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シーズン佳境のB1が熱い!三遠ネオフェニックスがアルバルク東京を破って連勝更新。ワイルドカード圏内に迫るチームにルーキーの成長あり【Pick Up B.LEAGUE】

  • 2026.4.3

B1はレギュラーシーズンが佳境を迎えた。3月28日の第27節から5月3日の第36節まで、残すところあと16試合。年間王者決定を決める「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2025-26」には、26チーム中わずか8チームしか出場できない狭き門だ。
ポストシーズンには東西の地区上位2チームに加え、4枠のワイルドカード(WC)争いも熾烈を極めている。第27節では、そのWC進出を狙う三遠ネオフェニックスがアウェーでアルバルク東京に2連勝。終盤戦に向けて、強烈な追い上げを印象づけた。

チャンピオンシップへどうやったら出場できるのか

10年目のB1チャンピオンを決める舞台へ、どのチームが挑戦権をつかむのか。まずは出場までの道のりを整理しておきたい。

5月7日のクォーターファイナルで幕を開ける「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2025-26」(以下、CS)には、26チームのうちわずか8チームしか進出できない。2016-17シーズンにB1が18チームだった頃から出場枠は変わっておらず、その狭き門ぶりは際立っている。

出場条件はシンプルだ。東地区・西地区それぞれの上位2チームが自動的に進出し、残る4枠はワイルドカード(WC)として、22チームの中から上位の4チームがCSへ進出できる。順位は勝率で決まり、順位が並んだ場合は当該クラブ間の対戦した対戦成績、さらに得失点差や平均得点などで決定される。

例年、8強争いは最終節までもつれ込むことが多く、最後まで目が離せない展開が続く。

CSは2戦先勝方式で行われ、クォーターファイナルとセミファイナルはレギュラーシーズン上位チームのホームで開催。ファイナルは5月23日から横浜アリーナで行われる。

第26節(3/15)終了時点では、東地区は宇都宮ブレックスと千葉ジェッツ。西地区は長崎ヴェルカと名古屋ダイヤモンドドルフィンズが上位をキープ。WC争いは至って依然として混戦で、4枠を巡って複数チームが可能性を残していた。

なかでも第27節では、WC圏内のアルバルク東京(東地区3位)と、WC圏内を目指す三遠ネオフェニックス(西地区6位)の対戦は明暗が分かれる結果となった。

全席完売のトヨタアリーナ!三遠がアウェーでA東京を撃破

アルバルク東京と、三遠ネオフェニックスが対戦した3月28日の第27節 GAME1。会場のトヨタアリーナ東京は試合前に全席完売となり、チームのマスコット「ルーク」も会場を盛り上げた。両チームとも赤を基調とするカラーとあって、9,000人を超える観客で埋まったアリーナは、赤く、熱気に包まれていた。

画像: アルバルク東京のマスコット「ルーク」

試合も1クォーターからA東京が主導権を握る。大黒柱のライアン・ロシターをケガで欠く中、この日は司令塔のテーブス海(#3 /188cm/PG)がゲームをコントロール。セバスチャン・サイズ(#11/205cm/C・PF)がゴール下で存在感を示し、3月から戦線復帰したブランドン・デイヴィス(#0/208cm /C)も3ポイントを2本沈めるなど攻撃が機能する。

画像: テーブス海(#3 /188cm/PG)

24-23で2クォーターに入ってもチームでボールがよく回った。デイヴィスやサイズがペイントエリアで活躍し、残り4分を切るとマーカス・フォスター(#17/188cm/SG)の速攻などからの得点で流れをぐっと引き寄せ、51-46とリードして後半へ折り返した。

しかし、3クォーターに入ると三遠が反撃。一時は10点差をつけられるも、ディフェンスをマンツーマンからゾーンに切り替えると流れが一変する。佐々木隆成(#24/180cm/PG・SG)がペースを上げ、吉井裕鷹(#10/196cm/SF)のドライブ、リバウンドを拾ったデイビッド・ヌワバ(#2 / 196cm / SG・SF)からのヤンテ・メイテン(#1/201cm/PF)がダンクで叩き込み、67-67の同点に追いついた。

画像: ヤンテ・メイテン(#1/201cm/PF)

