1. トップ
  2. 恋愛
  3. 故郷への想い/絶望ライン工 独身獄中記 第66回

故郷への想い/絶望ライン工 独身獄中記 第66回

  • 2026.4.1

『絶望ライン工 独身獄中記』を読む

蒲田の外にはどんな世界が広がっているのだらう。

そんなことを考えたことはありませんか。ありますよね。

蒲田の外にもちゃあんと人類は住んでいて、それは東京という都市を形作っております。

東京の北には壬生とか柏とか大田原とかよくわからん場所によくわからん人が住んでいて、さらに北へ行けば「東北」と呼ばれる日本のエンドコンテンツが存在する。

東北といえば何をイメージするだろうか。雪国、芋煮、夜這い……。

私が生まれ育った福島県も東北に内包され、18歳で脱藩するまで地獄のような日々を過ごした。

福島の学力は44都道府県で下から3番目であり、大学進学率も極端に低い。

街を歩けば喫煙者と結婚式場とパチンコ店だらけなのだから、この呪われた地で育まれし忌み子にどんな運命が待ちうけるか想像に難くない。

福島県は大きく2つのエリアに分かれ、それぞれ県政からの独立を主張している。

パチンコ風俗キャバクラ、そしてそれを統べる暴力が支配するギャングエリア、郡山。

喫煙、出来婚、陰湿なよそ者いじめ、厳しい自然環境により一度入れば一生出る事ができないプリズンエリア、会津監獄。

私は会津監獄で生まれ育ち、郡山に移監されたエリート中のエリートである。

そんなだから悪いことは何でもやった。教育機関への菓子持ち込み、ザリガニ密漁、爆竹テロ——今ではとても考えられぬ。

そんな東北だが自分にとっては大切な故郷だ、故に郷土愛のようなものが僅かながらにくすぶっている。

だが郡山はもう手遅れ。

街ごとダイナマイト爆破かなんかしてブルドーザーで片したほうがいいが、会津にはまだ再生の可能性が残されている。

滅びゆく会津を救いたい。美しく絶望的な彼の地を後世に残したいのである。

照平よ、聞け。

私が39代会津若松市長となる男であるが、婚活中につき多忙のため引き続き貴殿に委ねる。

以下に市政に関する提言を述べるので議会にて審議されたし。

提言1 会津の三泣きを撤廃せよ。

よそ者への厳しさに泣き、打ち解けた優しさに泣き、会津を去る時別れがたいと泣く。

プロパガンダとして利用されている有名な「三泣き」であるが、実態とは遠くかけ離れている。

よそ者への厳しさに泣き、会津を去る時嬉しくて泣く。

現実的なこの「二泣き」に改正することを強く求める。

提言2 いじめを厳罰化せよ。

福島の学力が日本国で最低レベルなのは「努力なんてダセーよなwwギャハハww」といった風潮にある。

勤勉な者はガリ勉のレッテルを貼られいじめを受けるケースが多いため、いじめを行った者への厳しい処罰、具体的には百敲(ひゃくたたき)・市中引廻しの上磔獄門が妥当に思う。

提言3 喫煙者を徹底的に排除せよ。

会津の喫煙率は異常である。女性はおろか中学生までもがニコチンを求め喫煙所に寄り合う始末だ。

市内でのたばこ税を10000%にして流通量を抑えた上で全ての喫煙所を粉砕することが早急に求められる。

ダイナマイトとブルドーザーだ。

提言4 映画館を建設せよ。

市内に映画館がひとつも無い状態が数十年続いているが、映像文化に触れる機会のない市民たちは皆パチンコ店に流れている。

人口11万人に対して映画館ゼロ、パチンコ店15。

これ以上会津若松の学力を下げてはならぬ、ならぬことはならぬものです。

提言5 パチンコ店を粉砕せよ。

上記に付随して市内全てのパチンコ店をすみやかに粉砕せよ。

ダイナマイト爆破かなんかしてブルドーザーで片したほうがいい。

行き場を失った市民は皆家に帰り勉学に励むだろう。

提言6 野口英世の真実を伝えよ。

偉人として妄信されている野口であるが、その実態は稀代のクズであった旨広告せよ。

緘口令の元情報操作されている現状は健全と言えぬ、何も知らない善良な市民に真実を伝えよ。

本来彼は小原庄助さんポジションなのだから、民謡「会津磐梯山」2番に登場させるべきである。

提言7 薩摩・長州との国交正常化を実現せよ。

150年前より断絶状態にある薩長との関係回復に直ちに取り組むべきである。

市内に掲示される日本地図には鹿児島・宮崎・山口の記載がなく、わが国は44都道府県とされている現状を憂慮されたし。

たしかに鹿児島の醤油は甘い。あれで刺身を食ったんじゃあ魚が可哀想だ。

塩っ辛い味噌漬けを何より好む我々に、鹿児島が歩み寄るべきとも思う。

提言8 七日町キャバクラビルを観光名所にせよ。今すぐによ。

七日町にある魅惑のバラツク街を市公認の観光施設とし、交通網を整えよ。

現状電車もバスも夜は便がなく、車で行けば酒が飲めない。

無茶苦茶訛っている会津弁キャバ嬢は我が会津若松が持つ最後の至宝である。

県外から訛りファン男性の需要も見込める、最大の産業に成り得ると考える。

それに伴い周辺の悪徳ぼったくり店を粉砕せよ。

ダイナマイト爆破かなんかしてブルドーザーで片したほうがいいんだ。

以上が会津さ良くすっだめにオレが考えたプランだ。

若松に是非来てくなんしょ。

元記事で読む
の記事をもっとみる