1. トップ
  2. 住まい
  3. 「この快適さなら高くない」タワマンを購入した40代夫婦の誤算。維持費が月11万円まで膨らんだシビアな現実

「この快適さなら高くない」タワマンを購入した40代夫婦の誤算。維持費が月11万円まで膨らんだシビアな現実

  • 2026.6.7
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

タワーマンションの中には、エントランスにホテルのような受付やコンシェルジュサービスが備わっている物件があります。荷物の預かり。クリーニング受付。タクシー手配。そんな“便利で上質な暮らし”に憧れを抱く方も多いのではないでしょうか。

しかし一方で、その豪華なサービスが数年後“毎月の重い固定費”へ変わってしまうケースもあります。

今日は、コンシェルジュ付きタワーマンションを購入した40代夫婦が「ホテルみたいな暮らしが続くと思っていた」という理想と、現実の維持コストとのギャップに苦しんだ実際のエピソードをご紹介します。

「ホテルみたいな生活」に憧れて購入した40代夫婦

これは以前、売買取引でお世話になった方が住んでいるタワマンで実際にあった話です。40代前半のAさん夫妻は、市街地に近いエリアのタワーマンション購入を検討していました。

夫婦が特に惹かれていたのは、コンシェルジュサービス。物件には、ホテルのようなサービスが揃っていたのです。

  • クリーニング受付
  • 宅配便発送
  • タクシー手配
  • 共用備品貸出
  • 来客対応

内覧時、奥様はエントランスを見渡しながらこう話していました。

「毎日ホテルみたいに暮らせたら最高ですよね」

実際、マンションの共用部は非常に豪華でした。

  • 吹き抜けロビー
  • ラウンジ
  • フィットネスジム
  • 各階ゴミ置き場
  • 24時間有人管理

管理費と修繕積立金、駐車場代を合わせると毎月約9万円でしたが、Aさん夫妻は「この快適さなら高くない」と考えていました。そして、購入を決断したのです。

数年後“人件費高騰”が管理組合を直撃した

転機が訪れたのは、入居から約6年後でした。管理組合総会で「管理費値上げ案」が議題に上がったのです。原因は、人件費の高騰でした。

特にタワーマンションでは、次のような人件費が非常に重くなります。

  • 24時間有人対応
  • 長時間受付
  • 清掃員配置
  • 警備員配置

さらに築年数が経過すると、修繕積立費+サービス維持費の両方が家計へ重くのしかかってきます。当時、管理会社からは次のような説明がありました。

「現在の管理費では、今後の人件費上昇に対応できません」

総会では住民同士の意見も割れました。

「管理費を上げてもサービス維持すべき」
「いや、そこまで使っていない」
「受付時間を短縮すればいい」
「そもそもコンシェルジュ必要?」

すると数か月後、実際に次の変更が決まりました。

  • コンシェルジュ受付時間短縮
  • 一部曜日の人員削減
  • タクシー手配サービス終了
  • 共用備品貸出縮小

しかし、それでも管理費は値上げ。結果的にAさん夫妻の毎月の負担は、約9万円から約11万円まで増えていったのです。

サービスは減ったのに負担だけ増えた現実

Aさん夫妻が特にショックを受けていたのは“お金を払っているのに便利さが減っていく”という現実でした。奥様は私にこう話していました。

「ホテルみたいな暮らしが続くと思っていたんです…」

そこへ毎月の管理費増額が重なっていったのです。実際、タワーマンションでは、住宅ローン以外の固定費が家計を圧迫するケースは少なくありません。

特に、次のような豪華共用施設やサービスの多い物件ほど、維持コストは上がりやすくなります。

  • コンシェルジュ
  • ジム
  • ラウンジ
  • 各階ゴミ置き場
  • ゲストルーム

そして厄介なのは、途中で簡単にやめられないことです。サービス縮小には住民合意が必要なため、管理組合が揉める原因にもなります。

タワマンは“10年後の維持費”まで想像する必要がある

タワーマンションは、憧れや豪華な共用施設だけで判断すると、後悔につながることがあります。特に、コンシェルジュや24時間有人管理など、人件費がかかる共用サービスは、将来的に管理費へ大きく影響しやすくなります。

購入前には、管理費の改定履歴や長期修繕計画、総会議事録、修繕積立金の推移まで確認しておくことが重要です。特に総会議事録には「管理費値上げ」「人員削減」「サービス維持が難しい」といった、表に出にくい問題が記載されているケースもあります。

タワーマンションは魅力的な住まいです。しかしその一方で、高級感を維持するためのコストが毎月発生し続ける側面もあります。

だからこそ、購入前には眺望や共用施設だけでなく「10年後も無理なく住み続けられるか」という視点まで持つことが大切です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる