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まるでブラックホール。何者かになれる街“東京”にのみこまれた女子大生の転落【著者インタビュー】

  • 2026.4.17

【漫画】本編を読む

一度しかない人生の中で本当に大切なものとは? そんな普遍的な問いを描くのが、漫画『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』(うみの韻花/KADOKAWA)だ。

東京に憧れ、上京した主人公の美春。彼女は、東京で暮らせば自分もキラキラと輝く都会の一部になれると信じていた。ところが現実はバイト漬けの貧しい暮らしと、お金持ちの友人への嫉妬に苦しむ毎日。なぜ自分だけうまくいかないのか。やがて美春は、飲み会に参加したり男の人とごはんに行ったりするだけでお金がもらえるよ、と誘われ、ギャラ飲みにのめり込み、そして美容整形に依存していく——。

「美春は存在したかもしれないもうひとりの私」と語る作者のうみの韻花さんに、美春が体験したギャラ飲みの実態や、自身も繰り返していたという美容整形について、そして本作を通して伝えたい想いを聞いた。

——平凡だけど穏やかな日常を送っていた美春は、都会に憧れて上京します。東京へ憧れる気持ちに共感する人は多そうですね。

うみの韻花さん(以下、うみのさん):地元は何もなくて退屈だけど、平和だし、ある意味で自分を守ってくれる場所。逆に東京は、何者かになれるチャンスがあって、自分も魔法を使えるような気持ちにさせられる場所。私自身も美春と同じように田舎から上京してきたので、その時の気持ちを投影しました。

——しかし、美春は理想と現実にギャップを感じるようになり…。そんななかで「このまま東京の養分としてのみこまれそう」というセリフも飛び出しました。

うみのさん:キラキラした東京に引き寄せられたけど、いざ上京すると理想の生活とはかけ離れていて。都会って、一歩間違えると飲み込まれるブラックホールのような場所。都会と自分のギャップにもどかしさを感じていても、キラキラした世界に留まりたい、手放したくないっていう執着心を抱かせるところに、魔力や、恐ろしさを感じます。

——まさに、作中の美春の姿そのものですね。

うみのさん:私が上京した頃も、やっぱり周りと自分を比較して、どんどん劣等感が増して、落ちていって…。もともと自己肯定感が高いほうではなかったので、上京することで余計に周りとの差が気になってしまったのだと思います。

取材・文=吉田あき

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