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Netflixシリーズ『地獄に堕ちるわよ』瀧本監督「戸田恵梨香は“男前”。細木数子役は、肝が据わっていないと引き受けられない」【インタビュー・後編】

  • 2026.4.24

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「地獄に堕ちるわよ」など歯に衣着せぬ物言いで注目を集めた占い師・細木数子。著書が世界で最も売れた占い本としてギネス世界記録を樹立するなど圧倒的な人気を誇りメディアを席巻、一世を風靡した。

一方で霊感商法や裏社会との繋がりなど、当時から黒い噂も絶えなかった細木。そんな彼女の生き様を、戦後から平成にかけての時代とともに描くのがNetflixシリーズ『地獄に堕ちるわよ』だ。

本作について、監督の瀧本智行氏にインタビュー。「細木数子が好きではなかった」と語る前編、そして後編となる今回は、監督が「誰とも似ていない女優」と絶賛する主演・戸田恵梨香について伺った。

「すごく男前」戸田恵梨香が現場で見せたプロフェッショナルな姿

――戸田さんとは初めてご一緒したと思うのですが、いかがでしたか?

瀧本智行監督(以下、瀧本):すごくやりやすかったです。彼女はおそらく頭で考えるというより、全身でその役を受け止めているんだと思いますね。「頭だけで考えていたらこんな芝居はできないよな」と思うところが何度もありました。

それに本当の意味でプロフェッショナルな方だと思います。自分の中に少しでも違和感があったらそれを許さないで、ちゃんと意見をしてくれる。そしてこちらが答えたことを受けて、芝居をすぐに変化させる。それを目の当たりにしたときに「この人プロだなぁ」とすごく思いました。

――まさに職人という感じですね。

瀧本:パワーもすごいですよね。あれだけ細い体なのに、すごいエネルギーを秘めている。だからこそ感情の変化を表現するための芝居のギアが、ローからトップまで瞬時に切り替わる。役が全身に染みわたっていて自然に馴染んでいるからこそ、それを当たり前としてできるんだなとも感じました。本人がどこまで意識しているかわかりませんが、そういうタイプの女優は今あまり日本にいない。誰とも似ていない女優だと思います。

――戸田さんはかわいらしいのにどこかかっこいいイメージもあって。今のお話を聞いてまさにそういうところが“かっこいい”んだなと感じました。

瀧本:そうですね、すごく男前ですよ。人としてかっこいい。まずこの役自体、肝が据わっていないとなかなか引き受けられない役だと思うんです。僕からすると自分の娘でもおかしくない年齢差ですが、お姉さんみたいなところもあります。

「作り手として何を表現したいか」高度経済成長期を表現するためについた映画的な嘘

――本作は、戦後や高度経済成長期などさまざまな時代が描かれます。監督自身が実際に体感していない時代もあるわけですが、どのように作り上げていきましたか?

瀧本:まずは写真や映像など当時の資料に目を通して、それをどこまで再現するか考えるところからスタートします。でも実際、完全に再現するのは無理なんですよね。お金と時間がいくらあっても足りない。そこから先はどこを大事にして、どこから映画的な嘘をつくかという取捨選択をして、メインスタッフと共有します。

例えば戦後のシーンは、焼け跡の新橋なのかどこなのか……もやっとさせていますが、実際細木さんが幼少期を過ごしたのは渋谷の百軒店なので、その時点で嘘をついているわけです。完璧に再現すること以上に「我々が作り手として何を表現したいか」を優先させて作りました。

――なるほど。私は体感していない時代なのですが高度経済成長期、細木さんが銀座のママとして活躍していたときのギラギラした感じが印象に残りました。

瀧本:実際あの時代の銀座は、もっと暗いんですよ(笑)。あんなに看板が煌々と光り輝いていたわけではないんです。ただ高度経済成長期のエネルギッシュさを表現するとしたら、そういうことでしょうと。それこそ先ほどお話しした映画的な嘘です。「お客さんがそのワンカットを見た瞬間に、わぁっと思ってもらうことを(忠実な再現より)優先した方がいいんじゃないか」と話し合いながら作り上げました。

――撮影監督、美術監督の方と話し合いを重ねられたと聞きました。どんなお話をされましたか?

瀧本:僕の仕事は先ほどもお話ししましたが、スタッフ・キャストのポテンシャルを最大限に発揮してもらうことです。そのためにある程度大枠について話をして、最終的には彼らがやりたいことをやってもらいました。今回は世代の近いチームだったので、「このシーンはウォン・カーウァイでいこう」などイメージの共有はかなりスムーズにできました。そこからは僕はただ「よろしく」と言うだけで、彼ら技術者はそれを実際に落とし込むためにすごく苦労するわけです(笑)。言い方が合っているかわかりませんが、最終的にはどんどん煮詰まっていくわけだけども最初はみんな好きなことをわいわいと言っていく……その楽しさで自主映画を作っていた時代の気分になれました。

Netflixシリーズ「地獄に堕ちるわよ」

4月27日(月)よりNetflixにて世界独占配信

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