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「近くてすみません」大雨の日に乗ったタクシー。運転手「任せてもらっていいですか」道順を丸投げした結果

  • 2026.4.21

筆者の話です。
大雨の日、いつもと違いタクシーで通勤することになりました。
何気なく任せた道順が、思いがけない気づきにつながります。

画像: 「近くてすみません」大雨の日に乗ったタクシー。運転手「任せてもらっていいですか」道順を丸投げした結果

近くてすみません

大雨の日、いつもは原付で通勤している私は、タクシーを利用することにしました。
目的地は近く、料金も1000円に満たない距離です。
乗車時、つい口をついて出たのは「近くてすみません」という言葉でした。

運転手さんにそう伝えると「大丈夫ですよ」と気にした様子もなく出発してくれました。ワイパーが忙しなく動き、フロントガラス越しに見える景色はいつもよりぼんやりしています。
雨の日にタクシーを使うこと自体がほとんどない私にとって、その時間はどこか落ち着かないものでした。

任せた道順

走り出してすぐ「どの道からでも行けますが、任せてもらってもいいですか?」と聞かれました。
普段は決まった道しか使わないため、一瞬迷いがよぎります。

それでも「お願いします」と答えると、車は見慣れない道へと進んでいきました。
住宅街の細い道を抜け、いつもなら信号で止まる交差点もするりと通り過ぎていきます。
外の雨音とは対照的に、プロの淀みないハンドル操作に、いつの間にかどこか静かで心地よい流れを感じていました。

知らない道

気づけば、あっという間に会社へ到着していました。
「もう着いたんですか?」と思わず口に出てしまうほど、スムーズな移動でした。

その道は、これまで通ったことのないルート。
自分の知っている道こそが最短だと思い込んでいたため、最初は少し驚きました。しかし、プロが選んだ最適解は、私の固定観念の外側にあったのです。

後日、自分でも同じ道をたどってみることにしました。
すると、学生時代によく通っていたパン屋さんが、その道筋に移転しているのを見つけます。
ふと足を止め、懐かしい記憶がよみがえりました。
普段選ばない道に、懐かしい場所があったことに驚いたのです。

任せる選択

通勤は、いつも同じ道を選ぶのが当たり前でした。
時間も距離も分かっている安心感から、他の選択肢を考えることはほとんどありません。

けれど、この日をきっかけに、自分の知らない道がまだあることに気づきました。
それ以来、タクシーに乗ったときは、特にこだわりがなければ道順をお任せするようにしています。
自分では思いつかないルートを自然に選んでくれるのは、日々運転している人ならではの感覚なのだと感じたからです。

ほんの少し「自分のこだわり」を任せてみるだけで、見える景色が変わることもある。
そんな小さな発見を、期待しながら乗車しています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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