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歯科医「避けた方がよい」→かえって『虫歯』のリスクを高めている…ガムを噛むときに“注意すべきポイント”とは?

  • 2026.5.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「口が乾くから、とりあえずガムを噛んでおこう」そんな習慣をお持ちの方はいませんか?

手軽なドライマウス対策として定番のガムですが、実はその効果や使い方には注意が必要です。「噛めば大丈夫」と過信して、乾きの本当の原因を見逃してしまっているかもしれません。

今回は、ドライマウスとガムの正しい付き合い方、そしてガムに頼りすぎない日常のセルフケアについて、歯科医の専門的な見解をもとに詳しく解説します。健やかなお口の状態を保つために、ぜひ今日からできることを見つけてみてください。

ガムはドライマウス対策になる?「噛む効果」と「見落としがちなリスク」

---口の乾きを感じたとき、ガムを噛むのは有効な対策なのでしょうか?

鷹巣 多紀さん:

「『口が乾くからガムを噛もう』という発想自体は、実はそこまで間違っていません。

噛む動作や味の刺激は、脳を通じて唾液腺に『唾液を出して』と指令を送る仕組みがあるため、短い時間であれば口の中がうるおう感覚を得られることもあります。

ただ、気をつけていただきたいのが『ガムを噛んでいるから安心』と思って、乾きの本当の原因を見過ごしてしまうケースです。ドライマウスの原因はとても幅広く、お薬の副作用やストレス、口呼吸のクセ、糖尿病やシェーグレン症候群といった全身の病気などが挙げられます。なかでも多いのが、ストレスで交感神経が優位になり唾液の分泌が減るパターンや、口呼吸による水分の蒸発です。

ガムそのものが唾液腺を傷つけるというよりも、『噛む刺激でその場しのぎをしているうちに、本当の原因が放置されてしまう』ことが一番の問題なのです。口の乾きがずっと続く・舌がヒリヒリする・急にむし歯が増えた・目も乾く・お薬を飲み始めてから気になるようになった、こうしたサインがあるときは、一度歯科や内科で原因を確認してもらうと安心です。」

実は逆効果?ガム選びと「噛み過ぎ」が引き起こすトラブル

---ガムを噛む際に、特に注意すべきポイントはありますか?

鷹巣 多紀さん:

「まず見落としがちなのが、ガムの種類です。

砂糖入りのガムや酸味が強い製品を頻繁に噛んでいると、乾燥して自浄作用が弱まったお口の中では、かえってむし歯や歯の表面が溶けるリスクが高まります。また、長い時間や高い頻度で噛み続けることも注意が必要です。

顎の筋肉や顎関節は、本来食事のときに使うものです。それ以外の時間もずっと噛み続けていると筋肉が疲労し、研究でも40〜60分ほどで疲労感が出ることがわかっています。顎関節症の予防の観点からも、過剰に噛む習慣は避けた方がよいとされています。

さらに、ストレスが強い方では、ガムを噛む行為がリラックスではなく、無意識の食いしばりや噛みしめの延長になっていることがあります。こうなると、口の乾きに加えて顎のだるさや頭痛、歯のすり減りなど、別のトラブルにつながりかねません。選ぶなら『無糖タイプ』、噛む時間は『短め』、そして『顎に違和感や痛みが出たらすぐにやめる』。これが基本のルールです。」

ガムに頼らずうるおす!日常生活でできるドライマウス改善術

---ガム以外で、日常的に取り組めるドライマウスの対策はありますか?

鷹巣 多紀さん:

「ガムに頼らなくても、暮らしの中でできることはたくさんあります。まずは、こまめな水分補給です。一度にたくさん飲むよりも、日中にちょこちょこと少量の水を口に含むようにすると、粘膜がうるおいやすくなります。カフェインやアルコール、喫煙は乾きを悪化させやすいので、気になる時期は控えめにしてみてください。

夜寝ているときの乾きには、寝室の加湿や鼻づまりのケア、日中から唇を閉じて鼻呼吸を意識することも効果的です。また、『唾液腺マッサージ』もおすすめです。耳たぶの少し前をなでる『耳下腺マッサージ』、あごの骨の内側を押す『顎下腺マッサージ』、あご中央の柔らかい部分を上に押す『舌下腺マッサージ』の3つがあり、お風呂などで心地よく行うと唾液が出やすくなります。

食事でもしっかり噛むことを意識し、『パ・タ・カ・ラ』の発音練習やほっぺを膨らませる体操も有効です。これらを続けても改善しない場合は、おひとりで抱え込まず歯科医院にご相談ください。ドライマウスは全身の病気のサインであることもあるため、専門家のチェックを受けることが一番の近道です。」

お口の乾きは全身のサイン。生活習慣の見直しから始めよう

今回の取材を通じて分かったのは、ガムはあくまで「一時的な刺激」であり、ドライマウスを根本から治す手段ではないということです。むしろ、自己判断でガムに頼りすぎると、顎への負担やむし歯リスクといった新たな問題を生む可能性もあります。

ドライマウスの背景には、ストレスや鼻呼吸、生活習慣といった身体からのSOSが隠れているかもしれません。「ガムがあれば大丈夫」と安心するのではなく、まずはこまめな水分補給や唾液腺マッサージなど、今日からできるケアを取り入れてみましょう。それでも乾きが続くなら、それは専門家に相談すべきタイミングです。お口の健康を守るために、まずはご自身の生活習慣を少しずつ見直すことから始めてみませんか。


監修者:鷹巣 多紀
歯科口腔外科で初期研修後、一般歯科にて勤務。現在は子育てをしながらママさん歯科医として奮闘しています。
歯科医師ママkiki|note :https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw

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