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「内装は新築同様だったのに…」入居3か月の5月、洗面所の床から立ち上る“嫌な臭い”の正体【一級建築士は見た】

  • 2026.5.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「最初は気のせいかと思ったんです。でも日に日に強くなって、家族全員が気づくレベルになりました」

そう話すのは、築22年・木造2階建ての中古戸建てを約3,800万円で購入したAさん(30代夫婦・子ども2人)です。フルリノベーション済みで、キッチン・浴室・洗面所もすべて新しく交換されていました。内見の段階では不安を感じなかったといいます。

ところがGW前後から、洗面所の床付近に下水のような臭いが漂うようになりました。最初は排水口の汚れかと思って掃除しましたが改善せず、気温や湿度が上がるにつれて、さらに臭いが強くなっていきました。

「水回りの設備」を新しくしても、「配管」は古いまま

中古住宅のリノベーションで新しくなるのは、キッチンや洗面台、浴室など、目に見える設備が中心です。一方で、その下や壁の中を通っている給排水管は既存のまま、ということも少なくありません。

そのため、内装がきれいでも、水回りの臭いが後から出てくることがあります。原因はひとつではなく、排水管の接続部の劣化、排水トラップの不具合、通気の問題、配管内の汚れなど、いくつかの要因が重なることもあります。

5月ごろに臭いが目立ちやすくなる

水回りの臭いは、冬には気にならなかったものが、暖かくなってから意識されやすくなります。気温や湿度が上がる時期は、排水回りの空気のこもり方や臭いの感じ方が変わりやすく、これまで見過ごしていた問題に気づきやすくなるためです。

Aさんのケースでも、業者の調査の結果、洗面所の排水管接続部の劣化が主な原因のひとつとみられました。わずかな隙間から臭気が上がり、床下も部分的に湿気がこもりやすい状態だったそうです。

Aさん夫婦はどう対応したのか

業者による点検の後、Aさん夫婦は早速対応を進めました。

まず、洗面所とキッチンの排水管接続部のパッキン交換と配管回りのシーリング補修で約8万円。さらに、排水管の劣化具合を確認するために、配管内部のカメラ調査(約5万円)も実施しました。

「リフォーム済みという言葉に安心して、配管のことまで考えていなかった」とAさんは振り返ります。今後10年以内に給排水管の本格的な更新が必要になる可能性が高いため、計画的に予算を確保していくことにしたといいます。

中古住宅では「水の出口」と「床下の状態」も見ておきたい

中古住宅を購入する際は、見た目のきれいさや設備の新しさだけでなく、配管や床下の状態にも目を向けたいところです。

・給排水管の更新履歴:いつ・どの範囲で配管が交換されたかを書類で確認
・水回りの下水臭:キッチン・洗面所・浴室・トイレで下水のような臭いがしないか
・配管接続部の目視:シンク下や洗面台下の収納を開け、配管接続部に水染みや錆がないか
・床下換気口の有無と位置:外周をぐるりと歩いて換気口(基礎パッキンの場合は換気スリット)が塞がれていないか確認
・水回りの床のフワつき:漏水のサインがないか足裏で踏んで確認する

こうした確認は、購入前の大きなヒントになります。

加えて、契約前に専門家による建物の状態調査(インスペクション)を依頼することをおすすめします。配管内部のカメラ調査までは行わないことが多いですが、目視範囲での劣化サインは把握できます。

「中古+リノベ」が合う人もいる

ここまで配管リスクを中心に見てきましたが、中古住宅のリノベーション物件には魅力もあります。新築では予算的に難しいエリアや広さを選びやすく、内装が整った状態で暮らし始められるのは大きな利点です。

ただし、内装が新しくなっていても、建物のすべてが同じタイミングで更新されているとは限りません。だからこそ、配管や床下、通風といった「見えにくい部分」も客観的に確認しておくことが、入居後のトラブルを減らすポイントになりそうです。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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