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ジェーン・バーキンに心からの敬愛を伝えた、フィガロジャポン2024年。

  • 2026.3.31

パリ生まれ東京育ちのスタイル誌『フィガロジャポン』は、2025年3月で創刊35周年。パリやパリに生きる人々の哲学から旅、ファッション、食、映画、そしてアートまでフィガロジャポンが発信してきた35年の歴史を編集長の森田聖美が当時の思い出に浸りながら、思い入れたっぷりに振り返ります。2024年に発売したすべての号をプレイバック!

2024年3月号(24年1月19日発売)573ジェーンは永遠です。

突然の死のニュースが流れた時、その直前まで来日した時の登壇イベントのことを進めていたので、本当に驚いた。かつてのパリ支局長だった村上香住子氏が、プライベートでかなりジェーンと仲がよかったので、深い悲しみに打ちひしがれたはずだ。そんななか、村上氏は自身の記憶を探り、パリに再訪してジェーンの足跡を辿り、原稿を書いてくれた。そして、フィガロジャポンも本国版マダムフィガロも、ジェーン・バーキンとの絆を大切にし、何度も過去に取材をして記事を作っていたため、それらも加え、新記事も盛り込んでこの号を完成させた。おしゃれなパリジェンヌの側面、家族を愛し、友人を大切にし、多くの恋に選ばれたジェーンの人生。担当編集者たちはそうとうな体力の限界と闘いながら、懸命につくった一冊。

2024年4月号(24年3月19日発売)574おしゃれの基本はベーシック。

かつて何度も、オーセンティックやベーシックという言葉に「新」を付け、ファッション特集を組んできた。ベーシックはおしゃれが好きな人々の好物ワードでもあると思う。そしてそれをいかに崩すかが、上級者なのだ。本質を知っていなければ、アレンジは成り立たない。再定義されたベーシックモードを巻頭に迎えた号は、ファッションに振り切った一冊だった。ほとんどファッションテーマ。ライフスタイル読み物も、ファッションデザイナーでヴィーガンの道を選んだ人々へのインタビュー。こんなふうに、モード愛を宣言するのもいいかも。

2024年5月号(24年3月19日発売)575『9時から5時までのクレオ』が着想源。

ファッション撮影はあくまでも服が主役。パリのガイドは街に風景が主役。服が主役の写真たちを、どうパリガイドの「顔」にするかは難儀だった。でも、黒が生きる服とパリという色彩がシックな街並みはアニエス・ヴァルダの映画を連想させ、街を歩く女性のフォトダイアリーのようなカバーにすることに。これが筆者が編集長になって最初の号の表紙だった。誰かの愛するパリを追体験するようにアドレスを紹介した巻頭特集。これまでのパリ取材を手がけてくれたパリのジャーナリストたちの紹介も兼ねている。サンローランのモードストーリーでは、金原ひとみ氏に掌編を書き起こしていただき、それを俳優・水川あさみ氏が朗読するという試みも。チャレンジングだった。

2024年6月号(24年4月19日発売)576プロダクトとしての雑誌。

これだけデジタル全盛だから、ずっと書棚に置いておきたいプロダクトになることを目指す雑誌でいたい。表紙周りの加工に経費はかかるけれども、「本」としての魅力を増したい想いでTWICE MOMOの姿が浮き出るような演出にした。このカットを選ぶために、社内のK-POPおじさんたちにどの写真が好きか尋ねて「目が合う」だからうれしい、と言われたカットを最終的にセレクトした。ファッションの巻頭も、「やりたいことをやろう、撮りたい写真を、したい演出で」トライした号でもある。丸山佑香氏の「ユーモアとロマンティック」は最高だ。

2024年7月号(24年5月20日発売)577熱気と湿気が写真に写る。

いつも思うのだが、撮影された場所の気候は必ず写真に表現される。今号の表紙も湿気が出てる。超人気イケメンスターのガルフが登場。街角の猫にまで優しいキュートで穏やかなキャラクター。タイに渡った取材担当編集者は2名。かたや極貧の宿泊所をなぜかとってしまい、かたやラグジュアリーステイ。なぜそんなことが起きてしまったのかよくわからないが、極彩色の街を鮮やかに切り取ってきてくれた。美容テーマはフィガロジャポンが大切にしている哲学のひとつ「100年美容」。今回は筋肉編です。

2024年8月号(24年6月20日発売)578爆発的に売れ、SEVENTEENに感謝。

表紙を2パターン作るのは、山口翼先生の漫画イラスト版以来。セブチのイケメンふたりが、占い号の表紙を飾ってくれた。フィガロジャポン編集部内で、JEONGHANとWONNOO、どっちがタイプ?なんてミーハーなハナシをしながら、渡韓スタッフも交えて懸命に作った。二人ともファッションをスタイリッシュに表現してくれた。運命について尋ねて、とても前向きに応えてくれたのが印象的だ。占いは癒しでもある。自分を知ることから始まって、その先どう扱っていくか、はすべて個々人の手に委ねられている。そんな気持ちで編集した「占いで拓く、未来。」です。

