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「収入がない自分には価値がない」自分から専業主婦になったのに、つらい。10年後、待っていたのは

  • 2026.4.18

人生には、未来を大きく左右する重大な岐路が何度か訪れます。しかし、自分が選択したことが正解だったかどうかは、そこから長い時間がたってみないと分からないものです。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。

画像: 「収入がない自分には価値がない」自分から専業主婦になったのに、つらい。10年後、待っていたのは

”名前を失った”日々

私は出産を機に仕事を辞め、夫の転勤についていく形で専業主婦になりました。

本当は続けたかった大好きな仕事、ここまで積み上げてきたキャリア。
自分で決めた選択でしたが、それらをすべて手放したことで私は「奥さん」や「ママ」という記号だけで呼ばれ、なんだか名前を失ったような気がしたものです。

スーパーでスーツ姿の凛とした女性を見るたび、くたびれた格好でレジ袋を提げた自分を惨めに思い、「あの人は仕事があるんだ、いいなぁ」「それに比べて、私は何をしているんだろう」と胸が締めつけられたのを覚えています。

取り残された恐怖

“収入がない自分には価値がない”
──今思えば、当時はそんな極端な考えに縛られていました。

夫からの「お疲れ様」という労りの言葉さえ素直に受け取れず、「養われている身なんだから当然だよ」と心の中で毒を吐く日々。

家事や育児に追われながらも、ふとした瞬間に孤独が押し寄せ、自分だけが社会から取り残されているような感覚に何度も心が揺れました。

10年後に見えた景色

それから10年以上経ち、子どもが成長して私は再び社会で働き始めました。すると、やっと見える景色が変わりました。

予測不能な育児で培った忍耐力、限られた予算をやりくりする管理能力、そして人の心の機微を察する力。
それらは知らず知らずのうちに、どんなビジネススキルにも負けない「自分だけの底力」になっていたのです。

専業主婦として過ごした時間は、決して空白ではなかった……。
主婦や子育ての経験が、職場での判断力や対人スキルとして確実に活きていると実感しました。

過去の自分を抱き締めて

今なら、あの頃の自分にこう伝えたいです。

「あなたは無価値どころか、人生で一番過酷で尊い『自分磨き』をしていたのよ。一筋縄ではいかない家族という組織を、限られた時間と資金で回し続ける、それは立派に自分の人生を経営することと同じなのだから」と。

今の頑張りは、形を変えて必ず未来の自分を支えてくれる糧になります。
そう考えると、今の自分を卑下する時間が勿体なく思えてきますよね。

どんな選択も決して無駄にはならないもの。
そう思えるようになった今、私はようやく過去の自分を優しく受け入れられた気がしています。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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