勝負の4クォーターも拮抗した展開が続いたが、主導権を握ったのは三遠だった。ゾーンディフェンスでA東京の攻撃を抑えると、ルーキーの根本大(#20/180cm/PG)が勝ち越しの3ポイントショットを沈める。さらに大浦颯太(#5/182cm/PG)の長距離砲も決まり、終盤にかけてリードを拡大。テーブスをコートに戻して逆転を狙うA東京に対しても、三遠は最後まで守り切り、83-93で勝利を収めた。

毎試合がトーナメント。三遠・佐々木「取りこぼしのできない試合が続く」

GAME1を制し、大野篤史ヘッドコーチ(HC)は、前半について「闘争心があって良かった」と振り返りつつも「目の前の相手を倒したいという思いが強すぎて」チームショットが打てず、ミスや速攻を許したと指摘。それでも後半は「チームショットを打ちつつ、ディフェンスで共通理解を持って戦うことができたおかげで、しっかりとバウンスバックして、勝利をつかむことができた」と総括した。

画像: 三遠ネオフェニックス 大野篤史ヘッドコーチ

さらに勝因として挙げたのがディフェンスだ。「誰が出てもディフェンスのマインドセットが良かった。インテンシティレベルが下がらなかった」と語るように、93点のオフェンスを支えたのが“ディフェンス”だった。

これでチームは10連勝。佐々木やヌワバら主力がケガから戻り、戦力は整いつつある。大野HCは3月11日の佐賀バルーナーズ戦後、「バイウィーク明けからトーナメント戦のように戦うと選手たちに言い続けてきている」というコメントを残しているが、いまの結果はその言葉が深く浸透している証である。

画像: 佐々木隆成(#24/180cm/PG・SG)

佐々木もGAME1後「崖っぷちの状況なので、本当に1試合1試合取りこぼしのできない試合が続くので、それは本当に毎試合、マインドセットして臨みたい」と語り、緊張感の高い戦いが続く終盤戦への覚悟を口にした。

そんな中で存在感を放ったのが、ルーキーの根本だ。この日は15得点をマークし、3ポイント、2ポイント、フリースローと放ったショットはすべて成功。ディフェンスでも持ち味を発揮し、スタメンとして存在感を示した。さらに、21歳の湧川颯斗(#14/197cm/PG)とともに、若手の台頭がチームを後押ししている。

画像: 根本大(#20/180cm/PG)

佐々木も「シーズン序盤に比べれば、戦力として成長していると思います。僕も負けないぞという気持ちでやっているので、競争しつつやっていきたい」と語り、チーム内のいい競争を強調した。

三遠は翌日29日のGAME2も延長末に94-98でA東京を下し、連勝を11に更新。順位は西地区6位のままだが、WC争いでは広島ドラゴンフライズ、仙台89ERSと並ぶ位置につけ、当落線上のアルバルク東京、レバンガ北海道との差を縮めている。

この試合でも根本は15得点を躍動。大野HCはチームのホームページを通じ「自分たちにモメンタムを持ってきたのが、根本選手と湧川選手でした。彼らも苦しい時期を過ごして、試合を通じて色々な経験をして、自分たちの中で答えを見つけようと努力した結果だと思います。特に根本選手は、今節とても良いパフォーマンスをしてくれました。試合中に自分たちの勢いがある時もない時もある中で、勢いがない時に私がもう少し早くカバレッジを変えたり、ディフェンスをチェンジしたりしなければいけなかったですし、オーバータイムになってしまった場面もスイッチするべきでした。選手たちに何かというよりも、自分の反省が多い試合だったと思います」と、コメントを残している。

リーグ戦4連敗のA東京。思い出される「このアリーナに優勝フラッグを」

一方のアルバルク東京は今節2連敗を喫し、リーグ戦は4試合白星なし。それでもロシターを欠く中で、EASLや三遠戦でも接戦を演じており、チームとしての地力は示している。

デイヴィスや中村浩陸の復帰というプラス材料もある中、デイニアス・アドマイティスHCはGAME1後、「ケガ人が帰ってきて、ローテーションが以前とは少し変わりましたし、選手の役割も微妙に変わっています。そういった部分でアジャストする必要を感じております」と現状を分析。「オフェンスでスコアできなかったため、ディフェンスに影響してしまうというところであります。このギャップをいかにコンスタントに縮めて、安定した試合の流れを40分間できるように心がけて、次の試合に挑みたい」と話し、前を向いていた。

画像: アルバルク東京 デイニアス・アドマイティス ヘッドコーチ

今季は開幕から負傷者が相次いだ。それでもCS圏内に浮上し、1月の天皇杯ではシーホース三河を破って14大会ぶり3度目の優勝。どんな状況でも勝機を見出せるチームであることは照明している。