2024年9月号(24年7月20日発売)579アールドゥヴィーヴル、何とか流行らせたい。

フランス語のアールドゥヴィーヴル(暮らしの美学)をなんとかもっと世の中に浸透させたい。そんな想いが強く、「フレンチシックな暮らし」と誘い、アールドゥヴィーヴルを伝えたいと意図した号。素敵なパリジャン&パリジェンヌの生活の場の実例はもちろん、デュアルライフのすすめ、老舗テーブルウェアの解説、フラワーアレンジメントからパリの蚤の市で買いつけた商品をフィガロマルシェで販売するなど、フレンチシックな生活を存分に紹介。表紙の満島ひかり氏は何度目かの登場だ。いつも撮影スタッフと真剣に向き合い、ともにクリエイションに熱意をもって接してくれる。美しい脚を惜しげもなく披露してくれた。

2024年10月号(24年8月20日発売)580日本のエンタメ界を背負う俳優たちの登場。

カバー含めミュウミュウのファッションストーリーで長澤まさみ氏が、ジョルジオ アルマーニで土屋太鳳&片寄涼太夫妻が、シャネルで茅島みずき氏、ディオールで新木優子氏と、日本を代表する俳優陣が集ってできたファッション号。ふだん、作品のクリエイティブのために演じるのと、モデルとして服を表現するのはアプローチ方法が異なると思うが、皆さんそれぞれの方法論で、素晴らしく個性的にモデルを務めてくれた。その演技力に注目してほしい号だ。

2024年11月号(24年9月20日発売)581紙の種類もさまざまに、「本」を目指して。

プロダクトとして書棚に残ることを目指して作り、今号にいたっては4~5種の紙を用いて斤量もかえて構成。ルイーズ・ブルジョワや塩田千春氏、ヴィヴィアン・サッセンなど、女性アーティストにフォーカスしたアート特集だ。ほかに、アート旅、アートを飾る部屋実例集なども。表紙は国民的俳優の綾瀬はるか氏。ディオールを纏ってパリを歩き、アーカイブを訪れて動画撮影まで出演していただいた。ムッシュ ディオールがファッションデザイナーになる前はアートの仕事をしていたこともあり、アーカイブはその哲学が残る書庫のような空間。美容特集は、Feel Good Beauty賞を作った。100年美容と並び、Feel Goodもフィガロ美容の大事なキーワードだ。美容オタクではなく、生活ごと「心地よく」する美を目指すということ。ウカやアスレティアは国産美容ブランドだけれどそんな代表。そして久しぶりのスコットランド紀行まで。モコモコの羊が草を食むさまは、心が癒される......。

2024年12月号(24年10月19日発売)582LE SSERAFIMを表紙に迎えて。

とてもエネルギッシュで前向きな撮影となったLE SSERAFIMとの仕事。動画やさまざまなデジタルでの拡散で、ファンの方々とも協奏したいと思った号。シーズンファッションが巻頭特集の号だったが、今号はほとんどがクリエイティブ重視の撮影テーマが多くて、編集者たちも緊張しながら作った号だと思う。いまや映画『国宝』で国民的俳優となった吉沢亮氏と新木優子氏とのディオールのフレグランスアイテムのテーマも。「推し」を愛する気持ちに寄り添うことを学びながら。

2025年1月号(24年11月20日発売)583高価なものだからこそ。

時計宝飾のテーマを作る際は、工芸品としてのアプローチとファッションアクササリーとしてのアプローチ、どうバランスを取るかでいつも迷う。ハイジュエリーは芸術作品でもある。おしゃれに纏いたいと願う人にとってのジュエリーの大切さも。俳優、作家など著名人がどのように自身のジュエリー&ウォッチと暮らしているかも取材した。また、映画オタクの筆者が精魂込めて作ったシャネルの映画別冊付録も同梱。表紙の二階堂ふみ氏もシャネルを纏い、演者としてさまざまな感情を表現していただいた。これで4回目となるBusiness With Attitudeのテーマは「新しいスタンダードを創る女性たち」。フェミニニティとエネルギーを根底に流れる一冊に着地できたかな。

2025年2月号(24年12月19日発売)584ワインがあれば、人生は楽しいんです!

言い切りたい、いいお酒は人生を豊かにすると。学ぶことがこんなにおもしろいアルコールの筆頭がワイン。それだけで巻頭特集を仕上げてしまおうと思ったのは、フィガロジャポンとしてビジネス拡充のためにもとワインクラブが有志たちの想いから結成され、その結実した形をどこかで見せたかったから。うんちくはもちろん、選び方、味わい方、オーダーの仕方、探し方、そして学び方まで紹介。東京と京都のワインが美味しく飲める場所も紹介した。ふだんはファッションエディターとして活躍してくれているシャンパン飲兵衛の愛甲まみ氏に京都取材に出かけてもらった。酔っぱらって電柱にぶつかったりしませんように!と神に祈ったことを憶えている。

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