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ダイアナ・ジェンキンスの半生 難民から資産3億ドルの実業家へ。“史上最も幸せな離婚”と不屈のサクセスストーリー

  • 2026.4.17
JC Olivera / Getty Images

億万長者の妻の人生を紐解く本連載。今回は、ボスニアの戦火を逃れ難民としてロンドンへ渡り、自身の知性で総資産3億ドルの実業家へと登り詰めたダイアナ・ジェンキンスにフォーカス。英国富豪との「史上最も幸せな離婚」や実業家としての成功、そして15歳年下のパートナーとの14年に及ぶ絆まで。逆境を糧に自らの運命を鮮やかに塗り替えてきた、彼女の華麗なる転身の軌跡を辿ります。

J. Vespa / Getty Images

ボスニア難民から、知性を武器にロンドンで再起

ダイアナ・ジェンキンス(本名サネラ・ディヤナ・カティッチ)は1971年、ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボにて、中産階級の家庭に生まれました。1992年にボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が勃発すると、包囲されつつあったサラエボから脱出。クロアチアの難民キャンプを経て、1993年に着の身着のままでロンドンへ到着した時、彼女はまだ20代前半の若さでした。

当初は英語も満足に話せず、トイレ掃除やベビーシッター、ウェイトレスとして働きながら、「生き抜くためには何でもした」と当時を振り返っています。さらにサラエボ包囲戦の終結直前、最愛の兄イルニスを戦火で失うという悲劇にも見舞われました。そんな中でも、「自分の境遇を改善する最善の道は学位の取得である」と決意。1996年からシティ大学(現ロンドン大学シティ校)に在籍し、働きながらビジネスコンピューターシステムを専攻しました。2000年に学士号を取得し、自らの手で、新たな人生の土台を築き始めたのです。

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16歳年上の英国人富豪との結婚。社交界の偏見を跳ねのけ実業家として始動

1999年、ロンドンのジムで出会った16歳年上の銀行家、ロジャー・ジェンキンスと結婚しました。当時バークレイズの重役だった彼のビジネスを献身的に支えたダイアナは、中東からの巨額資金調達でも自身のネットワークを駆使。夫が英国屈指の富豪へと登り詰める際、彼女の手腕が大きな助けとなったと言われています。しかし、当時のロンドン社交界は極めて閉鎖的で、彼女は不当な差別に直面し、夫ロジャーも心を痛めたほど。こうした経験が、後に米国へ拠点を移す一因となったようです。

自立への道を模索し、実業家としての活動を加速させたダイアナは、2009年に水着ブランドを買収。同年、自らコンセプトを手がけた機能性飲料「ニューロ」を設立し、現在もCEOとして同社を牽引しています。また、後にパートナーとなるアッシャー・モンローと音楽レーベルも創設するなど、その活躍は多岐にわたっています。一方で、亡き兄を偲ぶ財団の設立やUCLAへの多額の寄付、故郷ボスニアへの人道支援なども継続。その影響力は、今やビジネスの枠を超えて広がっています。

Dave M. Benett / Getty Images

「史上最も幸せな離婚」を経て手にしたのは、約200億円超の和解金

2011年、10年間の結婚生活を経て、ダイアナはロジャーと離婚しました。2人の間には娘エネヤと息子イニスという2人の子どもがいますが、裁判を介さず円満な合意に至ったことから、本人たちはこの別れを「史上最も幸せな離婚」と表現しています。当時「英国で最も高給取りの銀行家」と評されたロジャーは、「彼女の支えなしに今の私の成功はなかった。資産の半分を受け取るのは当然だ」と公言。ダイアナは英国史上最高額レベルとなる、推定2億5000万ドルもの和解金(当時のレートで約200億円超)を手にしたとされています。そんな元夫とは今も「親友」と呼び合うほど良好な関係を維持しているとか。

離婚後もしばらくは、マリブにある8700万ドル(約100億円)の豪邸に住み続けていたダイアナですが、2022年初頭に同物件を売却。その後はロサンゼルスのサンフェルナンド・バレーにある、1300万ドル(約14億超)の邸宅へと住まいを移しました。実業家としての確かな収入もあり、現在の彼女の純資産は3億ドル(約450億円超)に達すると報じられています。

Bravo / Getty Images

人気番組『RHOBH』での鮮烈なデビューと、家族と自身の健康のためにメディアからの撤退

2022年、ダイアナは米Bravoの人気リアリティ番組『リアル・ハウスワイフ・オブ・ビバリーヒルズ(RHOBH)』のシーズン12に新キャストとして参戦しました。マリブの豪邸やプライベートジェットを日常的に利用する規格外のライフスタイルは、番組史上「最も裕福なハウスワイフ」と称されました。番組内ではサットン・ストラックら既存キャストと真っ向から対立。「私はヴィラン(悪役)なの」などと言い放つ気の強さや、物怖じしない奔放な振る舞いは、良くも悪くも強烈なインパクトを残しました。

しかし、その出演はわずか1シーズンで幕を閉じます。2023年1月、49歳での妊娠を発表するとともに番組降板を表明しました。過去に何度も流産を経験していた彼女は、医師からハイリスク妊娠と診断され、絶対安静を命じられていたためです。自身の健康と新たな命を守るため、撮影に全力を注げないことを理由に身を引き、同年8月、次女エロディを無事出産しました。

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15歳年下のパートナーと歩む14年。4人の母として穏やかな日常へ

私生活では、2010年から15歳年下のミュージシャン、アッシャー・モンローと交際を続けており、2021年には婚約。「離婚後、独身だったのはほんの5分くらい」と本人が語るほどの運命的な出会いから14年、彼は彼女の音楽レーベルを共に担う、公私ともに不可欠なパートナーとなっています。

元夫との間の子2人を含め4人の母であるダイアナ。2020年に長女エリヤナを授かるも、その後に壮絶な流産を経験。番組『RHOBH』では、子宮温存のための4回にわたる緊急手術など、過酷な試練についても克明に明かしています。こうした困難を乗り越え、2023年8月には次女エロディが無事に誕生しました。

かつて難民としてすべてを失った境遇から、知性と決断で愛と富を掴んだダイアナ。現在は婚約者や子どもたちとの時間を最優先にする、穏やかで自立した日々を過ごしています。

Text: Kaori Takeuchi
Photo: Getty Images, Courtesy of Instagram

※この記事は2026年4月17日時点のものです。

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