だからこそ、再び訪れた逆境で思い出されるのが、昨年11月15日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦(58-79で敗戦)後に安藤周人が残した言葉だ。もがき苦しんだ先にこそ、ホームで戦うチャンピオンシップの道が開ける。

「たくさんケガ人が出ていますけど、それでもこのアリーナに優勝フラッグを持ってこないといけない。そういう責任感を選手たち全員が(改めて)持たないといけないと思うし、アリーナを作ってくれた方たちに優勝フラッグを持って帰って来てこそ、感謝の思いを伝えられると思います。だからこそシーズン中は波がありますけど、1試合も無駄にはできません」

他会場の結果

チャンピオンシップ争いと並行して、地区優勝争いも白熱している第27節。

東地区では首位の宇都宮ブレックスがレバンガ北海道と1勝1敗。足踏みとなったものの、地区優勝マジックは12となった。2位の千葉ジェッツはアルティーリ千葉との初の“千葉ダービー”で、GAME1に勝利したが、GAME2は土壇場で決勝点を許し、連勝とはならなかった。

西地区では長崎ヴェルカが仙台89ERSに2連勝し、地区優勝マジックを12に。2位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズは群馬クレインサンダーズにホームで2連敗を喫し、首位との差は2ゲームに広がっている。

【結果】B1 第27節(2026年3月28日 / 3月29日)

・横浜BC 78-70 越谷 / 横浜BC 96-93 越谷
・北海道 99-104 宇都宮 / 北海道 108-89 宇都宮
・A千葉 71-88 千葉J / A千葉 70-69 千葉J
・広島 88-92 大阪 / 広島 94-79 大阪
・富山 64-89 滋賀 / 富山 71-79 滋賀
・FE名古屋 78-84 島根 / FE名古屋 79-77 島根
・秋田 91-80 京都 / 秋田 63-86 京都
・佐賀 80-83 茨城 / 佐賀 90-86 茨城
・三河 75-60 川崎 / 三河 84-72 川崎
・名古屋D 79-88 群馬 / 名古屋D 74-78 群馬
・長崎 99-94 仙台 / 長崎 88-75 仙台
・A東京 83-93 三遠 / A東京 94-98 三遠
・SR渋谷 85-90 琉球 / SR渋谷 77-83 琉球

【順位表】B1 第27節終了時点(2026年3月29日)

・CS進出ラインあり。★はワイルドカード
東地区
1位|宇都宮ブレックス|34勝12敗(.739)
2位|千葉ジェッツ|32勝14敗(.696)
-------------------------------------------CS進出ライン(地区2位以上)
3位|群馬クレインサンダーズ|30勝16敗(.652)★WC3位
4位|アルバルク東京|30勝16敗(.652)★WC4位
-------------------------------------------CS進出ライン(WCによる進出)
5位|レバンガ北海道|30勝16敗(.652)
6位|仙台89ERS|27勝19敗(.587)
7位|横浜ビー・コルセアーズ|19勝27敗(.413)
8位|サンロッカーズ渋谷|18勝28敗(.391)
9位|アルティーリ千葉|16勝30敗(.348)
10位|越谷アルファーズ|16勝30敗(.348)
11位|茨城ロボッツ|14勝32敗(.304)
12位|川崎ブレイブサンダース|12勝34敗(.261)
13位|秋田ノーザンハピネッツ|8勝38敗(.174)

西地区
1位|長崎ヴェルカ|37勝9敗(.804)
2位|名古屋ダイヤモンドドルフィンズ|35勝11敗(.761)
-------------------------------------------CS進出ライン(地区2位以上)
3位|シーホース三河|32勝14敗(.696)★WC1位
4位|琉球ゴールデンキングス|31勝15敗(.674)★WC2位
-------------------------------------------CS進出ライン(WCによる進出)
5位|広島ドラゴンフライズ|27勝19敗(.587)
6位|三遠ネオフェニックス|27勝19敗(.587)
7位|佐賀バルーナーズ|23勝23敗(.500)
8位|島根スサノオマジック|23勝23敗(.500)
9位|大阪エヴェッサ|18勝28敗(.391)
10位|滋賀レイクス|17勝29敗(.370)
11位|ファイティングイーグルス名古屋|16勝30敗(.348)
12位|京都ハンナリーズ|15勝31敗(.326)
13位|富山グラウジーズ|11勝35敗(.239)

文=大橋裕之

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