1. トップ
  2. 「少し休めば治る」連休明けのだるさを放置→休職に追い込まれた50代男性…医師に相談したところ、明かされた“驚きの原因”

「少し休めば治る」連休明けのだるさを放置→休職に追い込まれた50代男性…医師に相談したところ、明かされた“驚きの原因”

  • 2026.5.7
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです

「五月病かもしれない。少し休めば元の気力を取り戻せるはずだ」。

連休明け、50代の営業職Tさんは、鉛のように重い体を奮い立たせて出社していました。

しかし、気力は戻らず仕事でのミスが続発しました。五月病だと自己判断して精神論で耐え続けた結果、休職に追い込まれました。

しかし、医師に相談したところ、原因は男性更年期と明かされました。

現在は復職の目処も立たず、一日中ベッドから起き上がれない暗闇の日常に後悔を募らせています。皆様こんにちは。働き盛りの男性の不調と日々向き合う専門医が解説します。

「更年期は女性だけ」という誤解、ホルモン低下が招く心身の崩壊

更年期障害と聞くと女性特有のものと思われがちですが、男性にもよく似た症状が存在します。休んでも取れない強烈な疲労感は、精神力の問題ではないかもしれません。加齢や過度なストレスによって、テストステロン(男性ホルモン)が著しく低下することで引き起こされる「LOH症候群」、いわゆる男性更年期が原因です。

【ホルモン低下が心身を破壊するフロー】
・ホルモンの減少:ストレスや加齢により、テストステロンの分泌量が著しく不足する。
・症状の出現:精神症状(集中力低下、不眠)、身体症状(筋力低下、発汗)、性機能障害(EDなど)が身体を襲う。
・脳のパニック:ホルモンバランスが崩れ、自律神経や感情のコントロール機能が誤作動を起こす。
・負の連鎖:放置すると、うつ、認知機能の低下、心血管疾患、糖尿病の重大な危険因子となる。

「ただの疲れ」とうつ病、そして男性更年期の境界線

気分の落ち込みを感じても、「少し休めば治る」と様子を見てしまうのは誰しも心当たりがあることでしょう。
テストステロンは日々の活力や意欲を生み出すガソリンのようなものです。このガソリンが不足している状態で、気合だけでエンジンを回そうとすれば、心身は完全に焼き切れてしまいます。

男性更年期の概念がまだ広く知られていないためか、この病気で外来を受診する患者さんの約40%は、すでに精神科の受診歴があることが分かっています。
うつ病と男性更年期は併存することも多く、精神科の治療でうつ症状が改善しない場合、背景にホルモンの著しい低下が隠れている可能性があります。
理由のない強烈な疲労感や性欲の低下が先行する場合は、気の持ちようではなく病気の影響かもしれません。うつ病と男性更年期を正しくリンクさせ、どちらかに心当たりがある段階で早めに対応することこそが大切なのです。

手遅れになる前に、確認すべき3つのサイン

ただの五月病やうつだと誤認して心身を限界まで痛めつけないよう、LOH症候群が発する危険なサインを見逃さない配慮が必要です。

1.性欲の低下、朝立ち(早朝勃起)の回数が明らかに減った

テストステロン低下に伴って現れる、最も目立った初期のサインです。

2.新聞やテレビを見る気力が湧かず、夕食後にうたた寝をしてしまう

単なる疲労ではなく、脳に活力を与えるホルモンが不足している危険な警告かもしれません。

3.些細なことでイライラし、理由もなく急に汗をかいたりほてったりする

自律神経のコントロールが効かなくなっている可能性があります。

まとめ

年齢とともに身体は変化していくものです。これは日々誰もが感じ、理解していることです。
しかし、普段通りの暮らしをしている中で、不意に訪れる精神面での不調を気のせいと考えてしまうことは無理もないことです。
数日休んでも良くならない場合などは、泌尿器科やメンズヘルス外来を受診してみましょう。LOH症候群の場合、血液検査でホルモンの数値を測定し、不足しているホルモンを適切に補充することで、失われた気力や身体の機能を取り戻せる可能性は十分にあります。
元気な毎日を守るため、ホルモンという身体的な不調を、単なる気の持ちようによる精神的な不調として、見過ごさないでください。ぜひ「男性更年期」を頭の片隅に置いておいてください。


監修者・執筆:松岡 雄治

総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など

の記事をもっとみる