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「60代でもまだ間に合います」今年83歳現役女医が提案!骨粗鬆症予防2つのポイントとは?

  • 2026.3.30

「60代でもまだ間に合います」今年83歳現役女医が提案!骨粗鬆症予防2つのポイントとは?

今年6月で83歳。いまも現役で診療に立つ内科医・菅沼安嬉子(すがぬまあきこ)さんは、「本気で『これからが人生本番』と思っています」とおっしゃいます。年齢を重ねるほど、人生はしぼんでいく——そんな思い込みを軽やかにくつがえす言葉です。貴重な経験から導き出したヒントをまとめた著書『80歳、これからが人生本番』(世界文化社刊)から、一部抜粋してお届けします。第2回は、骨粗鬆症との向き合い方。

合言葉は「骨密度と筋肉を落とさない」

骨密度低下に「待った!」をかけましょう

60代からの人生をイキイキ過ごすには、心のフットワークと肉体的なフットワークの両方が大事。肉体的なフットワークのよさを支えてくれるのが、「丈夫な足腰」です。

閉経で女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減ると、骨の形成と骨の吸収のバランスが崩れ、骨密度が急激に低下します。一般的に閉経後10年くらいで骨形成が低下し、そのまま減り続けると、場合によってはいずれ骨がスカスカ状態に。下のグラフを見ればわかるように、60代は、骨粗鬆症予備群なのです。

骨密度が低下すると、転んだ際に骨折するだけではなく、ちょっとしたはずみで腰椎圧迫骨折などを起こしかねません。寝たきりになる原因の第2位が骨粗鬆症にともなう骨折ともいわれているので、骨粗鬆症予防は高齢になってからのクオリティ・オブ・ライフを落とさないために欠かせません。

グラフにあるように、成長期や30歳までの成人期にカルシウムを十分に摂取し、加えてしっかり運動をするなどして「骨貯金」がある方は、骨が丈夫なまま寿命を全うできる確率が高くなります。骨貯金に自信がない人は、とにかくこれ以上、貯金を切り崩さないことが大事です。

特に過去にダイエットを経験した人は要注意。どのくらい体重を減らし、食事制限をしたかにもよりますが、本来、骨を増やさなくてはいけない時期にダイエットをすることで、若い時期から低骨密度になっている可能性があるのです。そのためダイエット経験者は経験していない人に比べて骨密度が低い可能性があります。「ダイエットをしたのはずいぶん昔、若い頃のことだから」などと、あなどることはできません。「要注意人物を通り越して危険人物なのだ」と、肝に銘じましょう。

でも、過去に戻ることはできません。とにかく「今できること」を「今すぐ」始めて、「100歳まで踏みとどまる」という決意をしましょう。

では、どのようして予防すればよいのでしょう。

ポイントは「カルシウムの摂取」と「骨に刺激を与える運動」の2点。さぁ、今日から骨粗鬆症対策を開始です。

カルシウムは毎日の食事から

まず大事なのが、毎日、食事でカルシウムを摂取することです。カルシウムは骨の原料と思いがちですが、それだけではありません。神経の伝達、脳の働き、筋肉の収縮、血液凝固、心臓の拍動調整などに必要な、人体に欠かすことができない物質なのです。

そんなわけで体内では生命維持のために常にカルシウムが必要ですが、食べ物で摂取しないと、貯金を下ろすように骨からカルシウムを取り出してしまいます。アフター更年期は、放っておくと骨がもろくなりがち。そのうえ、カルシウム不足で骨貯金から引き出していたら、骨粗鬆症が加速しかねません。そうならないためには、毎日カルシウムを摂取する習慣が大事なのです。

成人が一日に必要なカルシウム量は650〜750mg、高齢女性なら600〜700mg。乳製品はカルシウムを多く含み、なおかつ吸収率が高いので、できれば毎日摂取したいものです。

牛乳コップ1杯(200ml)約200mg
ヨーグルト1個(200g)約200mg
三角チーズ(1個)約200mg

その他、小松菜、チンゲン菜、大豆製品などにもカルシウムが含まれています。

なお小魚や海藻類はカルシウムが豊富ですが、どちらも腸からの吸収が悪いので、思ったほどカルシウムが摂れない場合もあります。

カルシウムの吸収を促すビタミンDやビタミンKが含まれる食材も積極的に摂りましょう。ビタミンDは卵、牛乳、チーズ、椎茸やキクラゲなどのキノコ類、鮭、サンマ、イサキ、ウナギなどに多く含まれています。また、ビタミンKは緑茶、納豆、小松菜、ほうれん草、海老、ブロッコリーなどに含まれます。

ビタミンDは、日光を浴びることで体内でもつくられます。ただし浴びすぎると肌が老化してシワが増えるので、顔は紫外線対策をしたうえで、ウォーキングなどで毎日15〜30分ほど屋外で過ごすといいでしょう。

骨に刺激を与える運動をしましょう

骨は、負荷がかかるほど骨をつくる細胞が活性化されて、強くなる性質があります。そのため、骨粗鬆症を予防するためには、骨に適度な刺激を与える運動が効果的です。そこで日々の生活に取り入れられる簡単な運動をご紹介します。

1 かかと落とし

つま先立ちになり、やや勢いをつけてかかとを床に打ちつけます。ふらつく人は、テーブルや流し台に手を置いてやってみてください。比較的体力がある方は、縄跳びにチャレンジするのもいいかもしれません。

2 リズムウォーキング

骨と筋肉の両方にいい作用があり、心肺機能の低下も防いでくれるのがリズムウォーキングです。「次の信号までは速歩」と決めてできるだけ速く歩き、信号で一休み。少し普通の速度で歩いたら、また早歩き。可能ならば、ちょっぴりジョギングも混ぜてみましょう。緩急をつけたリズムウォーキングは有酸素運動にもなります。ちなみに有酸素運動は筋肉の成長を促すたんぱく質合成が誘導されるといわれています。

健康のために「一日6000歩」などと目標を立てて歩いている方も多いはず。すばらしい心がけだと思います。でも実は、ゆっくりだらだら歩いているだけでは、骨や筋力の強化にはそれほど大きな効果は期待できないのです。もう少し筋肉や骨に刺激を与える「リズムウォーキング」のほうが効果的なので、ぜひ試してみてください。ジョギングはちょっとしんどいし自信がないという方も、これなら気軽に日常生活に取り入れられるのではないでしょうか。

※この記事は『80歳、これからが人生本番』菅沼安嬉子著(世界文化社刊)の内容を、ウェブ記事用に再編集したものです。

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