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「カーテンを閉めっ放し…」1年半かけた新築に念願の白いタイルデッキ→入居直後、夏に30代夫婦を襲った“大誤算”

  • 2026.6.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。二級建築士・インテリアコーディネーターの桐野由衣です。

最近、新築住宅の人気プランのひとつとして注目されているタイルデッキ、気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。いわばアウトドアリビングとしても使えるタイルデッキは、ウッドデッキとはまた違う魅力がある一方で、導入時には慎重な検討が必要です。

念願のタイルデッキを新築時に採用したEさんの誤算を例に、タイルデッキを設ける際のポイントを解説します。

土地探しから1年半、新築住宅に念願のタイルデッキを設置したものの…

約1年半前から新築住宅の建築を考え始めた30代のEさんは、土地探しから着手し、ほぼ希望通りのマイホームを手に入れることができました。

小さいお子さんがいるEさんがこだわったプランのうち、特に力を入れていたのが、リビングからも庭からもアクセスできるタイルデッキ。天気がいい日にはお子さんと遊べるよう、ゆったりとした広さを確保し、明るく高級感のある白系タイルを選びました。完成後の仕上がりも思い通りで、こだわった甲斐があったとEさんはとても満足していました。

ところが入居して間もなく、Eさんは誤算があったことに気づきます。それは、タイルデッキからの日光の反射で、リビング内が日中まぶしいということ。Eさん宅のリビングは日当たりを重視して南面に設置し、タイルデッキとのアクセスを考えてハイサッシ(床面から天井付近までの開口部を持つ背の高い掃き出し窓)を選択していたために、リビングに差し込んでくる反射光はリビングのかなり奥まで届きます。

実は、「タイルが日光に当たると表面温度が上がる」「日光を反射しにくい濃い色のタイルか、ウッドデッキに」という説明は、施工会社から受けていました。しかし、タイルデッキを白系にして外観全体のアクセントにしたかったEさんは、こだわりを通して白系タイルでの施工を依頼したのでした。

Eさんが入居したのは春先で、入居後数ヶ月で本格的な夏が到来。しかし、天気がいい日の日中は照り返しの強さでタイルデッキにいるとまぶしく、タイル表面も熱くなる日が続きました。お子さんと裸足で遊んだりビニールプールを置いて水浴びをしたりする計画だったはずが、結局日が落ちた夕方以降に涼みに出るかバーベキューをするかという程度の使用頻度に。

日中もっとも長時間過ごすリビングも、厚手の遮熱レースカーテンを閉めっ放し…しかも、タイルデッキは基礎を打って仕上げるため、撤去し庭へとリフォームするには大掛かりな工事が必要となってしまいます。

結局、タイルデッキ上部にかかるようオーニングの設置工事を追加で依頼することになったEさん。「住宅会社の提案を受け入れてもう少しトーンを落とした色のタイルを選んでおけば、毎回オーニングを出し入れする手間もかからなかったのに」とため息をつく日々です。

タイルデッキをヘビーユースしたいなら色選びは慎重に

Eさんの誤算の原因は、日射時間の長さを考慮した住宅会社からの提案を採用しなかったことでした。タイルデッキに白系タイルを選ぶこと自体は何ら問題ありませんが、直射日光がよく当たる場所や方角に設置する場合、反射には注意しなければいけません。

特にEさんのように滞在時間が長いリビングに隣接させるなら、室内への照り返しには床や家具などの劣化を早めるデメリットもあるため、それを抑えることを優先するとよかったですね。

タイルデッキに使う色は、タイルデッキでの過ごし方や隣接するスペースを踏まえて決めることが大切です。タイルデッキで過ごす時間が長い場合や、隣接するスペースがリビングなど家族が集まりやすい場所である場合は、まぶしさを抑えるためにワントーン暗い色のタイルを選択するのがベターです。Eさんはまぶしさ対策で遮熱タイプのレースカーテンを使用していましたが、遮熱タイプのレースカーテンはほぼ視界を遮ってしまう厚手のものがほとんどですから、せっかくの日当たりやハイサッシのよさを発揮しにくいのも惜しいポイントと言えます。

ただし、黒系やダークグレーといった濃い色のタイルは、光を反射しにくい反面、熱を吸収して表面温度が上がりやすいというデメリットがあります。設置位置や日射条件によっては、真夏に裸足で遊ぶのは難しいでしょう。

タイルデッキのタイルを選ぶ時は、設置予定のタイルデッキに日光が当たる時間や季節ごとの入射角度などを設計時によく説明してもらい、納得がいく形で進めてください。

タイルデッキを設ける時にしっかり検討したいポイント

タイルデッキのように屋外で使用するスペースは、日光や雨、風などに常にさらされる部分ですから、仕上げ材をしっかり検討して選ぶことが大切です。

まず、ここまで見てきたようにタイルの色は慎重な選択が必要です。加えて、タイルの大きさにも注目しましょう。タイルデッキに使用するタイルは300角タイル(30cm×30cm)が一般的ですが、倍の大きさで存在感が高まる600角タイル(60cm×60cm)や、長方形でスマートな印象を与える600×300サイズのタイル(60cm×30cm)などもあります。タイルサイズが大きくなるほど目地が少なくなり、汚れがたまりにくくなりますが、タイルデッキの面積があまり広くない場合はタイルの大きさを生かせないため、全体のバランスを考えて選んでください。

また、明るい色のタイルにこだわりたい場合は、庇やオーニングなどの設置も同時に検討しましょう。庇が深ければ、日よけ対策になるだけでなく、雨の日でもガーデンチェアを置いてくつろぐといった使い方ができますよ。

※外壁(壁や柱の中心線)から1m以上の庇を設置すると1mを超える部分が建築面積に算入される点に注意。

高級感があり、耐久性も高いタイルデッキのよさを存分に楽しめるよう、十分な検討を重ねて素敵なセカンドリビングを手に入れてくださいね。


ライター:桐野由衣
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リノベーション設計会社にて新築分譲マンションの設計変更、戸建住宅・オフィス・医療施設等の設計およびインテリアコーディネートに携わる。
建築関連分野の記事執筆・校正校閲・監修業務、企業研修講師、インテリアコーディネーター資格対策テキスト監修、工務店の施工事例集ディレクションなどの実績も多数。


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