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朝ごはんを“和食”に変えた50代女性→数ヶ月経っても「体重が全然落ちない…」管理栄養士に相談すると、発覚した“意外な原因”

  • 2026.5.8
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!管理栄養士の工藤まりえです。

健康とダイエットのために、和食中心の朝食に切り替えたのに、体重が思うように変わらないケースは少なくありません。

ごはんに味噌汁、焼き魚といった一見バランスの取れた食事内容。話を聞く限り、以前よりも“整っている”印象でしたが、それでも結果が出ない背景には、「和食=ヘルシー」というイメージだけでは見落としてしまうポイントが隠れていました。

和食=ヘルシー=太らないという認識にとらわれず、食材の「組み合わせ」に目を向けることの重要性を、管理栄養士としての相談事例をもとに解説します。

整えているのに痩せない——和朝食に変えたKさんの違和感 

「健康とダイエットのために朝食を和食に変えたのに、体重が全然落ちないんです」

そう話してくれたのは、50歳女性のKさん(仮名)。以前はパンとコーヒーだけで済ませることが多かったそうですが、健康とダイエットを意識してジムに入会したことをきっかけに、食事内容も見直し、ごはん・味噌汁・焼き魚の“和定食スタイル”に切り替えました。

内容を聞く限り、主食・主菜・副菜がそろい、むしろ理想的な朝食に近い印象です。実際、ご本人も「ちゃんと整えている」という実感がありました。

それでも数ヶ月間結果が出ないことに違和感を感じ、食事相談を申し込んでくださいました。食事記録を見せていただくと、確かに大きな乱れはありません。間食も控えめで、夜遅い食事もなし。一見すると、体重が落ちない理由が見当たらないのです。

Kさん自身も、「何がいけないのか分からない」と戸惑っていました。和食に切り替えたことで安心感が生まれ、「これで大丈夫なはず」という前提があったからこそ、原因に気づきにくくなっていたのです。

和食でも落ちない理由——見落とされがちな「塩分」と「重なり」 

こういうケース、実は少なくありません。和食に切り替えたことで食事の質は上がっているのに、体重の変化が出にくい。

ここには様々な理由が隠れているのですが、Kさんの記録を詳しく見ていくと、今回の背景にあったのは「塩分」と「食材の重なり」でした。

例えば朝食は、ごはんに味噌汁、焼き魚、そして納豆や冷ややっこといった組み合わせ。どれも健康的な食品ですが、和食は調味料に塩分が多くなりやすい特徴があります。WHOは食塩摂取量を1日5g未満に抑えることを推奨していますが、日本の一般的な和定食は、1食で2〜3g程度の塩分になることも珍しくありません。朝食だけでこの量になると、1日トータルでは基準を大きく上回りやすくなります。 

塩分が多いと体は水分を溜め込みやすくなり、一時的に体重が落ちにくく見える状態をつくります。いわゆる“むくみ”です。

さらにもう一つのポイントが、大豆製品の重なりです。味噌、納豆、豆腐と、無意識のうちに同じ原料の食品が一食の中でいくつも登場していました。大豆製品は良質なたんぱく源ですが、同時にイソフラボンを多く含む食品でもあります。食品安全委員会は、サプリメントなどを含めたイソフラボンの1日上限量の目安を示しており、通常の食事であっても、複数の大豆製品を重ねることで摂取量が増えやすくなります。「体にいいから」と意識せずに重ねてしまうと、結果的に過剰摂取に近づく可能性がある点は見落とされがちです。 

つまり問題は、特定の食品ではなく“組み合わせ方”。Kさんの場合も、ひとつひとつは正しい選択でしたが、その積み重ねが結果に影響していたのです。

“やめる”ではなく“整える”——和朝食との付き合い方 

では、Kさんの朝食は何を変えればよかったのでしょうか。結論から言うと、「和食をやめる」必要はありません。見直すべきは、“組み合わせ”と“重なり方”です。

まずは塩分の見直しから。 ご夫婦そろって50代ということもあり、血圧対策としても意欲的に取り組んでくださいました。

毎食摂っているという味噌汁は、具だくさんにして汁の量を減らし、焼き魚には大根おろしを添えて食物繊維やビタミンをプラスし、醤油は使わないようにしました。

副菜の工夫もポイントです。例えばほうれん草はお浸しにすると調味料分の塩分が加わるため、そのままでも食べやすいブロッコリーに変更。こうした置き換えで、無理なく1食あたりの塩分を抑えていきます。むくみが軽減されると、体重の“見え方”も変わりやすくなります。

次に、大豆製品は「1食1品まで」を目安に整理しました。味噌汁に豆腐を入れた日は納豆は外す、納豆を食べる日は冷ややっこは控える、といった具合です。イソフラボンは日常の食事から適度に摂る分には問題ありませんが、“重ねている自覚がない状態”を避けることがポイントです。

さらに、たんぱく質源を分散させることも意識しました。卵や鶏肉、乳製品なども取り入れることで、栄養の偏りを防ぎつつ満足感も保ちやすくなります。

こうして整えていくと、Kさんの体重は少しずつ変化を見せ始めました。「ちゃんとやっているのに結果が出ない」と感じたときこそ、必要なのは我慢ではなく視点の調整です。和食=ヘルシーというイメージに頼るのではなく、組み合わせにまで目を向けること。それが、無理なく続く整え方につながっていきます。


※食事による健康効果や体重の変化には個人差があります。持病がある方や食事制限が必要な方は、必ず主治医や専門家にご相談ください。

監修者:工藤まりえ
大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。 

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