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「GPSを持たせ忘れた日、小1娘が行方不明になりました」たった一度の油断が招いた、“悪夢の2時間”

  • 2026.4.26

「GPSがあれば、大丈夫」と思っていたのに

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小学校への入学。それは、わが子の成長を誇らしく思うと同時に、その手が少しずつ自分から離れていく寂しさを噛みしめる瞬間でもあります。ついこの間までは、「右見て、左見て、よし大丈夫!」と手を繋いで渡っていた横断歩道。けれど、これからはたった一人で登下校しなければなりません。「無事に着いたかな」「寄り道していないかな」……そんな胸のざわつきを抱えながら、多くの親御さんが「お守り」として持たせるのがGPSではないでしょうか。3人の子どもを育てながら、暮らしとお金を整えるコツを発信している高尾ママです。わが家にとっても、GPSはなくてはならない存在。長女の経験もあり、次女の入学時にも迷わず準備していました。「6年間、一度も出番がなかったね」と笑い合えるのが一番。でも、「あのとき持たせておけば……」という後悔だけは、絶対にしたくない。「これで、万が一なにかあっても大丈夫」そう信じていたはずなのに。あの日、わが家の次女は行方不明になりました。

「まさか」を招いた、重なりすぎた不運

事件が起きたのは、次女が入学して1ヵ月が過ぎたころ。学校生活にも少しずつ慣れ、親子ともに緊張の糸が緩み始めていた時期でした。そのころのわが家には、GPSの通知に合わせたルーティンが定着していました。「学校に到着しました」という通知で仕事を開始し、「出発しました」と通知がきたら、おやつの準備をする……。どこかで「なにか起こることなんて、そうそうないだろう」と高を括っていたのだと思います。しかし、魔が差すのは「いつものことが、たまたまできなかったとき」。今思えば、事件当日はあまりにも不運な条件が重なりすぎていました。次女:前日に転倒し、腕を骨折。私:当日、高熱を出して寝込んでいた。骨折した娘は、この日からランドセルではなく「リュック」で登校することに。私は朦朧とする意識の中で、末っ子の保育園準備や連絡帳の記入に追われ、朝はパニック状態でした。そして、最大のミスを犯します。ランドセルからリュックへ、GPSを入れ替えるのを忘れてしまったのです。

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「おかしい、娘が帰ってこない……」

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普段なら14時10分には帰宅する次女が、14時20分になっても帰ってきません。なかなか下がらない熱のせいで「自分が時計を見間違えているのか?」と、ぼーっとする頭で何度も確認しましたが、間違いなく時間は過ぎています。最初は「少し遅いだけかな?」「骨折した腕が不自由で、靴を履くのに時間がかかっているのかも」と、自分に言い聞かせていました。しかし、14時30分、14時35分……と時間が経つにつれて、心臓の鼓動は速くなる一方。不安に耐えかねてスマホを手に取り、アプリで居場所を確認しようとしたその瞬間、自分の失態に初めて気がついたのです。「あ、今日GPS持たせていない……」

担任の先生「学校のどこにもいません」

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「そうだ、朝のバタバタで、GPSを入れ替えるのを忘れていた」――その事実に気づいたときには、すでに14時40分。いつも娘が帰宅する時間から、30分以上が経過していました。「もしかしたら、近くで遊んでいるだけかもしれない」と、かすかな希望にすがり、私はフラフラする足で家を飛び出しました。登下校のルートを辿り、公園や近所の友だちの家の前を必死に探し回りましたが、どこにも娘の姿はありません。この日は低学年だけが早帰りの日。周囲に歩いている児童はもう一人もいませんでした。「どうしよう……学校?警察?夫?誰に連絡すればいいの?」「とりあえず学校に行かなきゃ。でも、その間に娘が帰ってきたら?」真っ白になった頭の中に、矛盾する思考がいくつも浮かんでは消えていきます。とりあえず学校まで走って向かいながら、震える手で電話をかけました。担任の先生は「校門を出るのを確認した」とのこと。念のため、校庭や学童、校内を総出で探してもらいましたが、返ってきたのは「見つからない」という言葉だけでした。「学校は確実に出ている。なら、すれ違いで帰宅しているかもしれない」一縷の望みをかけて家へ引き返します。走りながらスマホで時刻を確認すると、15時10分。「どうか、帰っていてくれ!」と、祈るような気持ちで玄関のドアを開けましたが、家の中は静まり返ったままでした。

膨らんでいく“最悪のシナリオ”

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「山か、川のほうに行ったんじゃないか?」「昨日骨折したところが痛くて、勝手に病院に行った?」「まさか、誰かに連れ去られたのでは……」最悪のことが頭をよぎり、パニック状態に。もはや、今すべき“最善の判断”ができませんでした。仕事中の夫にも共有し、もう一度学校に連絡。「一緒に校内を探して、絶対にいなかったら警察に連絡を入れよう」ということになりました。私は連絡が取れるママ友に片っ端から連絡し、「家の近所で娘を見かけていないか」「途中まで一緒に帰ってきていないか」「家のすぐ近くの公園にいないか」確認しましたが、有力な情報は一向に得られません。みなさんが「うちの近くも見てみるね!」と捜索に協力してくださるなか、気がつけば15時40分。学校の先生方は校区全域を、自治会の方々や習い事先の先生、さらには保育園の先生までが近隣を捜索してくださる、大事になっていました。気がつけば、高学年の下校時間になり、校門付近に子どもたちの姿が増えてきたころ、私は「この中に娘が混じっているかも」と再び学校へ走りました。そこで学校から一本の電話が入ります。「見つかったかもしれない!!!」と、心臓が跳ね上がりました。しかし、内容は追い打ちをかけるものでした。その電話の内容は、「娘さんともう一人、同じクラスのお友達も下校していないことが判明した」というものでした。私はもう頭の中が真っ白です。「え?二人でどこに行ったんだ?山に入って遭難した?」「二人一緒に連れ去られたんじゃ……」この時点で16時00分。いつもの下校時間から1時間50分が経過していました。「最後にもう一度家を確認して、いなかったら警察に連絡しよう」必死で自宅へ走っていたとき、私のスマホが鳴りました。小学校の教頭先生からでした。

「娘さんが見つかりました!!!!!」

その一言を聞いた瞬間、一気に力が抜け、道端にうずくまって動けなくなりました。先生方が見つけて、学校に連れて帰ってくださったとのこと。急いで迎えに行かなければ。家で待つ長女に伝えなければ。保育園で待っている三女も迎えに行かないと。協力してくれた皆さんに報告しなければ。……頭ではわかっていても、安堵で涙が止まらず、数分間は立ち上がることすらできませんでした。学校に駆けつけると、先生方に囲まれてポツンと座る娘とお友だちの姿がありました。私に気づいた瞬間、娘は「ごべんなさい~~~~!」と一気に涙が溢れ、そんな娘の姿に私はほっとして全身の力が抜けてしまいました。その後、周囲を捜索しに行ってくださっていた先生方も続々戻ってこられ、担任の先生は「見つかって本当によかった……よかった、よかった……」と、泣きながら娘たちの手を握ってくださっていました。先生方や地域の方々、ママ友たちなど、探し回ってくださった方々には感謝しかありません。

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娘たちが消えた理由は、あまりにも純粋なものでした。下校中、たまたま通りかかった幼稚園バスを見て、「私は○○幼稚園だったよ」「私は○○幼稚園!」「こんな滑り台があったんだよ」「私の幼稚園はこんな砂場があるんだよ」と話が弾んだそうです。そんな会話をしているうちに、「いつでも遊びに来てね」という卒園式での先生からの言葉を思い出し、「そうだ、いつでも遊びに来てねって言ってたから行ってみよう~」「二人で幼稚園を案内し合おう!」と意気投合してしまったとのこと。「ちょっとだけ見て帰るつもりだった」、そんな軽い気持ちだったそうです。しかし、娘が骨折していたことで普段より移動に時間がかかってしまったり、途中で休憩をしたりして、気づけば帰宅が大幅に遅れてしまっていたようです。

「まさか」は、誰にでも起こる

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あの日ほど、「まさか」という言葉を強く感じたことはありません。いつもはちゃんとGPSの確認をしている。「まっすぐ家に帰る」という約束を何度も確認している。ちゃんとしているつもりだった……。「うちは大丈夫」――そう思っていたのに、起こったのはたった一度の入れ忘れからの行方不明でした。トラブルは「いつも」が「たまたま」できなかった瞬間に忍び寄ってきます。あの“空白の2時間”は、今思い出しても胸がざわつきます。親が願うのはただ一つ。「朝、元気に送り出した子が、元気に帰ってくること」。それだけです。この事件をきっかけに、どんなに忙しくても、学校だけでなく習い事や遊びに行く際も、「GPS持った?」の一言を欠かさなくなりました。ほんの数秒の確認が、もう二度と経験したくない「あの2時間」を防いでくれるから。子どもも親も環境が変わるこの時期。「寄り道はダメだよ」と繰り返し伝えていても、子どもの好奇心は時に約束を追い越してしまいます。「うちは大丈夫」という過信を捨てて、今日もしっかりと子どもたちの背中を見守っていきましょう。

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