れてしまう。彼の右手には、一体どのような謎が隠されているのか……?

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(C)佐藤二朗 永田諒 / ヒーローズ (C)2026 映画「名無し」製作委員会

丸山隆平(SUPER EIGHT)が演じる照夫は、太郎を保護し、優しく接する人物。丸山が照夫を柔和に体現することによって、重い内容の本作に一筋の光を感じさせ、空気を和ませてくれる。彼の役柄は、非現実的な設定を“いかに現実の世界観で見せられるか”といったことを託された存在でもあるという。

丸山について佐藤は、「照夫はこの作品にとって数少ない良心みたいな人で、それをあからさまにではなく、人間が持つ当たり前の善意とか温かみとか温もりを引き受ける役を非常に丁寧に演じていただいたと思います」と語っている。

そして、太郎の運命を決定づける重要人物として“正体不明の女性”が登場する。MEGUMI が“花子”と呼ばれる、その女性を演じている。予告編で「この世にお前がさわれるものなんかないんだよ」と、震えるような声で叫んでいる花子。太郎と花子の関係性も、本作の大きな見どころとなる。

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(C)佐藤二朗 永田諒 / ヒーローズ (C)2026 映画「名無し」製作委員会

MEGUMI は太郎を“哀しきモンスター”と称しているという。彼女は、特殊な設定の本作において、花子を「色んな感情の複雑さが見えればいいなと思って演じていました」とコメントしている。

“同志”佐々木蔵之介の熱演も必見

防犯カメラの映像に凶器が映っていないことを解明しようとしつつ、容疑者の右手にこだわり、異常な執念を持って太郎を追う刑事の国枝。どんどん犠牲者が増える中、苛立ちを募らせる国枝を演じるのは、主演映画『幕末ヒポクラテスたち』が公開中の佐々木蔵之介。

佐々木は、佐藤が駆け出しの頃に、同じ演劇畑出身の彼と切磋琢磨した“同志”だという。そんな佐藤の熱望に応えて参加を決めた佐々木の、本作での熱演は必見だ。

寡黙な表現の追求は自身への挑戦

大ヒット映画『爆弾』で、佐藤は饒舌な“スズキタゴサク”役を怪演し、大きな話題となったが、『名無し』での彼はほとんど喋らない。太郎が通りを練り歩きながら、道行く人々を次々と手にかけていく“スラッシャー描写”のシーンは、本作のハイライトでもある。その顔には、悪魔のような笑みが広がり、圧倒的な破壊力を感じさせる。殺人を犯す時に太郎の顔に現れる“引きつり”も、恐ろしさを増幅させる。佐藤が、これまであまり見せてこなかった寡黙な表現の追求は、自身への挑戦でもあったそうだ。

また新たな、佐藤の凄みのある名演技に引き込まれること必至の、彼の渾身の主演作『名無し』を、ぜひ劇場で体感してほしい。


※制作の裏側についてはプレス資料・公式サイトより引用

『名無し』5月22日(金)公開
出演:佐藤二朗、丸山隆平、MEGUMI、佐々木蔵之介 ほか
原作・脚本:佐藤二朗
監督・共同脚本:城定秀夫
配給:キノフィルムズ
公式サイト:https://774movie.jp
(C)佐藤二朗 永田諒 / ヒーローズ (C)2026 映画「名無し」製作委員会

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(C)佐藤二朗 永田諒 / ヒーローズ (C)2026 映画「名無し」製作委員会

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X:@KumikoShimizuWP

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