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NYに再び恋をする! FX局史上最も視聴されたドラマ『ラブストーリー ジョン&キャロリン』を語る。

  • 2026.3.28

配信開始からわずか数週間で2500万時間以上の視聴を記録(参照元:The Wrap誌)し、FX局史上最も視聴されたリミテッドシリーズドラマ『ラブストーリー ジョン&キャロリン』が全米で大きな話題に。多くのメディアが連日ドラマに関するニュースを発信しているが、人々が惹きつけられているのは、単なるロマンスの再現ではなく、ふたりが生きた90年代へのノスタルジアなのかもしれない。

左:キャロリン・ベセット役を演じたサラ・ピジョン右:ジョン・F・ケネディ・ジュニア役のポール・アンソニー・ケリーphotography: shutterstock

ドラマが注目される理由とジョン・F・ケネディ・ジュニアとキャロリン・ベセットについて。

本作が描くのは、ジョン・F・ケネディ・ジュニアとキャロリン・ベセット。90年代のニューヨークを象徴する美男美女のカップルとして語り継がれてきた存在だ。ジョン・F・ケネディを父親に持つジョンと、カルバン・クラインの広報としてキャリアを築いたキャロリン。

だが彼らが特別だったのは、その肩書きだけではない。ニューヨークのレストランやナイトシーン、ファッションシーンにも姿を現し、どこか手の届きそうな距離にいながら、リアリティスター以前のリアリティスターのような、ベールに隠された私生活を送る、その絶妙な距離感こそが、人々の想像力を掻き立ててきた。

当時はまだSNSが存在せず、著名人の日常をリアルタイムで知ることはできず、雑誌や新聞、写真から実体を想像するしかなかった。現代のようにすべてが可視化され、消費される時代とは異なり、そこには見えない部分があり、それが人々の憧れを増幅させていたのかもしれない。

そして90年代にはまだスマートフォンもなく、偶然の再会や口約束などのアナログ要素をもつ恋愛が、視聴者にとってロマンティックに感じられるのかもしれない。

ロケ地で追体験できるドラマの名シーンと、真似したくなるキャロリン・べセットのスタイルの魅力。

この作品の影響は、レストランなどのロケ地にも及んでいる。ニューヨーク・タイムズ紙は「『Love Story』が、90年代のニューヨークに再び恋をさせている」というタイトルで、この作品のヒットを、視聴だけではない大きな社会現象として報じている。登場するレストランには実際に人が押し寄せ、キャロリンのスタイルが再び人気になっている。

さらに、90年代を知らない世代でさえ惹かれている点に触れ、この作品が単なるドラマにとどまらず、その時代を追体験したいという感覚を呼び起こしていると指摘している。(ちなみにドラマ内に登場して、放送後、来客が増加していると報じられているのは、イーストヴィレッジのインド料理店「Panna II」やトライベッカのレストラン「Bubby's」(ふたりは常連客だったとされている))。

その背景にあるのが、キャロリン・ベセットのスタイルだ。カルバン・クラインでキャリアを築いた彼女は、現在「クワイエット・ラグジュアリー」と呼ばれる流行の先駆け的存在だと言っても過言ではない。黒と白を基調としたシンプルな配色、ブロンドの髪をきちっとまとめたヘアスタイルが、ミニマルで研ぎ澄まされたエレガンスを醸す。ドラマ内に登場する彼女の服装も実際のキャロリンのスタイルを如実に表現しているが、これもまた各紙で〇〇のブランドで値段は〇〇という報道があるので、同じ商品を購買したがる視聴者も多いのだろう。ジョンがケネディ一家出身で、生まれた時からスポットライトの下にあるのに対して、キャロリンは一般人だ。そんな彼女のシンデレラストーリーも、視聴者には魅力的だ。

アメリカ版ロイヤルファミリーの物語。

ドラマはふたりの最期から始まる構成になっている。1999年7月、ジョン・F・ケネディ・ジュニアが操縦する小型機はマサチューセッツ州沖で墜落し、彼とキャロリン、そしてキャロリンの姉ローレンの3人が死亡した。この事故は当時大きく報じられ、いまなおケネディ家を象徴する出来事のひとつとして語られている。

昨年末にはジョン・F・ケネディの孫であるタチアナ・シュロスバーグが他界した。環境ジャーナリストであった彼女は35歳という若さで癌により亡くなってしまったが、アメリカではケネディ家がロイヤルファミリーのように見られていることもあり、多くの人が彼女の死を悼んだ。90年代のニューヨークへの関心と、いまも続くケネディ家の物語。そのふたつが重なり合うことで、ドラマ『ラブストーリー ジョン&キャロリン』は単なる再現ドラマを超えた社会現象となっている。

 

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