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1日分のバイト代が飛ぶ7000円のお茶代。上京組と都会組の「残酷な格差」から港区女子へ堕ちた女子大生【作者に聞く】

  • 2026.3.29
『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』004 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA
『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』004 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA

東京に憧れて上京した美春は「金銭面は自分で何とかする」と親を説得して大学に入った。入学式で華やかな大学生に圧倒され、バイトを頑張って自分もきれいになりたいと願う。しかし生活費のために働く上京組と欲しいものを買うためにバイトする都会組とには大きな格差が存在した。憧れの東京で一人の女性の栄光と挫折を描くうみの韻花(@umino_otoka)の漫画『人生もっとうまくやれたのに港区女子の絶望と幸せ』が共感を呼んでいる。著者に制作の裏側を聞いた。

『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』005 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA
『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』005 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA
『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』008 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA
『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』008 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA
『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』010 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA
『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』010 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA
『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』011 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA
『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』011 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA

奨学金と生活費を稼ぐことで精一杯の美春に対し、入学して知り合った都内在住の桜子は親から入学祝いにもらったハイブランドのバッグを持ち、バイト代で流行のカフェに行き新作コスメを買う。ある日桜子に誘われてカフェに行くと、注文したアフタヌーンティーは1人7000円だった。1日のバイト代が吹き飛ぶ価格に美春は食べた気がしない。さらにバイトで疲れて居眠りをしていると、桜子から「バイトより大学生活のほうが大事だよ」と言われてしまう。バイトをしなければ一緒にカフェに行くこともできない美春は、自分より貧しい世界が身近にあることを知らない桜子との現実に直面し、何のために大学に来たのかわからなくなっていく。

著者は美春というキャラクターは自身の経験から着想を得ていると語る。田舎出身の著者が上京して理想と現実のギャップに突き当たったり、お金を稼ぐことで傲慢になり本来の目標を見失って若さという勢いで生きてきた時期を主人公に投影させているという。ある意味で彼女は存在したかもしれないもう一人の自分なのだ。本作はリアリティを追求し、著者が大学へ一人で見学に行き主人公の擬似体験をしたり港区界隈で資料集めをしたりと取材にも力を入れている。

その後美春は大学の準ミスコンに選ばれ生活が一変する。飲むだけで数万円が手に入るギャラ飲みの世界に足を踏み入れるのだ。著者自身にはギャラ飲みや港区で働いた経験はなかったため、リアルな実態を調査するべく元港区女子を探して何度も取材を重ね、システムや実体験を調査したという。港区女子が好むブランド品や服装も徹底的にリサーチして漫画に取り入れている。

少しずつ憧れていた華やかな港区女子に染まり性格も歪んでいく美春。著者はこの過渡期で美春が嫌われるキャラクターにならないよう、序盤で彼女の葛藤や苦悩する描写をしっかり描き読者が共感や同情を抱けるよう構成した。港区女子に染まっていく中盤以降は美春の目のハイライトの数を徐々に減らしている。さらに年齢を重ねたり整形をするたびに顔の比率を微妙に変え、身につけるファッションやアクセサリーなどの小物にもこだわって描かれている点に注目したい。

制作に1年半を費やした著者の渾身の本作。主人公と感情を一体化させて魂を込めて描いた作品であり、ふとまた読み返したくなるような一冊になればと著者は語る。努力をしなければ見ることができない豊かな生活とは何か、お金を手にすれば人は幸せになれるのか。キラキラして見える東京の光と闇をぜひ本編で見届けてほしい。

取材協力:うみの韻花(@umino_otoka)

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