1. トップ
  2. 「せっかくのGWだから!」のはずが管理組合へ苦情20件…ベランダ飲み会で孤立した30代夫婦の末路

「せっかくのGWだから!」のはずが管理組合へ苦情20件…ベランダ飲み会で孤立した30代夫婦の末路

  • 2026.5.15
undefined
出典:PhotoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

GWやお盆などの大型連休になると、久しぶりに友人や親族を自宅へ招く方も多いのではないでしょうか。特に分譲マンションでは「せっかくの連休だから」と、ベランダで食事やお酒を楽しみたくなるケースも少なくありません。

しかし実際には、“普通の会話”のつもりでも、集合住宅では想像以上に音が響きます。特に夜間のベランダは、笑い声や椅子を引く音などが周囲へ広がりやすく、思わぬ近隣トラブルへ発展することもあります。

今日は、GW中のベランダ飲み会がきっかけで管理組合への苦情が20件近くに達し、マンション内で孤立状態になってしまった30代夫婦の実例をご紹介します。

GWだけのつもりだった“ベランダ飲み会”

数年前、私が管理を担当していたファミリー向け分譲マンションでの出来事です。30代のAさん夫婦は、小学生のお子さんがいる4人家族。

購入したばかりの分譲マンションで、GW中に友人家族を招き、ベランダで食事やお酒を楽しんでいたそうです。最初は昼間だけのつもりでした。しかし「せっかくだから、もう少し飲もう」「子どもたちも楽しそうだし」という流れで、夜まで続く日が増えていきました。

本人たちは “普通に会話しているだけ”という感覚だったそうです。

ただ、マンションではここに落とし穴があります。特に夜間のベランダは、笑い声や椅子を引く音、子どもの声などが想像以上に響きやすいのです。

しかもGW期間中は在宅している住民も多く、「休みなのに眠れない」「窓を開けられない」といった不満が、少しずつ積み重なっていきました。

管理会社への苦情が20件近くに

問題が表面化したのは、GW明けでした。Aさん夫妻のもとへ、管理会社から次のような連絡が入ったのです。

「騒音に関する苦情が複数届いています」

夫妻は「え?そんなに騒いでいましたか?」と驚いたそうです。しかし実際には、苦情は1〜2件ではありませんでした。最終的には、20件近くに達していたのです。

特に多かったのは、以下のような内容でした。

  • 毎晩ベランダがうるさい
  • 子どもの声が響いて眠れない
  • 笑い声が深夜まで続いている

さらに、マンション掲示板や住民アプリには「非常識」「窓を閉めても聞こえる」などの匿名投稿が増加。ついには「〇階の家では?」という、事実上の特定に近いコメントまで出始めました。

集合住宅では、一度“迷惑な家”という印象が付くと、一気に広がります。実際、Aさん夫妻はその後「共用部で挨拶しづらくなった」と話していました。

管理組合でも議題化…“戸建て感覚”の代償

その後、一部住民からは直接注意を受けるようになります。

「夜は少し静かにしてもらえませんか」

さらに問題は、管理組合の理事会でも議題化しました。最終的には次のような管理強化まで行われる事態になったのです。

  • ベランダ利用マナーの周知
  • 夜間騒音への注意文配布
  • 長時間利用の自粛要請
  • 掲示板での注意喚起

Aさん夫妻は後に「戸建て感覚で考えていた」と話していました。

実は、マンションのベランダは専用使用部分(その部屋の人が優先的に使える場所)ではありますが、完全なプライベート空間ではありません。避難経路としての役割もあり、規約で利用方法が制限されているケースも多くあります。

さらに集合住宅では、音が外へ漏れる前提で生活する意識が重要です。特に夜間は、普通の会話でも騒音として受け取られやすいのです。

「受忍限度」という考え方を知っておく

こうしたトラブルでは「多少の生活音はお互い様では?」という声もあります。実際、騒音トラブルの法的な目安として「受忍限度(じゅにんげんど)」という基準があります。

簡単にいうと「共同生活では、ある程度の音は互いに我慢する必要がある」という考え方です。例えば、次のような音です。

  • 通常の足音
  • 生活に必要な開閉音
  • 短時間の子どもの声

こうした生活音は、一定範囲であれば完全になくすことは難しいとされています。一方で、問題になりやすいのは次のようなケースです。

  • 夜間の騒音
  • 長時間続く音
  • 継続的な話し声
  • 複数人での飲み会
  • ベランダでの大声

特にベランダは、音が遠くまで抜けやすく、上下左右だけでなく斜め方向にも響きます。つまり「自分たちは普通に会話しているだけ」という感覚でも、受け取る側は“騒音”と感じるケースが十分あり得るのです。

同じ失敗を防ぐために重要なこと

マンションでは「GWだけだから」という油断が、長期的な近隣関係悪化につながることがあります。特に大型連休は、在宅率が上がり、窓を開ける家庭も増えるため、音トラブルが起きやすくなります。

だからこそ、事前に次の行動を意識することが重要です。

  • 夜間のベランダ利用は短時間にする
  • 21時以降は屋外での会話を控える
  • 椅子を引きずらないよう配慮する
  • 子どもを長時間騒がせない
  • 近隣へ事前に一言伝える
  • 管理規約を確認する

実際、不動産の現場では、最初の一言だけでトラブルを防げるケースもあります。集合住宅では、“自宅の中だけ”で生活しているわけではありません。

周囲への配慮を持てるかどうか。その意識の差が、長く続く住みやすさを左右するのです。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる