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シェイクスピアが結婚した8歳年上の妻・アンは悪妻? そのイメージを覆した小説『ハムネット』が映画化【レビュー】

  • 2026.4.26

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年5月号からの転載です。

©2025 FOCUS FEATURES LLC.
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文豪ウィリアム・シェイクスピアが18歳の若さで結婚した8歳年上の妻、アン(アグネス)・ハサウェイ。年齢差ゆえ? 悪妻説が根強い彼女のイメージを覆した小説が『ハムネット』だ。史実を大胆に再解釈し、英女性小説賞や全米批評家協会賞に輝くその傑作を、『ノマドランド』のオスカー監督クロエ・ジャオが映画化。16世紀のイギリスへといざなう。

1580年。郊外で子どもたちに語学を教えるウィリアムは、鷹を操る女性アグネスと出逢う。ふたりは恋におち結婚。長女が誕生し、のちに双子の長男ハムネットと次女ジュディスに恵まれる。だが成功を掴むべく、ウィリアムは単身ロンドンへ……。

誰もがその名を知りながら、多くの謎に包まれているシェイクスピアの素顔とは。不朽の名戯曲「ハムレット」はいかにして誕生したのか? アグネスとウィリアムの視点を交互に映し出しながら、その裏側に迫る。

愛と憎しみ、生と死、喜びと哀しみ、喪失と再生。多くの感情と体験を観る者に共有させ、監督は人間の脆さと強さ、想像力と創造力の尊さ、無限の可能性をスクリーンに焼きつける。

キャスト陣も抜群で、“森の魔女の娘”の野性味を体現するバックリー、筆の力で悲しみを芸術へと昇華させるウィリアム役メスカルの繊細な演技に脱帽だ。何よりエモーションをかき立てるのはハムネット役のジャコビ、劇中劇のハムレット役ノア・ジュープの兄弟配役だろう。クライマックスとなる「ハムレット」の初演シーンでは、誰もが舞台の観客の一員と化してしまうはず。神秘的な森の風景、忠実に再現されたグローブ座のセットにも心躍らずにいられない。

文:柴田メグミ

しばた・めぐみ●フリーランスライター。『韓国TVドラマガイド』『MYOJO』『CINEMA

SQUARE』などの雑誌のほか、映画情報サイト「シネマトゥデイ」にも寄稿。韓国料理、アジアンビューティに目がない。

『ハムネット』

監督:クロエ・ジャオ

出演:ジェシー・バックリー、ポール・メスカル、エミリー・ワトソン、ジョー・アルウィン

2025年イギリス 126分 配給:パルコ、ユニバーサル映画 4月10日より全国公開

●16世紀、イギリスの小さな村。森を愛し、薬草の知識に優れ、未来を読む不思議な力を宿したアグネスは、ウィリアムと結婚。やがて長女と双子の男女が誕生し、慎ましくも幸せな日々を送るが、あるとき一家に大きな不幸が降りかかる……。

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